速度取締りの新時代、キタ~~~ッ!
今日は今年の裁判傍聴納め。1年間、よく頑張りましたねと、出欠表に花丸のハンコを裁判官が押してくれた、なんつって(笑)。
早めに帰って仮眠、さてメルマガを…とパソコンを開いてまずニュースをチラ見したら、ぎゃおうっ
以下は27日付け読売新聞の一部。太字は俺。
時代遅れだった…「ねずみ捕り」生活道路重点へ
ドライバーから「ねずみ捕り」と忌み嫌われ、警察行政のトップからも見直しを求められたスピード違反の取り締まりが、大きく変わることになりそうだ。
これまでは幹線道路などでの取り締まりが中心だったが、警察庁は方針を転換。歩行者など「交通弱者」が巻き込まれる事故を減らすため、生活道路や通学路などでの取り締まりに力を入れる。そのために、小型の速度自動測定器の導入も検討する。
キタ~~~ッ 今年10月20日頃発売の『ドライバー』で予言した「携帯オービス」が、さっそく出てきたのだぁっ。
ふりかえれば、今年6月、国家公安委員長が、速度取締りに苦言を呈したかのような報道があったでしょ。
普通に考えれば、ウケ狙いのリップサービスだが、もしや…。
同年8月、警察庁が「交通事故抑止に資する取締り・速度規制等の在り方に関する懇談会」なるものを設け、「速度規制等」と「取締り」について各「ワーキンググループ」を設け、会議を重ねる形を…。
ここでもう俺は、確信したね。いよいよ動き出したのだな と。
じつは、大幅な速度違反はぐんぐん減ってるのだ。それは、オービスの取締り件数や、超過速度別の取締り件数の推移から明らかだし、また危険認知速度の低下からも明らか。交通事故死亡者が近年激減してる、いちばんの直接的理由はそこだろう。いま、速度違反について大がかりな“検討”をおっぱじめる理由は特にないのである。
そこで、運転者たちの耳目を引くことを国家公安委員長に言わせた、旗を揚げさせた、提灯を振らせた…。
詳しいことは上述の『ドライバー』に書いたが、懇談会の資料を読めば、てか交通違反・取締りを約30年間、研究してきたマニアな俺からすれば、「携帯オービス」で自由自在に取り締まりたいという本音がモロ見えなんである。「あたしの気持ち、今井さんには分かるでしょ? あぁん、電気を消して」という声が、俺にはびんびん聞こえるんである(笑)。ちなみに、「携帯」と言っても、測定の際は手持ちせず、三脚を立てるんだろうと思う。
現在のオービスは、いわゆる赤キップの違反だけ撮影する。超過速度が30キロ(高速道路等では40キロ)以上の違反だ。
「生活道路や通学路」でそんな違反のみを狙うのは不適当。当然、もっと低い超過速度の違反もじゃんじゃん撮影する、そうとしか考えられんでしょ。
だが、そうなると、現在のやり方では、どうしたって処理が追いつかない。
現在は、撮影した写真のナンバーから車両の持ち主に通知し、違反者(多くの場合は持ち主自身)を出頭させ、違反キップを切る。
オービスの取締りは現在、年間数万件(ピーク時で10数万件)だが、速度違反全体の取締りは、んなもんじゃない。たとえば2012年は222万1120件。200万件を超える速度取締り全部をオービスに切り替えるわけじゃないとしても、到底処理しきれない。
じゃあどうするか。違反者の責任はもう問わず、写真のナンバーから判明した持ち主に対し、ペナルティの納付書を送りつければいいんである。つまり、現在すでにある駐車違反の「放置違反金」と同じ形にすればいいんである。
そしてその「携帯(携行式)オービス」による取締りは、必ずや、駐車違反と同じように、民間委託されるだろう。またも巨大な市場が誕生するのだぁっ
そのときっ、残念なことに最近落ち目だった交通安全協会が、不死鳥のごとくよみがえり、天に向かって羽ばたくのかっ
駐車と速度という二本柱を民間委託して、他の違反の取締りを民間委託しない理由はない。そっちも、今後ばたばたっと来るのだろう。『月刊交通』11月号の特集は「交通安全関係団体の現状と今後の展開」。天下り法人の役割分担を確認せねばならぬ時代は、もう目前なのだあぁっっっ
年末に方針を新聞発表させ(=肯定的な世論を準備させ)、翌年の通常国会に法案を出す、ということはよくある。まずは「携帯オービス」「速度違反金制度」「速度取締りの民間委託」、これらは来年、どう動き出すのか。楽しみだなぁっ。
それで交通社会はどう変わるか等々、まだまだ語りたいことはあるが、そろそろメルマガ執筆に戻らねば。次号のメルマガ編集後記では、滋賀県警の速度違反取締りの、あの“不祥事”について言及しよう。 ←忘れるなよっ。
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