未決勾留日数中500日をその刑に算入する
他の裁判所はどうか知らないが、東京地裁の場合、逮捕からだいたい2カ月で第1回公判となる。
ところが裁判員裁判は、起訴後かならず「公判前整理手続き」というのが行われる。公判(公開の法廷での審理)の前に、裁判員の負担を軽くするため、主張、立証を密室で削り整えてしまうのだ。
結果、裁判員裁判の公判は、分刻みでスケジュールをこなす、印象勝負のプレゼン合戦となる。
裁判員裁判の実質的中心といえる「公判前整理手続き」は、やっぱり時間がかかる。最高裁によれば、平均5.6カ月間、否認事件では平均7.0カ月間。
その間、被告人は通常、勾留され続ける。
それでだ、判決はたいてい、こういうふうに言い渡される、裁判員裁判であってもなくても。
裁判官 「主文。被告人を懲役×年に処する。未決勾留日数中×日をその刑に算入する」
懲役1年、未決30日算入なら、実際に服役するのは11カ月、そういうことだ。もちろん仮釈放でもっと早く出所することもある。
私は10年ほど傍聴マニアを続けてきた。元裁判官などからお話を聞いてもきた。未決算入は、東京地裁の場合の非裁判員裁判では、だいたい60日を、裁判に要する期間と考え、それを超える日数を算入するようだ。逮捕から判決まで60日きっかりでも、原則10日は算入するのかな、そのへんは私はよく知らない。
算入日数は、裁判官の裁量に任されており、「量刑相場的に懲役1年は動かせないけど、それじゃ可哀想な事情があり、未決算入を多めにとる」というふうなことは普通にあるようだ。
裁判員裁判の未決算入は、180日とか200日とかよくある。私が傍聴したなかでいちばん多かったのは500日。
※ 未決算入のことは、新聞・テレビは頑として触れない、昔から。「被告人」を頑として「被告」と呼ぶように、何か特別な取り決めがあるらしい。
たとえば365日算入なら、懲役4年は実質3年だ。
身柄拘束は同じでも、未決の拘置所のほうが、刑務所での服役より自由がきくらしい。そうすると、裁判員制度のおかげで、犯罪者は助かってることになる。
『ドライバー』の前号(7月20日発売号の前の号)に書いたように、罪名落としで助かってる被告人はかなりいるらしい。
裁判員裁判の対象となる「一定の重大事件」の起訴は、制度施行後、3分の1くらいに減ってる。
一方で、裁判員制度により、厳罰化が進んでいるようだ。
先日、裁判員の負担を軽くするため、当然併合すべき事件を分離し、そのため重い懲役刑になった可能性がある事件を傍聴した。
そうして来週のあの事件は、その、併合されなかった部分かと思われる。うわお![]()
そういうのをきりきり傍聴してリアルにレポートするのが私の役割と思ってるので、その日は休みたかったのに行かざるを得ない。しかもっ、来週から完全に、恐怖の夏休みモードに突入する。嗚呼っ![]()
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