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2013年6月の9件の記事

2013年6月30日 (日)

東京23区内の性犯罪者に告ぐ!

 俺はね、「強姦」「準強姦」「集団強姦」「集団準強姦」「強制わいせつ」「準強制わいせつ」「公然わいせつ」「迷惑防止条例違反」「児ポ法違反」等、色情系の裁判が取り立てて嫌いってわけじゃないのだ。
 俺だって、ぽっかり時間が空いて、じゃあどの法廷へ行こうか、となったときなんか、やっぱ色情系へ行きたくなる気持ちはある。

 でも、あえて行かない。
 なぜなら、東京地裁の色情系はいつも押すな押すなの大混雑で、疲れちゃうから。そしてまた、東京地裁の裁判官たちは腹の中でこう思ってるだろうから。

裁判官 「誰しもわいせつなものに惹かれるのは分かる。しかし傍聴人たちのわいせつ好きは度を越えてる。一方で、わいせつ以外の裁判はガラガラなことがある。傍聴席が無人のこともある。裁判が公開なのは国民に司法を監視させるためだが、国民なんぞこの程度のものなのだ(笑)」

 裁判官にそう思わせるだろう1人になるのは、なんかムカつく、という面もある。

 そうは言いながら、メルマガでは色情系のレポートもけっこうやってるじゃん?
 おっしゃるとおりだ。「公然わいせつ」については全件傍聴してやろうと燃えてた時期があったし(笑)、その他、ネット検索で意外なものがヒットして「うっわ、これは傍聴しなければ!」となった事件、また俺自身の超絶マニアックデータにヒットがあり、「あの事件と同姓同名じゃん、またやったのか。今度はどんな主張をするんだ?」となった事件などは、狙って頑張って傍聴する。
 あと、東京地裁で長く争ってて東京高裁へ出てきた事件、つまり冤罪主張と思われる事件とかね。
 7月の第1週は、柔道の指導者によるわいせつ事件がある(メルマガ第1106号編集後記)。傍聴しようか悩んでる。
 てゆっか俺の場合、本誌冒頭のような事件名じゃなく、しかしばりばり色情事件、すなわち電車内での精液かけや下着泥、覗き目的の女子トイレ侵入なんかを傍聴するほうが多いかな。

 とにかくね、東京23区内で、起訴猶予や罰金ですまない色情事件をやらかすと、ぎっしり満席の傍聴席から好奇と蔑みの目でじろじろ見られ、若い正義ぶった美人検察官から、

検察官 「盗んだ女性用下着で自慰行為をしていたのですね?」

 とかガンガン突っ込まれることになる。そういうのに特別な性的悦びを見出す性癖でないなら、少なくとも東京23区内で性犯罪をやるのはヤメとくほうがいいと思いますょ。

2013年6月23日 (日)

全国第1号起訴は刑罰権の目的外利用!

 今週は月~金の5日間、ぜんぶ裁判所へ通ってしまった。どうしても傍聴したい事件が散ってたんだよぅ。マジ泣きそうっ。でも裁判傍聴師である以上、仕方ないのか。crying

 6月16日にご紹介して以降のメルマガ記事を、少し解説してみる。

第1094号 死亡被害者は飲酒運転を認識、認容して同情

 21歳の学生が、友人男女5人とともに居酒屋2軒で飲酒、カラオケ店へ行くため運転中、飛び出した小動物に驚愕してハンドル操作を誤り、立ち木に激突、同乗の19歳学生が車外放出で死亡、被告人も友人男女4人も逃げた…という事件。
 弁護人は、死亡被害者は飲酒運転を承知で同乗したのであり、シートベルトを装着していなかったのも本人の責任、と執行猶予判決を求め…。

第1095号 高校時代のイジメの恨み、復讐を想像し続け

 高校時代からずっと想像し続けて20歳になり、サバイバルナイフで脅そうと呼び出したら、相手は大学に入り彼女ができ、タバコを吸うようになっていた。「昔は悪かったな、俺も子供だったんだよ」などとへらへら見下すような態度に被告人は切れ…。

第1096号 弁護人が罰金の執行猶予を求め、俺はニヤリ

 検察官もニヤリ。目が合っちゃった(笑)。弁護士は、他の弁護士がどんな刑事弁護をやってるかよく知らないと聞く。俺のメルマガを読むといいですよぅ。 ※「弁護人」は刑事裁判上の役割。ほとんどすべての場合、弁護士が弁護人を努める。

第1097号 スイス在住資産家殺害事件、共犯者が出廷!

 ワイドショーなどで大きく報じられた事件、の共犯者。この弁護人は、なぜか俺の琴線を深くふるわせる、少女のような女性。弁護活動のキレが良いのだった。

第1098号 全国第1号起訴は刑罰権の目的外利用!

 これぞ重大事件! 弁護人の冒頭陳述は非常に分かりやすかった。裁判所との闘いの物語、こういうのをレポートするのが裁判傍聴師の役割かと!

第1099号 生活保護の前科18犯、俺よりリッチじゃん…

 こういう悲しい話を書くのも、俺は得意なのだょ、あーん。

 第1100号は、高齢者による「強制わいせつ」と、やっぱり色情目的だった「邸宅侵入」の2本立てにしようかと。
 ここんとこ、メルマガの読者数がどんどん増えてる。ありがとうございますっsign01

2013年6月19日 (水)

スイス在住資産家夫婦殺害事件、まず共犯者が法廷へ出てきた!

 今日の東京地裁は、制服の男女生徒が、俺の視野に入った限りで50~60人来てた。やべっ! 俺はあわてて715号法廷へ。

 しばらくして、分散したのだろう(偉いね)、4~5人の生徒が引率の男性(弁護士かな?)に連れられ、715号法廷の前へ来た。
 715号は10時~10時30分、「詐欺未遂」の新件。引率者は、詐欺といえば振り込めとか、無銭飲食も詐欺だ、などと説明…。
 この「詐欺未遂」はそんなのじゃないっす、大変な事件ですよ、と俺は声をかけようかと思ったけどヤメた。
 715号はドアが開け放されており、記者席の白いカバーが見えた。引率者は、何か大きな事件なのかな? と言った。おぉ、そこに気づくとは、この引率者、慣れてますな?

 しかし引率者は、こっち(715号)は30分だからと言い、生徒たちは隣の716号法廷、10時~11時の「常習累犯窃盗」の新件へ行った。
 だよねぇ、30分間の期日ってことは、追起訴か否認で続行が予想される。学習活動として初めて傍聴する生徒さんには、そんなのより、1時間で結審までいく(と普通は予想される)事件がいいよね。

 そうして、俺は715号法廷で「詐欺未遂」の新件を傍聴したのだった。
 以下は1月30日付け産経ニュースの一部。やっぱりこの事件だった。

遺棄容疑で職業不詳男逮捕 多額の預金奪う目的か
 スイス在住の日本人資産家夫婦が昨年12月から行方不明になっている事件で、埼玉県久喜市で男女の遺体が見つかり、警視庁捜査1課は29日、失踪した投資会社役員の霜見(しもみ)誠さん(51)と確認した。もう一体は妻の美重(みえ)さん(48)とみられる。いずれも首に絞められた痕があり、捜査1課は殺人・死体遺棄事件と断定して築地署に捜査本部を設置。死体遺棄容疑で、職業不詳の■■■■容疑者(41)を潜伏先の沖縄・宮古島で逮捕した。

 「死体遺棄」容疑で逮捕され、なぜ「詐欺未遂」で公判廷へ出てくるのか。さぁ、ブログとツイッター専用のノートパソコンはこれで閉じ、通信回線をデスクトップパソコンにつなぎ、メルマガを書かねばっsign01

地獄の上に架かった細い危うい橋を渡るに等しい

 相変わらず、残念で悔しくて仕方がない。状況は何も変わってないかに見える。
 以下、2011年1月20日発売の『ドライバー』に書いた記事より、一部転載する。

 私はもう残念で悔しくて仕方がない。傍聴席でこう叫びたいのをいつもガマンしている。
「そんなの、ほんとは起こらなくていい死傷事故だと、なぜだれも気づかないんだ!」
 どういう意味か、ぜひ聞いてほしい。
 そもそも「人対クルマの死傷事故」は、なぜ起こると思う? ムチャな運転や不注意な運転をするヤツがいるから? それは違う。
 ムチャな運転で事故っても、ガードレールに衝突したり、クルマ同士でぶつかっているぶんには、「人対クルマの死傷事故」は起こらない。それが起こるのは、人とクルマの進路が重なるからだ。
 クルマは2tもの鉄の塊といえる。本来の進路を外れて人に襲いかかれば、生身の人間はひとたまりもない。

 クルマが本来の進路を外れやすいのは交差点である。直進車と右折車がタイミングを誤ったり、信号の変わり目にムリをしたり。警察庁の統計でも交差点およびその付近での事故がもっとも多い。
 そして交差点では、ガードレールが途切れる。歩道がむき出しになる。クルマ同士で衝突してコントロールを失ったクルマ、なにかを避けようとしてハンドル操作を誤ったクルマは、容易に歩道へ突っ込むことになる。
 交差点での「人対クルマの死傷事故」は、あり得ないどころか、あって当たり前なのだ。

 だから私は、歩行者として信号待ちするとき、電柱とか太い街路樹とか、なにか頑丈なものの後ろに必ず立つ。ある確率できっと突っ込んでくるだろうクルマから、身を隠す。
 ところが、私以外の歩行者はみな無防備に立っている。歩道の縁、車道の際で、向こう側の歩行者信号をぼんやり見ている人、携帯電話のメールかゲームに夢中な人を、ごく普通に見かける。私からすれば、信じられない!
 クルマは突っ込んでこなくても、マナーの悪い自転車が歩道を爆走してきて、ギョッと避けた人が、歩道の縁にぼんやり立っている人の背中に当たることは、十分あり得る。押されて車道へよろけ、そこへ60km/hのクルマやバイクがきたら!
 交差点における歩道は、手すりのない断崖絶壁の縁と同じなのだ。ガードレールが途切れる交差点は、いわば地獄の開口部なのだ。
「被害者になんら落ち度はない」
 それは、法律的に落ち度がないというだけ。なくても、人とクルマが交差すれば人は死傷し、取り返しがつかない。

 横断歩道についても同じことがいえる。横断歩道は、あれはもともと車道なのである。路面にペイントされた白線と、青色の歩行者信号、それだけに頼って生身の人間が車道へ進み出るのは、地獄の上に架かった細い危うい橋を渡るに等しい。
 裁判の法廷へ出てくる交通事故のほとんどは、青信号の横断歩道上で起こっている。
 たとえばこんなケース。被告人(45歳)は大型トラックで鋭角に左折する際、横断歩道の手前でいったん停止し、歩行者をやり過ごしてからゆっくり発進。そのあとさらに左側から来た自転車(62歳女性)に気づかず、衝突して自転車もろとも女性を転倒させ、車底部に巻き込んで轢圧、女性は片足切断の重傷…。
 傍聴席からは、ゆっくり動き出したトラックに自転車が自ら突っ込んで行ったようにも聞こえた。そんな印象を受ける横断歩道上の事故は非常に多い。
「青信号の横断歩道は〝聖域〟。クルマは絶対に入ってこない。クルマなど気にする必要はない」
 という認識が社会全体に、疑いもなく広く共有されているように思える。
 そんな認識が打ち消されれば、「人対クルマの死傷事故」は激減するだろう。しかしだれもそうは言わない。

 警察は交通ルールをつくる側でもある。自分たちがつくったルールをただ守るだけでは命を守れない、とは言えないはず。裁判所は「法的な落ち度」を問題にするだけだ。マスコミは基本的に、警察が言わないことを報じない。
 かくして、「交差点の歩道や青信号の横断歩道こそ、じつはもっとも危険である!」という事実は隠され続け、人対クルマの、起こらなくていい死傷事故が起こり続ける。

 こんな批判があるかもしれない。
「今井は被害妄想的だ。だいたい、歩道や横断歩道へクルマが突っ込んでくる確率は何億分の1だろ。そのためにいつも電柱や街路樹の後ろに、忍者みたいに身を隠し、青信号で横断するとき不審者のようにキョロキョロしまくるなんて、とても現実的じゃない。疲れてしまう」
 いや、それは慣れの問題だよ。慣れれば、とくに意識せず自然に身を隠し、普通にキョロキョロできる。そういう動作が身についてしまう。
 読者諸氏においてもどうか今年を〝忍者元年〟〝不審者元年〟にしてほしい。だって私1人じゃ恥ずかしいもの…。

 とくに、電柱の陰や「事故多発交差点、注意」といった立て看板の陰から、横断歩道へ踏み出す最初の1歩、それが危ない。
 車道の端を疾走してきた自転車が突っ込んでくることがあるのだ。

 つーことで今日も裁判所へ行ってきまーす。dash

2013年6月16日 (日)

62歳の痩せた売春婦、通行男性に視線を送り

 メルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代」、年末年始を除き月、火、水、木、金、土の発行で3年半ほどやってきた。おかげさまでご好評をいただき、発行部数は右肩上がりで増えてきた。

 しかしっ、どう頑張っても、1号を2時間程度で書き上げることができない。だいたい4~5時間かかってる。
 昼間は裁判を傍聴し、帰宅すると傍聴ノートから超絶マニアックデータへの打ち込み等々の作業が1日1~3時間、どうかすれば丸1日かかる。
 これじゃあダメだっ、とじつは3年前から気づいてはいたのです。
 詳しいことはメルマガ第1093号に書きましたが、7月からえいやっと思い切って月、火、木、金の発行に変更することと決めました。
 記事本文のネタも編集後記のネタも、あふれるほどあり、苦渋の決断ではありました。
 今井のことだから、発行数を減らすかわりに1号が長くなるんだろ? 号外号をばんばん出すんだろ?
 その可能性は完全には否定できませんが(笑)、できればそっちへはいかず、内容をさらに研ぎ澄ます方向へ進みたいと思います。メルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代」は、新しいステージに立つのです!

 月半ばからの購読でも、その月の号は全部読めます。いま購読登録をすると以下の号がどどっと送信されます。
 
 

第1093号 手ぶらで軽装の女性、あっ、補充裁判員か!
第1092号 職務質問は蟻地獄、反感を持ったらアウト
第1091号 子どもたちを守りきれなくなるかもしれない
第1090号 しかし遺体が腐敗すると殺虫剤を噴霧し
第1089号 62歳の痩せた売春婦、通行男性に視線を送り
第1088号 息子への腹いせに老いた両親が心中未遂
第1087号 判決直前に裁判官が訴因変更を検討させ!
第1086号 豚による動物実験では表皮全体が壊死!
第1085号 速度違反を見逃してもらおうと賄賂を?
第1084号 裁判官と刑務官、腹の中では互いに…?
第1083号 生活保護より働いたほうがいいと窃盗犯
第1082号 高齢母を嘱託殺人、との主張を二段封じ

 来週の東京地裁、東京高裁も、興味深い事件が続々と出てくる。とくに、あの重大事件と思われる事件が、たぶん誰もそうとは気づかないだろう形で出てくる。傍聴人の多くは、捜査関係者と当メルマガ読者諸氏かも。大変だっ。じゃねっ!

2013年6月10日 (月)

そんなことを言い残し、刑務所へ堕ちて行った男が

 「麻薬:清水健太郎容疑者、6回目の逮捕」と6月7日付け毎日新聞。
 合成麻薬「α-PVP」、今年3月に指定薬物から麻薬に格上げされたことを、知らなかったんだという。

 こと名「清水健太郎」さんの前刑(覚せい剤取締法違反)を俺は傍聴してる。 たとえば被告人氏名が「ジョニー・デップこと今井亮一」の場合、「ジョニー・デップ」の部分を「こと名(めい)」という。

 その第1回公判は2010年11月1日。メルマガ第288号でレポートした。
 以下、作者(って俺だよっ)の許可を得て、その号の一部を以下に。若干加筆等する。

 15時から東京地裁813号法廷(52席。足立勉裁判官)で「覚せい剤取締法違反」の新件。被告人氏名は「清水健太郎こと■■■」。

 被告人は身柄(拘置所)、だぼっとした良い感じの暗色スーツ。自過傷(2009年1月28日宣告、懲役7月)のときに比べ、脂っ気がない、みたいな。短髪には白髪が交じり、被告人席での堂々とした感じは前回ほどはなかった…。

 検察官の冒頭陳述によれば、同種3犯を含む前科5犯。前刑(自過傷)の終了は2009年8月27日。 早めに仮釈放されても「刑の終了」は8月27日となる。

 そして2010年4~5月頃から覚せい剤を再び使用するようになり、同年7月中旬、手元の覚せい剤がなくなり、服役中に知り合った暴力団関係者に連絡、同年8月5日、1パケ1万2000円で売人から買い、あぶりで使用…。

 裁判官が、甲5号、6号証は本件とどのような関係なのか、尋ねた。
 2004年5月29日のガサ(家宅捜索)で漏れた覚せい剤を2010年4~5月に使用した、と被告人は言っているが、ガサ漏れはない(=被告人はウソを言ってる)という情状立証(悪情状の立証)なんだそうだ。

 続いて、被告人の内妻(自過傷のときも証言した背の高い美女)と、被告人の友人でありマネージャーだという男性を証人尋問。

 弁護人が、いったん証言させたことを自分の言葉でまとめてから、

弁護人 「…ということでいいですか?」

 と確認し、「はい」と言わせてから次の質問へ、というスタイルを多用するもんだから、時間がかかってかかって。

 15時52分からようやく被告人質問。要するに…。

 前の覚せい剤で服役してから4年以上、手を出してなかった。すっかりヤメられたんだと完全に思ってた。しかし2010年4月か5月、ストレスから、ガサ漏れの覚せい剤に手を出してしまった。
 いったんスイッチとが入ると、もう止まらない。ガサ漏れの分がなくなり…。

 検察官は2人。いかにも若い僕ちゃん風がすべてやり、日焼けサーファー風の男はその監督指導、という風情。

 僕ちゃん検察官は、ガサ漏れの点を執拗に突っ込んだ。被告人の説明は自然で信憑性があった。

検察官 「なぜ捨てなかったんですか」

被告人 「捨てたいってのと、もったいないってのと、それが正直な気持ちです」

 僕ちゃん検察官は、熱心なんだろう、とにかく被告人を責めたくてたまらず、同じような糾問をくり返し、無限ループになりそうな…。

 すると、サーファー検察官が「もういい」というふうに手で合図し、裁判官も「もういいじゃないですか」と。

 裁判官がこんな質問をした。

裁判官 「刑務所の中では薬物の治療を受けたりはしなかったんですか?」

被告人 「前橋刑務所…600名くらい、薬物の…カウンセリング、受けられるのは、20名なんです。応募したけどダメでした」

 さらにいくつか質問したのち、

裁判官 「何か最後に言っておきたいことがあれば…」

被告人 「警察の方の取調べ…15分くらい無言の対峙があり、『あなた、このままいくと、出てきてまた行って、出てきてまた行って、そこで死ぬでしょ』と。初め聞いたとき、腹が立ちました! 腹が立った瞬間に、ありがたいっ…!
 ××(内妻)、面会にきて、どれだけ涙、流したか…その涙のぶんだけ幸せにしなきゃなんないんですっ! だから今日で覚せい剤はヤメますっ!」

 ハスキーな太い声で、誓うのだった。俺は映画を観てるような錯覚に陥った。

 求刑は懲役2年6月。16時31分、最終陳述。

被告人 「…過去に自分、覚せい剤について2度、刑務所へ行きました。なぜ、日本には、国がつくっている機関で、これだけ覚せい剤の患者がいるなかで、治療が行われてないこと…! 捕まえて処罰するだけでなく、治療もしてほしい! そういう国であってほしいなと思いますっ!」

 そのとおりだと思う! 万引きや痴漢、交通事故にも同じことがいえる。
 しかし、検察官も裁判官も、有罪にするのが仕事、刑務所は刑を執行するのが仕事…。

 てゆっか、被告人が国を批判するような最終陳述、滅多にない。“シミケンの侠気”として、そっち方面の伝説になるかもしれない、傍聴席でそう思った。

 そんなことを言い残し、刑務所へ堕ちて行った男が、また薬物で…。
 刑務所で、またも治療されなかった、指定薬物がヤバイことの注意もなかった、そう推認するのが相当じゃないんですかね。

 検察官はいつも言う。

検察官 「被告人を長期間、矯正施設に収容し、徹底した矯正教育を施すべきと…!」

 なーにが「矯正」だょ。空々しくて寒々しい限り。多くの実例をもとにそんなことを言うのが、裁判傍聴師の役割の1つかと。

2013年6月 9日 (日)

振り込め詐欺師25歳、1000万円を84歳女性に騙し取られ

振り込め詐欺犯を狙う新手口、現金を小包で送る 振り込め詐欺師1000万円被害
 警視庁は9日、東京都内の振り込め詐欺犯の男性(25)がだまされて1000万円を小包で送る詐欺被害に遭ったと発表した。送付先は福島県内の女性(84)だったといい、警視庁は振り込め詐欺犯を狙った新たな手口とみて、福島県警と連携して捜査している。
 警視庁によると5月初旬、男性は女性宅に宝石のカタログを送付し、数日後、「カタログの宝石は選ばれた人しか購入できない。当社が3倍の価格で買い取るので、急ぎ購入を申し込んでほしい」と電話した。すると女性は、てっきり信じ込んだかに演技し、「老後の資金2億円をアラブの某国の国債購入に充てたばかり。それを解約して宝石を購入したい。ただ、急ぎ解約するためには1000万円が必要ですぢゃ」と話し、男性は1000万円を小包にして福島県内の指定された住所へ送ったという。
 警視庁は「現金を送る前に、身近な警察署に相談してほしい」と呼びかけている。
 【UP通信】 ※UP=うそぴょん

 不謹慎ではあるが、6月8日付け毎日新聞「振り込め詐欺:お年寄り狙う新手口、現金を小包で送る 福島・相馬の女性1000万円被害」との記事が、そんなふうに読めてしまう…。

 テレビをチラ見してたら、犯罪手口をネタにしたバラエティ番組、みたいなのがあった。いい企画だと思う。
 女生徒にわざとネコババさせて脅迫し、強制わいせつに及ぶとか、盗撮犯を狙う恐喝犯(本人自身も盗撮魔)とか、あらかじめ知識がなければ簡単にひっかかってしまうだろう犯罪が、裁判の法廷へ出てきてる…。

 ところで、今年に入って「裁判傍聴師」としての自覚をはっきり持ったことが天に通じた、としか思えない、かつて見たとのないシーン、今まで考えたことのなかった側面に、次々遭遇してる。
 それをメルマガでお伝えするのが楽しくてしょーがない。すべてを注ぎ込んで熱中できるものがあるのは幸せなんだよね? だよね? 不安感を漂わせ、次号へ続く(笑)。
 

2013年6月 4日 (火)

国家公安委員長、あんたなにを言い出すのっ!

 今日もまた、法廷内で裁判官と刑務官がケンカ腰で言い合うシーンを目撃しちゃった。うわ~。裁判官と刑務官って、もともと仲が悪かったりするの? そう考えて見ると、いろいろ思い当たるふしがあるなぁ。よし、メルマガ次号はそれを書こう。

 なーんて思いつつ帰宅。腹へったんでヨーグルトを食べ、その間だけテレビをつけたら、なんとラッキー、ちょうどびっくりなニュースをやってた。
 以下は、6月4日付け産経新聞。

国家公安委員長、危険ない道での交通違反の取り締まりに苦言
 古屋圭司国家公安委員長は4日の記者会見で、交通違反の取り締まりについて「違反した側も納得できるようにする必要がある」とした上で、「歩行者が出てくる危険性がない道路で、制限速度を20キロオーバーしたことで取り締まりの対象になるのは疑問」という趣旨の発言をした。
 古屋委員長は「取り締まりのための取り締まりになっている傾向があり、警察の信頼という視点からもちょっと疑問符がつく」と指摘。片側2車線で「歩行者が出てくる危険性もない制限速度50キロの道」を例に挙げて「交通の流れに逆らわずに行くと70キロぐらい出る」とし、「20キロ以上超えると取り締まりの対象になる。そういうところはどうかなといつも疑問に思っていた」と話した。
 古屋委員長は3日に全国の警察本部長らを集めて東京都内で開かれた会議で取り締まりの実態を詳細に調査するように訴えたことを明かし、「真に交通事故の防止に資する取り締まりを目指す」と語った。

 なっ、なにを言い出すのか、俺は腰を抜かしちゃうですよ。

 俺は交通違反・取締りを丸30年間、取材・研究してきた。結論はこうだ。、
 交通取締りってのは、国家公安委員長だって妥当性を欠くと思える規制、の網をがんじがらめにかけ、つまり交通違反が日常的にあふれる状態をまずつくり、そのごく一部(検挙率的には1%をはるかに割るが、件数的には年間軽く1000万件を超える数)を、現場警察官に努力目標(実質ノルマ)を課して取り締まらせ、年間700~800億円くらいの反則金をはじめ、生じるカネはぜんぶ警察の縄張りへ流し込む、警察幹部はそこへ天下る、そういう錬金システムなのである、大掛かりで合法な悪徳商法なのである、交通取締りってのは。

 取締り件数はほとんど変わらないのに、近年、交通事故死者がぐんぐん減少した。
 それは、不景気や、若者の車離れや、エアバッグ等衝突安全技術の進歩、などによると思われる。

 俺が警察庁長官なら、国家公安委員長にこう言うね。

「取締りを受けて不服がある場合には、もちろん不服を主張していだけるよう、きちんと手続きを設けております。が、その手続きを利用して不服を主張する方はほとんどいません、きわめてわずかです。取締りを受けた当初は、現実に反則金が財布から出ていく痛みがあったり、普段から同様の違反をくり返していたところに初めて捕まったため不服を感じたりしたものの、落ち着いて考えれば、やはり自分が悪かったと、反省されたものと承知しております。とはいえ、先生のご指摘はごもっとも。従来以上に、納得のいく取締りを目指し、指導教養を徹底してまいります」

 これは俺の専門分野なんで、もっと語りたいことはあるが、ここまでにしとく。
 明日は朝から、まさに交通取締りに納得いかなくて…という裁判があるのだ。午後にもたぶん1件ある。
 それまでに車雑誌『ドライバー』の連載原稿を仕上げねば。今回は放置違反金についてのマニアックデータ分析、面白いよ~。じゃね~。

2013年6月 3日 (月)

検察レベルにおける日中友好を見た!

活動家の変死写真公開した友人、扇動罪で起訴
 中国湖南省で昨年6月、天安門事件(1989年6月4日)に関わった民主活動家の李旺陽氏が変死した問題で、李氏の遺体写真を公開して「自殺偽装の疑い」を訴えた、友人で民主活動家の朱承志氏(62)が、国家政権転覆扇動罪で起訴されたことがわかった。
 朱氏の弁護士の劉暁原氏が2日、本紙に明らかにした。
 朱氏は昨年6月6日、足が床についたまま首をつった状態で死んでいる李氏の遺体を撮影し、ネット上で公開したことなどが罪に問われた。朱氏の地元の湖南省邵陽市の検察当局が5月28日、同市中級人民法院(地裁に相当)に起訴したという。

 と6月2日付け読売新聞、の一部。
 我が日本国においては、検察の証拠をネットにアップした被告人が「目的外利用」で逮捕された。また、取調べの録画DVDをNHKに渡した弁護士が、やはり「目的外利用」で弁護士会に懲戒請求をされた。

 中国が日本に追いつきつつあるのか、日本が中国を追いかけてるのか。
 民間レベルで日中友好をとかいうけど、検察レベルでは互いに友好を深めようとしてるらしい。良かったね? うーん、微妙(笑)。

 なんにしても、日本の検察は、刑事訴訟法の目的外利用罪とかややこしくてしょぼいこと言わないで、ずばり「検察威信転覆扇動罪」とか言っちゃえばいいのに。
 自民党の「憲法改正」が進めば、いずれそういう法律ができる? あそっか。shock

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