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2012年7月20日 (金)

亀岡暴走事件、認否を留保?

 起訴は6月18日だったはず。第1回公判まで約1ヶ月。通常の運びといえる。
 危険運転致死傷で裁判員裁判になれば、公判前整理手続き(素人裁判員に負担をかけないため主張も立証も予め密室で削りに削ってしまう作業)に何カ月もかかったろう。公判(法廷での審理)は、削り整えられたものを分刻みで消化するだけで終わってしまう。
 ナマのものがリアルに出てくる可能性があるという意味では、自動車運転過失致死傷の起訴でよかった、ともいえるかも。
 以下は7月19日付け産経新聞。

亀岡暴走初公判 少年、謝罪なし…裁判官に一礼も遺族には目を向けず
 京都府亀岡市で集団登校中の小学生ら10人が軽乗用車にはねられ死傷した事故から3カ月。自動車運転過失致死傷と道交法違反(無免許運転)の罪に問われた無職少年(18)が19日、事故後初めて公の場に姿を見せた。この日京都地裁で開かれた初公判で、少年は罪状認否の際に発言の機会が与えられたものの、謝罪の言葉はないまま。遺族と負傷者の家族からは「反省がみられない」と失望の声が聞かれた。
 傍聴席から見えないよう衝立の奥で手錠を外され、被告席に現れた少年は丸刈りで白のポロシャツに青のジーンズ姿。裁判官に一礼したが、検察官席の後ろに着席していた遺族や負傷者家族7人とは目を合わせようとしなかった。
 証言台の前に立った少年は手を後ろに組み、裁判長の質問に「はい」と大きな声で返事。罪状認否では弁護人が用意した文書を手に、「起訴状記載の事実は間違いありません。しかし、日時や場所、速度などについては、弁護人が述べる意見に従います」と棒読みした。
 被告席に座る少年の表情を正面から見据える遺族ら。検察側の冒頭陳述では、事故直後の様子や被害者の負傷程度が詳細に述べられると、目を真っ赤にさせて涙をこらえる人もいた。少年はしきりにまばたきを繰り返したが、30分余りの公判中、一度も表情を変えなかった。

 私は「自動車運転過失致死傷」「危険運転致死傷」の裁判を何百件か傍聴してきたが、法廷で被害者・遺族に頭を下げる被告人のほうが少ない。多くの被告人は“居るところなし”という感じで床を見ている。
 ある被告人の姉が情状証人として出廷。「弟は結局、気が小さいんです」旨証言した。そういうことなんだろうなと思えた。
 事件直後に被害者・遺族に電話したら「会いたくない」「葬儀には来るな」と言われたとか、保健会社から「直接の交渉はヤメてくれ」と言われたとか、それを理由に、被害者・遺族への一切のアプローチを絶ってしまう、というケースが圧倒的に多い。

 しかし裁判は、それでは済まない。交通死傷事件の刑事裁判は、実質的には、被告人を緊張させ、実刑におびえさせ、進んでなかった被害弁償や慰謝の措置をぐんぐん進めさせるための装置、ということができる。そのための“定番の突っ込み”というものがある。
 今後、本件もそうなっていくのか。

 上掲報道で、以下の部分がちょと気になる。

「起訴状記載の事実は間違いありません。しかし、日時や場所、速度などについては、弁護人が述べる意見に従います」

 起訴状には「日時や場所、速度」が簡潔に記載されてる。それを認めながら、「しかし」と続けて弁護人の意見に従うと言う…。
 ほんとにそう言ったなら、市川太志裁判長(数カ月前まで東京地裁・刑事第17部にいた)が、細かく確認したはずなんだが。
 同日付の毎日新聞ではこうなってる。

 少年は「(運転の)日時、場所、速度については弁護人に従います」とも語った。遺族らへの謝罪の言葉などはなかった。弁護側は起訴内容の詳細について認否を留保した。

 日時、場所、速度などの一部または全部について、認めるとも認めないともまだ言えない、その理由は何なんだろう。
 何であれ、そんな要素が出てきて、審理が進むにつれ「あっ、そうだったのか」となり、事件がより深く見えてくる(ことがある)、そこが非裁判員裁判の良いとこだと思う。

 さて来週月曜から、東京地裁の開廷はぐんと減り始める。東京高裁は半分以下だ。そこへ夏休みの学生、生徒諸君、親子連れの皆さんがどどっとやってくる。
 でも、アレがまさかあの事件とは、関係者以外ほとんど誰も知らないはず。ぅふふ。とかこの夏も気味悪く笑う、嗚呼、哀しい傍聴マニア哉、字余り。crying

 故・黒木昭雄さんの小説『神様でも間違う』。帯に「衝撃の遺作」とあるが、ほんとにそのとおり。すごい小説ですわ。Nシステムについてもリアルな話が出てくるsign01

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