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2012年7月 6日 (金)

レーダ式測定機の遠近設定

 あらま~sign01 栃木県警の警察官諸氏は、拙著『最新版 なんでこれが交通違反なの!?』(草思社)のQuestion18「『レーダー式』で誤測定が起こるとしたら?」を読んでなかったんだね~。
 以下は7月5日付け時事通信。

速度取り締まりで誤測定=レーダー設置でミス-栃木県警
 栃木県警は5日、宇都宮東署が2011年7月から今年5月にかけ速度違反で検挙した約4200件のうち、大半が実際より遅い速度だった可能性があると発表した。県警交通指導課によると、レーダー式速度測定器の設置方法を誤ったことが原因という。
 県警によると、同署交通捜査課はレーダーの投射角度を27度にすべきなのに、0~10度に設置。実際より最高で8%速く測定器に表示されたという。
 検挙されたドライバーが不服を申し立て、調査の過程でミスが明らかになった。県警は約4200件を詳しく調べ直した上で、対応を検討する。(2012/07/05-23:21)

 レーダ式の速度測定機は、アンテナから10.525ギガヘルツの電波を発射し、走行車両(通常は接近してくる車両)に反射して戻ってくる電波を受信。ドップラー効果により、発射電波と受信電波の波長が異なるので、その波長の変化から速度を演算し、細かいことを言えば0.975を乗じて端数を切り捨て、測定値とする。

120706jma230 車両に対して真っ直ぐ測定するのが一番だが、それだと測定直後、車両はアンテナにぶつかってしまう。なので、アンテナは道端に設置し、斜めから測定する。
 そうすると、「コサインエラー」により、測定値は角度分だけ低くなる。27度とか大きな角度で測定するときは、その分のプラス補正をする(装置を「近」にセットする)。5度とか小さな角度で測定するときは、その補正を行わない(「遠」にセットする)。
 画像は日本無線の「JMA-230 レーダ式車両走行速度測定装置 取扱説明書」より。

 「近」にセットしたうえで、小さな角度で(「遠」で)測定すると、プラス補正の分だけ測定値が高くなる。プラスの誤測定が起こる。
 宇都宮東署のネズミ捕りでは、それをやっちゃったんだね。しかし…。

 検挙されたドライバーが不服を申し立て、調査の過程でミスが明らかになった。

 これは非常に不思議な気がする。「不服を申し立て」が手続き的に何を意味するのか不明だが、とにかくまぁ、文句を言ったんだろう。
 でも、そんなもの突っぱねてしまえばいいのだ。「文句があるなら裁判だな」と脅せばいいのだ。万が一、本当に裁判になっても、「間違いなく正しくセットした」と警察官が証言すれば、裁判官は疑わない。

 その「検挙されたドライバー」は、ドライブレコーダーにより自車の走行状況を録画・記録していたうえで、遠近の切り替えが「近」になっているのを撮影したとか? 取締りの警察官はプラス補正について全く無知で、誤ったことを自信をもってとうとうと説明し、全部録音されちゃったとか?
 それにしても、「約4200件を詳しく調べ直」すという事態に、なぜなっちゃったのか。「×年前からずっとこれでやってきたのだ!」と強く説明し、録音されちゃったのかなぁ。

 調べ直した結果、「近」にセットして「遠」を測定したのはごく一部。ほとんどのケースは反則金額にも刑事処分にも行政処分にも影響しなかった。影響した可能性がある数件について、権利回復の措置を…というふうな形で終わるかも。

 団塊世代の大量退職により、ベテラン警察官がいなくなり、現場は…と言われる。警察庁交通局長は、拙著を国費で大量に買い上げ、各都道府県警の交通部門に配布すべし。いやこれマジな話ですよ。lovely  あと、上を目指す裁判官、検察官にはメルマガ「裁判傍聴バカ一代」がお勧めっ、きゃっ。happy02

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