東京と兵庫の「オービス格差」、ひどいじゃないか!
以下は9月21日付け産経新聞の一部。
スピード違反取り締まり装置「オービス」摘発減 老朽化も高額で更新進まず
車の速度違反自動取り締まり装置「オービス」を使った全国の取り締まり件数が、過去5年で2割以上減少していることが21日、警察庁への取材で分かった。装置が1台5千万円以上と高額なため、フィルムを使用した古いタイプの更新が進まず、故障したまま放置されるケースも増えている。オービスの位置を知らせるカーナビアプリまで登場しており、警察関係者からは「オービスの在り方を考える時期に来ている」との声も聞こえる。
オービスは全国約700カ所に設置されているとされる。警察庁によると、全国のオービスによる取り締まり件数は、平成20年は9万3269件だったが、昨年には7万3075件と22%も減少。20年の取り締まり件数が1万1127件で全国最多となった兵庫県警も例外でなく、昨年は25%減の8343件となった。
俺だけが、拙著と、あと専ら『ドライバー』で書き続けてきたことへ、新聞が踏み込んできた。けしからーん! あっち行け! じゃなくてぇ(笑)、やっぱこれは、速度違反を(てかほぼすべての交通違反・事故を)行政制裁金に取り込む、そういう新時代へ向けてゴゴゴと動き出した、その流れの中で出てきた記事なんだろう、と俺は読むね。
上掲記事では、平成20年(2008年)と昨年(2012年)とを比べてる。そのデータは、俺の手元にもある「速度違反自動監視装置等の取締件数」と一致する。
でも、なんで2008年と比べたのかな、という気がする。オービスによる取締りが最も多かったのは2000年、18万1758件。22%減どころか、半分以下に減ったのだ。
兵庫についていえば、最も多かったのは2003年で、1万99509件。2012年は25%減どころか、半分近くに減ったのだ。
※ 画像は東京航空計器のオービスⅢLk。電子式。
設置数は全国約700カ所とされてるが、「速度違反自動監視装置等の設置状況」によれば2012年は590カ所。2002年は701カ所だった。設置数だけ、最も多かった時期を数えたのかな。
ちなみに兵庫は、1998年からずっと40カ所台できたのに、2012年に突然、22カ所になってる。ほぼ半減だ。
上掲記事にある兵庫県警の愁訴は、それを言ってんじゃないかな。だけど、オービスの設置数自体が半減したとは新聞は書けなかった、または県警の情報提供者が言わなかった、そういうことじゃないかな。
東京(警視庁)なんかは、フィルム式をどんどん電子式(産経記事では「デジタル撮影の新式装置」。以上どのタイプもメーカーは東京航空計器)に替え、かつ、速度取締機器から撤退を決めた三菱電機のオービスも東京航空計器製にどんどん替えてるのに。
※ 画像は三菱電機のRS-2000(高速走行抑止システム)、レーダー式。
ちなみに因みに、2012年の東京のオービス設置数は64カ所。その取締りは6434件。一方、兵庫は、22カ所で1万1127件。
この格差は何なの? 東京のオービスを、けなげに頑張ってる兵庫へ寄贈しなさいと、ぷんすか怒りたくなっちゃうょね。
ところで、三菱のオービス(レーダー式)は間もなく姿を消す。残ってるのは全部「ダミー」となる。
東京航空計器はループコイル式。測定センサーを路面下に埋め込む。積雪や、チェーンによる轍堀れ(わたちぼれ)の影響を受けかねず、積雪地には不向き。そこんとこどうするのか…。
ほーら、交通違反のことになると、俺はマニアックなことを長々、語り出しちゃうでしょぉ、困ったもんだ(笑)。
とにかくね、警察庁の「交通事故防止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する懇談会」の先には、必ず行政制裁金があるはず。
簡単に言うと、現在の駐禁取締りと同じような感じで、「速度監視員」が取締りを行い、クルマ・バイクの持ち主から「速度違反金」を徴収し、都道府県の収入とする、そういう形だ。
誤測定があっても、刑事手続きで争って不起訴や無罪を得ることはできない。ドライバー、ライダーの側が民事訴訟を起こし、誤測定があったことを完全に立証しなきゃいけないのだ。
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