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2015年3月16日 (月)

「ネットタレント」氏の無免許運転、俺のほうからちょっと

 以下は3月11日付けJ-CASTニュースの一部。

「無免許運転」ネット公開男が悲鳴 逮捕後に起こした「新しい騒動」
   動画配信サイトで無免許運転している様子を配信したとして、兵庫県三木市の無職の男(32)が道交法違反の疑いで逮捕された。
   男は自称「ネットタレント」で、生放送は最大で1万2000人を集めたことがあるという、ちょっとした有名人だった。男は、釈放されたその日に生放送を再開し、謝罪と反省の弁を述べたのだが、「ネットの有名人だから事件にされた」などと恨み節も披露。罰金の30万円を払わなければ、「再び逮捕される」として「助けてほしい」などと呼びかけたため、ネットでは「今度は乞食行為で逮捕されるぞ!」などといった注意が出た。

 うーん、俺のほうで、ほんとにちょっとだけ、コメントしとこう。
 罰金30万円を払わなくても、逮捕されることは絶対ありまっせん。
 逮捕は、要するに刑事犯罪の捜査のための手続き。本件は捜査を遂げた後、略式手続により罰金の支払い命令(略式命令)が出てると解される。罰金を払わないこと自体は、刑事犯罪ではない。だから「逮捕」は法律上できないのだ。

 ただし、略式命令には「その罰金を完納できないときは金5千円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する」と記されてるはず。
 労役場留置という形で罰金刑を執行する(換刑処分とする)ために、身柄を拘束されることはあり得る。
 逮捕も身柄拘束には違いない。どっちも「タィーホだ!」と受け止める向きもあるだろう。反則金も放置違反金も罰金もみんな「バッキンだ!」とするのと同じように。

 上掲記事には後編がある。こんな部分がある。。

 罰金話になると、15年3月24日までに30万円を納めなければならない。そうしなければ再び「留置場送り」になるとして、1日5000円換算で30万円貯まるまで60日間働かされると明かした。労役場留置の話をしているようだ。

「30万円掻き集めるしかない。強制はしないし俺からちょうだい!くれ!とは言えないけれど、助けてほしい」

 3月24日までに? 逮捕が2月8日ってとこからすると、略式命令に不服があるからと正式裁判を請求できる、その期限(略式命令の翌日を起算日に14日)が3月24日ってことじゃないのかな。
 その期限までに正式裁判の請求をしなければ、略式命令は確定判決と同じになる。普通は確定してから罰金の支払い義務が生じるわけだが、そこまで焦るところを見ると、本件は仮納付命令(確定を待たずに払えますよという命令)が付いてるものと思われる。

 なにがほんのちょっとだけコメントだょ、だらだらややこしくワケ分かんね? ごめん。

 結論だけ言えば、もしも速やかに一括でソク罰金を払えないなら、区検の徴収担当事務官に対し誠実に相談しましょってことになる。
 あと、労役場留置は、罰金額を貯めるための強制労働ではないってこと。そこんとこ、ネット上とかではだいぶ勘違いされてるようで、そんな勘違いが原因のひとつとなって殺人事件が起こったこともある。
 労役場留置は、財産刑を自由刑(体刑)に換え、自由を奪う長さを、罰金の金額から計算するものなのだ。

 この話、分かりやすくまとめて『ドライバー』の連載コラムで書こうかな。でも同誌の次号では「酒気帯び逆転無罪、なんで?」を書く予定。どうしよう、悩んぢゃう…。

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