免停も車両使用制限命令も避ければ犯人隠避
以下は5月13日付け産経新聞。
駐車違反、会社ぐるみで身代わり出頭 元役員ら21人送検
駐車違反した従業員の免停処分やトラックの使用制限処分を免れるため、会社ぐるみで身代わり出頭を繰り返したとして、大阪府警西淀川署は13日、犯人隠避教唆容疑で、兵庫県宝塚市の配送会社「エスエスサービス」の元役員の男(46)=同県西宮市=を逮捕し、犯人隠避容疑などで身代わり出頭した従業員ら20人を最終送検したと発表した。
同署によると、元役員は「車の使用制限や従業員の免許停止処分を免れるためにやった」と供述し、起訴後に保釈された。従業員ら20人も容疑を認めているという。会社ぐるみで駐車違反を身代わり出頭したケースは極めて珍しいという。
元役員の逮捕・送検容疑は、平成24年2月から26年12月、会社名義のトラックで駐車違反した従業員の身代わりとして、計26回にわたり、別の従業員を同署へ出頭させたとしている。
この会社では複数の従業員による駐車違反が繰り返され、行政処分でトラックの使用を制限される恐れがあった。また違反した従業員が正直に出頭すれば、免停処分を受ける可能性があったため、組織ぐるみで身代わり出頭を繰り返していたという。
このニュース、お茶の間の方には意味分かんないんじゃないか。
よろしい、産経新聞と大阪府警から謝礼金が振り込まれることを期待して(うきゃっ)、でも忙しいので、ほんとごくごく簡単に俺が解説しよう。
違法駐車して黄色い駐禁ステッカー(正しくは放置車両確認標章)を貼られた場合、違反者が警察へ出頭すれば、原則、違反キップを切られる。違反点数が登録され、重なれば免許停止・取消の処分を食らう。
一方、出頭せずに放っておけば、後日、ナンバーから判明した車両の持ち主へ、「放置違反金」についての郵便がいく。
誰であれ放置違反金を払えば、その駐車違反の処理は終了する。つまり、誰にも違反キップは切られずに終わる。それがいいよね、普通は。
ただし、である。同じ車両の駐車違反を、何回も放置違反金で決着してると、その車両に対し「使用禁止命令」というのが出る。
基準は通達があり、警察庁のサイトに新しいのが載ってる。
業者としては、会社の車両が「使用制限命令」を食らっては困る。
かといって、違反者(=運転従業員)を出頭させ、違反キップを切られさせれば(※変な日本語?)、免停を食らうかも。それはそれで困る。
両方を避けるためにはどうすればいいか。答えは簡単。たとえば、運転の業務に携わらない、ペーパードライバーの従業員とかを出頭させればいいんである。
ただし、違反してない者が違反したと出頭すれば、隠れ家を提供する以外の方法でほんとの犯人(違反者)を検挙(違反キップ)から逃れさせたとして、「犯人隠避」の罪になる。指示した者は「犯人隠避教唆」だ。
取り急ぎそういうことで。
俺は今、ムチャクチャ忙しいのだ。名著『警察の盗撮・監視術―日本的管理国家と技術
』の著者、筆名:浜島望さんのもとへ2日連続行かねばならぬ事情もあり。
当ブログ、次の更新は5月19日(火)午前10時頃になるかと。
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コメント
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本日、726で室橋さんの法廷を傍聴しました。被告人は若い学生風!どことなくラクダに似てました(笑)…罪名が「詐欺」なので、てっきり振込め詐欺か俺俺詐欺が還付金詐欺か、と思ったら…なんと無銭飲食♪やっぱり室橋さん、干されてるんですかね〜阿曽さんが通うのは偶然じゃないんですね(笑)
投稿: 愛国心薄 | 2015年5月18日 (月) 18時31分