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2014年5月18日 (日)

交通事故の新法がスタート!

 以下は現在の刑法。

(危険運転致死傷)
第二百八条の二
 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。その進行を制御することが困難な高速度で、又はその進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ、よって人を死傷させた者も、同様とする。
 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、前項と同様とする。赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、同様とする。

 いわば普通の交通死傷事故は、現在は以下の第2項(自動車運転過失致死傷)で処罰されている。

(業務上過失致死傷等)
第二百十一条
 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

Pa0_0011 5月20日から、刑法の第208条の2第211条第2項は削除される。そして、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」という新法が施行される。
 刑法で長年定められてたものが、別の法律へ出ていくって、滅多にあることじゃないらしい。歴史的瞬間に立ちあえるのを幸運と言っていいのかどうか。
 新法は短い法律なんで、総務省のサイトから全文を引用しよう。

(定義)
第一条
 この法律において「自動車」とは、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第二条第一項第九号に規定する自動車及び同項第十号に規定する原動機付自転車をいう。

 道交法第2条第1項第9号が定義する「自動車」とは、要する、いわゆる自動車と、自動二輪車のこと。そこに原付バイク(同第10号)を加えたのが、新法における「自動車」ってこと。
 つまりこの法律は、いわゆる自動車とオートバイと原付バイクを対象にしてるわけ。
 以下は、第1条第2項。

 この法律において「無免許運転」とは、法令の規定による運転の免許を受けている者又は道路交通法第百七条の二の規定により国際運転免許証若しくは外国運転免許証で運転することができるとされている者でなければ運転することができないこととされている自動車を当該免許を受けないで(法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。)又は当該国際運転免許証若しくは外国運転免許証を所持しないで(同法第八十八条第一項第二号から第四号までのいずれかに該当する場合又は本邦に上陸(住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)に基づき住民基本台帳に記録されている者が出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第六十条第一項の規定による出国の確認、同法第二十六条第一項の規定による再入国の許可(同法第二十六条の二第一項(日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成三年法律第七十一号)第二十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定により出入国管理及び難民認定法第二十六条第一項の規定による再入国の許可を受けたものとみなされる場合を含む。)又は出入国管理及び難民認定法第六十一条の二の十二第一項の規定による難民旅行証明書の交付を受けて出国し、当該出国の日から三月に満たない期間内に再び本邦に上陸した場合における当該上陸を除く。)をした日から起算して滞在期間が一年を超えている場合を含む。)、道路(道路交通法第二条第一項第一号に規定する道路をいう。)において、運転することをいう。

 最初の数行で猛烈に眠くなっちゃったでしょ(笑)。
 これはね、普通の免許証のほかに、国際運転免許証と外国運転免許証があって、そこにややこしい制限があるんで、やたら長くなってるわけ。
 簡単に言えば、「無免許運転」とは、運転資格がないのに運転すること。要するに無免許運転とされるものが、本法における「無免許運転」なのである。

 で、重要なのは第2条以降、とくに第2条第6号、第3条、第4条、第6条だ。

(危険運転致死傷)
第二条
 次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
一  アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
二  その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
三  その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
四  人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
五  赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
六  通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

第三条  アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は十二年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は十五年以下の懲役に処する。
 自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた者も、前項と同様とする。

(過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱)
第四条
 アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、十二年以下の懲役に処する。

(過失運転致死傷)
第五条
 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

(無免許運転による加重)
第六条
 第二条(第三号を除く。)の罪を犯した者(人を負傷させた者に限る。)が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、六月以上の有期懲役に処する。
 第三条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は六月以上の有期懲役に処する。
 第四条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、十五年以下の懲役に処する。
 前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、十年以下の懲役に処する。

 以上の解説については、俺の愛読誌『月刊交通』(東京法令)2014年3月号の「交通事件捜査に関する諸問題――検察官の視点――最終回、検察官からみた今後の交通事件捜査の在り方」が、ま、なんつーか俺の好きな書きぶりだ。
 『警察學論集』(立花書房)の3月号か4月号にも解説が載ってたと記憶する。

 静岡県警の解説ページによれば、新法は「自動車運転処罰法」と略すらしい。でもまだ長い。
 「業務上過失致死傷」は「業過致死傷」、あるいは単に「業過」と略されてた。「自動車運転過失致死」は「自過死」、「自動車運転過失傷害」は「自過傷」でいいんだと思う。新法を、検察庁や裁判所はどう略すんだろう。

  

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コメント

 あっ、なるほど説明不十分でした、「配偶者」「実父母」「養父母」「継父母」「実子」「養子」「継子」「兄弟姉妹」「その他の親族」が…というのは、あれは「被害者」についてのデータです。
 メルマガ次号で補足しときます、ご指摘いただき感謝です~!

こんにちは。メルマガ楽しく読まさせて頂いています。

さて、1286号の編集後記の、罪種別 被疑者と被害者との関係別 検挙件数ですが、 記載されているのが被害者か加害者か書いていただけると助かります。
夫殺しより妻殺しの方が多い、てことなので、書かれているのは「被害者」だと思うのですが、ちょっと混乱したので。

これからも頑張ってください!

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