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2013年7月 7日 (日)

法廷で無断録音、ネットで公開!

 以下は7日付け朝日新聞の一部。

法廷で無断録音、ネットで公開 再生回数1千回以上
 威力業務妨害事件をめぐる大阪地裁の法廷でのやり取りが無断録音され、動画サイト「ユーチューブ」で半年以上にわたり公開されていることがわかった。録音を原則禁じた裁判所法に触れる疑いがあり、地裁は削除を求めるとみられる。
 無断で録音されたのは、JR西日本への威力業務妨害容疑などで昨年12月に逮捕された男性(40)の勾留を認めた理由について地裁が開示した法廷。男性は東日本大震災による「震災がれき」の大阪市搬入に反対するデモをJR大阪駅構内でしたとされたが、3月に不起訴になっている。
 動画サイトでは、裁判官が「釈放すると共犯者らと口裏合わせをする恐れがある」と勾留の理由を説明したり、男性の弁護人が「罪証隠滅の恐れはなく、勾留を取り消すべきだ」と主張したりする音声が36分ほど公開されている。笑い声やため息も交じっており、傍聴した人物が傍聴席で録音したとみられる。

 「…ことがわかった」って何なの。そのことはすでにどっかで書いたんで措いといて…。

 

 「勾留を認めた理由について地裁が開示した法廷」ってのは、勾留理由開示の手続きを言うんだろうね。
 勾留理由開示って、被疑者・被告人のお身内・支援者からすれば、きわめて不当なものに見えるはず。でも、ほとんど毎日裁判所へ通い、司法を監視する裁判傍聴師は、そりゃ違うよ、と思う。
 じゃあ何なのか、ちょうどメルマガ第1104号「完全黙秘のおかげで見えた勾留理由の本質」に書いたとこだ。

 

 で、法廷内での録音。
 たとえば、民事と違って刑事裁判の判決は、判決期日に口頭で言い渡され、後日、被告人または弁護人は判決書きを受け取るわけだが、口頭で言い渡された内容と、重要な部分が異なってることがあるという。
 公判調書や証人尋問調書などが、実際に法廷でやりとりされた内容と違うことがあるという。

 

 裁判所のほうでは録音してるようだ。
 でも、警察、検察、裁判所が、自らに不利な録音や録画を隠して出さないのは、完全に合法なのである。
 それが良いとか悪いとかは別として、現実に、無罪の証拠を隠して有罪にするのも、完全に合法なのである。

 

 なわけで、刑事裁判の様子を、国家以外の者が録音することは、許される、つか必要と思う。
 それを公開することは、被告人(勾留理由開示では多くの場合、被疑者)の承諾があって、被害者等のプライバシーに特段の問題がなければ、いいんじゃないか。

 

 ただ、そういう方向へは絶対いかないでしょ。逆の方向へどんどん進んでるように見える。

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