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2013年6月19日 (水)

地獄の上に架かった細い危うい橋を渡るに等しい

 相変わらず、残念で悔しくて仕方がない。状況は何も変わってないかに見える。
 以下、2011年1月20日発売の『ドライバー』に書いた記事より、一部転載する。

 私はもう残念で悔しくて仕方がない。傍聴席でこう叫びたいのをいつもガマンしている。
「そんなの、ほんとは起こらなくていい死傷事故だと、なぜだれも気づかないんだ!」
 どういう意味か、ぜひ聞いてほしい。
 そもそも「人対クルマの死傷事故」は、なぜ起こると思う? ムチャな運転や不注意な運転をするヤツがいるから? それは違う。
 ムチャな運転で事故っても、ガードレールに衝突したり、クルマ同士でぶつかっているぶんには、「人対クルマの死傷事故」は起こらない。それが起こるのは、人とクルマの進路が重なるからだ。
 クルマは2tもの鉄の塊といえる。本来の進路を外れて人に襲いかかれば、生身の人間はひとたまりもない。

 クルマが本来の進路を外れやすいのは交差点である。直進車と右折車がタイミングを誤ったり、信号の変わり目にムリをしたり。警察庁の統計でも交差点およびその付近での事故がもっとも多い。
 そして交差点では、ガードレールが途切れる。歩道がむき出しになる。クルマ同士で衝突してコントロールを失ったクルマ、なにかを避けようとしてハンドル操作を誤ったクルマは、容易に歩道へ突っ込むことになる。
 交差点での「人対クルマの死傷事故」は、あり得ないどころか、あって当たり前なのだ。

 だから私は、歩行者として信号待ちするとき、電柱とか太い街路樹とか、なにか頑丈なものの後ろに必ず立つ。ある確率できっと突っ込んでくるだろうクルマから、身を隠す。
 ところが、私以外の歩行者はみな無防備に立っている。歩道の縁、車道の際で、向こう側の歩行者信号をぼんやり見ている人、携帯電話のメールかゲームに夢中な人を、ごく普通に見かける。私からすれば、信じられない!
 クルマは突っ込んでこなくても、マナーの悪い自転車が歩道を爆走してきて、ギョッと避けた人が、歩道の縁にぼんやり立っている人の背中に当たることは、十分あり得る。押されて車道へよろけ、そこへ60km/hのクルマやバイクがきたら!
 交差点における歩道は、手すりのない断崖絶壁の縁と同じなのだ。ガードレールが途切れる交差点は、いわば地獄の開口部なのだ。
「被害者になんら落ち度はない」
 それは、法律的に落ち度がないというだけ。なくても、人とクルマが交差すれば人は死傷し、取り返しがつかない。

 横断歩道についても同じことがいえる。横断歩道は、あれはもともと車道なのである。路面にペイントされた白線と、青色の歩行者信号、それだけに頼って生身の人間が車道へ進み出るのは、地獄の上に架かった細い危うい橋を渡るに等しい。
 裁判の法廷へ出てくる交通事故のほとんどは、青信号の横断歩道上で起こっている。
 たとえばこんなケース。被告人(45歳)は大型トラックで鋭角に左折する際、横断歩道の手前でいったん停止し、歩行者をやり過ごしてからゆっくり発進。そのあとさらに左側から来た自転車(62歳女性)に気づかず、衝突して自転車もろとも女性を転倒させ、車底部に巻き込んで轢圧、女性は片足切断の重傷…。
 傍聴席からは、ゆっくり動き出したトラックに自転車が自ら突っ込んで行ったようにも聞こえた。そんな印象を受ける横断歩道上の事故は非常に多い。
「青信号の横断歩道は〝聖域〟。クルマは絶対に入ってこない。クルマなど気にする必要はない」
 という認識が社会全体に、疑いもなく広く共有されているように思える。
 そんな認識が打ち消されれば、「人対クルマの死傷事故」は激減するだろう。しかしだれもそうは言わない。

 警察は交通ルールをつくる側でもある。自分たちがつくったルールをただ守るだけでは命を守れない、とは言えないはず。裁判所は「法的な落ち度」を問題にするだけだ。マスコミは基本的に、警察が言わないことを報じない。
 かくして、「交差点の歩道や青信号の横断歩道こそ、じつはもっとも危険である!」という事実は隠され続け、人対クルマの、起こらなくていい死傷事故が起こり続ける。

 こんな批判があるかもしれない。
「今井は被害妄想的だ。だいたい、歩道や横断歩道へクルマが突っ込んでくる確率は何億分の1だろ。そのためにいつも電柱や街路樹の後ろに、忍者みたいに身を隠し、青信号で横断するとき不審者のようにキョロキョロしまくるなんて、とても現実的じゃない。疲れてしまう」
 いや、それは慣れの問題だよ。慣れれば、とくに意識せず自然に身を隠し、普通にキョロキョロできる。そういう動作が身についてしまう。
 読者諸氏においてもどうか今年を〝忍者元年〟〝不審者元年〟にしてほしい。だって私1人じゃ恥ずかしいもの…。

 とくに、電柱の陰や「事故多発交差点、注意」といった立て看板の陰から、横断歩道へ踏み出す最初の1歩、それが危ない。
 車道の端を疾走してきた自転車が突っ込んでくることがあるのだ。

 つーことで今日も裁判所へ行ってきまーす。dash

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コメント

 私だけじゃなかったと知り、心強いです~!
 自分のところに車が突っ込んでくる確率は低くとも、「だれか」のところには毎日のように突っ込んでくる、じつにうまい表現ですね、そのとおりです。

 おっしゃることに強く共感致します。
 私も家人も、今井さんと同じように交差点付近では必ず物陰に立っています。
 車やバイクを運転するときの位置取りや安全確認にも似て、習慣になってしまえば体が自然に動きますよね。
 自分のところに車が突っ込んでくる確率は低くとも、「だれか」のところには毎日のように突っ込んできます。こういうことをしっかり教える正しい交通教育が望まれます。

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