捜査報告書の枕詞
メルマガ「裁判傍聴バカ一代」、第1027号は「宇都宮簡裁、速度違反再審、9件次々傍聴っ」。そう、29日(金)、また宇都宮簡裁へ行ってきたんですな~。一日がかりで9件傍聴すると、見えてくるものがある…。
疲れきって帰宅、ニュースサイトを開いてみたら、あらま、こんなのが。以下は29日付け読売新聞。
捜査報告ウソ記載、巡査部長を不起訴…京都地検
バイクを無免許運転した男性(32)を逮捕した際、捜査書類にうその目撃内容を記入したとして虚偽有印公文書作成・同行使容疑で書類送検された京都府警山科署交通課(当時)の男性巡査部長(48)について、京都地検は29日、不起訴(起訴猶予)にした。
男性も同日、不起訴(同)とした。地検は不起訴の理由を明確にしていない。
巡査部長は昨年10月、京都市山科区内で無免許運転したとして、男性を道交法違反で逮捕。バイクがコンビニの駐車場に入るのを見ただけなのに、捜査報告書に「約50メートル走行していた」と記載したとして、12月に書類送検された。
現認状況を、だからつまり違反態様を、でっち上げたわけじゃん。そんな悪質な事件がなぜ不起訴なのか。
警察は、取り締まりたいとき取り締まる。取り締まった以上、違反は事実でなければならず、かつ、悪質でなければならない。
ゆえに、そのような捜査報告書等を必ずつくる。
たとえばスピード違反の測定値が100キロなら、そんなに出てないと思っても、あるいはよく分からなくても、「被疑車両は目測100キロだった」と書く。一時不停止なら、人が歩くほどの速度に減速して通過した場合でも、「漫然15~20キロメートル毎時の速度で通過した」と書く。有能な警察官なら、「左方から横断しかけた歩行者が驚いたように立ち止まった」などとも書くだろう。
捜査報告書とはそういうものであり、「約50メートル走行していた」という部分は、枕詞(まくらことば)のようなもんなのだ。
「うつせみの…」と聞いて「セミがうつ病になるはずがない!」と怒るとか、「あしひきの…」と聞いて「足は轢いてない。でっち上げだ!」と怒るとか、そんな人いないっしょ。
だから不起訴でいいのだ、という一面もあると思う。
捜査報告書に独特の枕詞があること自体は、いまさら驚くようなことじゃない。
驚くべきは、「バイクがコンビニの駐車場に入るのを見ただけなのに」と、なぜ発覚したのかってことだ。
コンビニには監視カメラがつきもの。証拠映像が残ってたのか。でも、不利な証拠はあっても出さないのが捜査の基本…。うーん、もしかしたら「バイクがコンビニの駐車場に入るのを見た」という事実すらないのかも。
そうだとしても、その男性を不立件または不起訴にして終わらせれば済むだろうに、なぜこんな事態に? 新聞報道はいつも謎だらけだ。俺の読み方が悪いのか…。
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