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2016年10月26日 (水)

医療大麻と高木沙耶さん逮捕

 こないだの参院選に医療大麻の解禁を訴えて立候補した高木沙耶さんが、大麻所持で逮捕された。

 医療大麻! 俺は今年、医療大麻の刑事裁判を東京地裁で傍聴し、大興奮した。無知だった己を恥じた。
 ネット上では、6月14日付けの「小林麻央の乳がん治癒にも役立つか!? 末期がん患者「医療大麻」裁判の行方」という記事で簡潔にレポートした。ぜひお読みいただきたい。

 メルマガ 「裁判傍聴バカ一代」では、第1711号「大麻で救われた末期がん、検察は許さない」、第1723号「医療大麻、世界では当たり前の処方って!」、第1732号「医療大麻、生きる方法はそれしかなかった!」、第1733号「医療大麻、末期ガン患者のまさに死闘!」で、そしてその無残な結末を第1744号「難聴の被告人、余罪立証を拒む弁護人」の冒頭部分でレポートした。

 以下、第1723号に適宜加筆等して転載する。びっくりな話だよっ。

 遅くなって申し訳ないっ、しゅごいのをご報告しよう! 少し長くなるがお許しを。

 2016年6月27日(月)13時30分~16時、東京地裁819号(20席、吉戒純一裁判官)で「大麻取締法違反」の審理!

 前回の経験から、今日は12時30分頃に行った。すでに行列ができており、俺は6番目だった。行列はどんどん延び、13時頃には20人を超えた。

 13時12分頃、被告人である山本正光さんが来た。前回と同様、素晴らしくお洒落だが、今日は車椅子だった。

 13時25分頃だっけかドアが開くと20席の傍聴席はたちまち埋まり、外で7人ほどが待つ、という状態で審理が始まった。

 今日は証人尋問だ。
 証人は「フクダカズノリ」と名乗った。熊本大学の医学部を卒業し、久留米大学の医学部へ。肝臓がんを研究テーマにいくつか留学し、国立がんセンター研究所で漢方薬を用いたがん治療の研究をし、岐阜大学医学部で東洋医学を研究し、ツムラで漢方薬の研究をし、現在は銀座東京クリニックの院長をやってるんだという。福田一典医師で間違いないと思う。

 弁護人からの主尋問は14時47分まで続いた。

 山本正光被告人は20歳の頃に交通事故で大量輸血をし、そのときC型肝炎になり、何十年もたって肝硬変から肝臓がんへ進んだんだという。
 できる限りの治療はすべて行われたが、動脈浸潤があって肺へも転移し、余命宣告をされてるんだという。

 そこで山本被告人は、医療用大麻を使ってくれと、ある医大にお願いした。が、日本では一律禁止、違法だからと断られた。
 外国では大麻はがんに有用だと分かっており、大麻の主要な成分を合成した製剤もつくられている。が、それすら輸入禁止なんだという。

 ちなみに、2つの主要な大麻成分の製剤があるけれども、精油成分などさまざまな成分が総合した形が、最も効果があり副作用がない、つまり液化させたものであれ気化させたものであれ大麻全体を投与するのが最も効果的なんだという。

証人   「症状の緩和、あるいは延命…(がん患者は通常)食欲をなくし、体重が減っていく…不安、絶望、耐えがたい痛み…(ところが大麻を服用すると)睡眠…食欲を高める…体重の減少を防ぎ…モルヒネと併用すると効果を増し、副作用を減らす…」

 ほ~、要するに元気になるわけだね。そればかりか…!

証人   「大麻の成分自体が、がん細胞を抑えたり、抗がん効果があることが最近分かっています」

 マジ? 山本被告人の主治医が書いた診療録(カルテ)を弁護人は証人に見せた。

証人   「主治医もびっくりしていますね、抗がん剤を使わず、リンパ節の腫大(俺のメモミスかも)が縮小…あり得ない、そこにわざわざハテナのマークとか、びっくりマークとか付けている…こんなカルテは…主治医自体が、効いていることに驚いて…」

 大麻ががん患者に有用であり、しかも他の薬等と違って副作用がないことは、世界で最も権威のある医学雑誌『ニューイングランドメディシン』(←と俺はメモった)や、2番目に権威がある医学雑誌『ランセット』でも今や当たり前なんだという。

弁護人 「つい最近、発表がありましたね。それは…」

証人   「6月6日、アメリカの臨床腫瘍学会(?)…子どもの末期がんに大麻を使うことに90何%が賛成…子どもの初期のがんに大麻を使うことに30何%が賛成…世界のがん治療の基準…医療大麻を使うべき…日本のこの状況が世界に知られたら、世界中の医者が笑うでしょう」

 「ゲートウエイ効果」についても弁護人が尋ねた。大麻の裁判で裁判官がよく「大麻は覚せい剤などハードな薬物の入口になる。だから禁止されてるんです」とか言う、あれのことだ。

証人   「これもアメリカの精神医学会が完全に否定している…大麻はハードドラッグと連動しない…ゲートウエイ効果を言いだしたのは麻薬取締局の長官…根拠はなかった」

 アメリカで1920年頃から始まった、「アル・カポネ」や「アンタッチャブル」や45口径ドラムマガジンのサブマシンガンなどでおなじみの「禁酒法」、あれが1933年に廃止された。
 するとアメリカ政府は、大麻は人を凶暴にするからと禁止し、取締りの対象とした。取締官の仕事をなくさないためという説もあるようだが、何かを敵視してわーっと盛り上げると統治しやすい、そういう事情もあったのかも。

 しかし、「大麻で凶暴性」などウソだと明らかになるや、麻薬取締局の長官が、やはり何の根拠もなく言いだした、それが「ゲートウエイ効果」なんだそうだ。
 マジっすか! 今までなんとなく信じ込んできたことを、こんなにも激しくひっくり返す証言、俺は初めてだよっ!

証人   「患者は最新の医学知識にもとづき…××(←メモしきれず)を緩和される権利がある。患者が医療大麻を要望…医者は助けないといけない…それをさせないのが大麻取締法です! 医者は患者を助けるためスピード違反しても(免責される場合がある)…しかし(大麻については)それができない!」

 ものすご~く悔しそうだった。肝臓がんなどを長年研究し、苦しみのうちに亡くなっていく人を多く診てきたんだろうか。

 抗がん剤など既存の治療法は副作用が大きいらしい。「がんで死ぬか、抗がん剤の副作用で衰弱して死ぬかだ」なんて言われたりもする。
 一方、大麻は、とにかく元気になり、がんが縮小する場合もあり、副作用がない…。医療用大麻が許可されれば、乳がんだという小林麻央さんも、今がんで苦しんでる多くの方々も、大いに救われるかも。俺もいつがんになるか分かんないわけで、そのとき大麻に救われたいと思う。

 でもその救いは、日本人には与えられない。なぜなら日本国が、口ではグローバルとか言いながら、世界の医師たちの常識に反して、大麻を一律に禁止しているからだ。
 その禁止は正しいのだと言い張るべく、検察は末期がん患者の山本さんを起訴したのだ。

 約10分間の休憩をとり、15時03分から検察官が反対尋問。検察官はどっちかと言えばAKB48の卒業生か女子アナ系。
 反対尋問の要点はこうだった。がんに対する大麻の有用性について、証人自身が実験、研究をしたわけではないってこと。証言の内容は伝聞に過ぎないってわけだ。

 また、医療用大麻が万人に完全な薬効があるとの完璧なデータはないでしょってこと。
 どんな薬も万人に完全に効くことはなく、患者の体質等もさまざまだから、医療に「断定」はないと証人はくり返し述べるのだが、検察官は、完全に断定できないならダメと言わんばかりに、くり返し突っ込むのだった。

 検察官の職務は、起訴されて法廷へ出てきたものを有罪にすること。職務のため精一杯頑張ってるのは分かるが、しかしとても哀れに見えた。その哀れさは、検察官自身がいちばん分かってるんじゃないか、そう思えた。

 15時37分から裁判官が尋問。こんなことを尋ねた。

裁判官 「薬理効果、副作用は、(大麻の)品種によって違うのですか?」

証人   「違ってきます。いろんな品種をつくり…成分が微妙に違ったり、それは今、研究段階です。漢方と似ています」

裁判官 「そうすると、副作用も強くなることがあると?」

証人   「薬効を求めると副作用もあります。医療は薬を如何に使うかの技術です」

裁判官 「具体的にどういう疾患について患者さんがどう服用するのか、その流れっていうものは…」

証人   「たとえばアメリカは、26州とワシントンDCとプエルトリコとグアム…全部の州では、がん…エイズの患者さん、その次が痛み、疼痛…そのほかの炎症性の腸疾患、難病、そういったものに効くと…」

裁判官 「こういう病気を持った患者さんにはこういうふうにと、例があれば」

証人   「いちばん多いのは進行がんの患者さん、エイズも末期の…症状の緩和…次に痛み…難治性の痛み…あとパーキンソン病、てんかん、けいれん、神経症、自己免疫性疾患もあります」

 そうではなくて裁判官は、個々の医療の場で具体的にどう使われているのか知りたいようだった。

証人   「その患者さんに有用と考えられたら大麻を処方する、患者さんは処方箋をもって(大麻を)買いに行き、使う」

裁判官 「基本的には普通の薬と同じように、ということですか」

証人   「そうです!」

裁判官 「被告人が調書で、(日本の)ある製薬会社が大麻製剤をつくっていると…」

証人   「イギリスでやってるサキヘックス(と俺はメモったが定かじゃない)…大塚製薬がアメリカで販売権を持っています。日本も禁止がなくなれば、大塚製薬が販売すると思いますよ」

裁判官 「被告人は、ある医大で、大麻を使った臨床実験をと持ちかけたが、断られたと…」

証人   「法律がある限り、日本ではできません」

 日本の医師は優秀だから、日本で医療用大麻が解禁されれば研究は飛躍的に進むだろう、という趣旨のことも証人は述べていた。
 被告人に大麻を与えた医師がいないことについて…。

証人   「やったら医者が捕まる! 末期の人が、余命宣告されているのに、(有用な大麻を使えば)捕まる! 早く変えないと世界中から笑いものになります!」

 普通、こういう医師の尋問をやったら、検察官は「大麻は害がある。禁止には合理的理由がある」と強弁する御用医師を探して証人出廷させるもんだと思うが、そんな証人請求はないのだった。

 次回は被告人質問、7月12日(火)13時30分から。なんと52席の813号法廷を使うと裁判官! 裁判的には大英断だと俺は思う。

 弁護人は、山本被告人の状態が良くないことから、7月12日に論告・弁論も終えたいと希望した。検察官の応訴態度からして、被告人質問の中身によって最終意見が変わることもないだろうと。

 しかし検察官は、被告人質問の調書(つまり反訳)ができてからでなければ論告はムリと。

 そりゃそうだ、有罪のために万全を尽くすのが検察官の職務、被告人の都合ごときで万全さを欠くことがあってはならない。特にこういう重要な事件では。

 論告・弁論は8月2日(火)15時30分からと決め、15時58分閉廷。

 検察が「有罪にすべし」と決めて起訴した以上、公判立会検察官は逆らえない。裁判所は検察の方針(刑事司法行政)に従わざるを得ない。だからこの事件の判決は有罪、執行猶予付きの懲役刑しかあり得ないと俺は見る。

 けどそれは、いっくらなんでもみっともない。裁判所にとっても検察にとっても──こんなことを口にするのは心苦しいが──判決までに、てかどっちが勝っても控訴、上告するんだろうから、判決確定までに、被告人が死亡するのが、とりあえず理想的…クソ野郎どもめと、独自の予想に基づいて罵っちゃダメですか。

 いやいや、緊急避難を適用して無罪ってのはあり得るか…。どうなるんだろ。俺はこの事件を最優先で追っかけるよ!

 7月12日の被告人質問は、第1732号「医療大麻、生きる方法はそれしかなかった!」、第1733号「医療大麻、末期ガン患者のまさに死闘!」でレポートした。

「末期ガンを宣告された後、大麻の医療効果で持ち直し、生きる希望を見出した。が、逮捕されて大麻を取り上げられた。裁判で無罪を勝ち取って早く大麻を使いたい、生きたい」

 要約すればそんなことを山本正光さんは淡々と述べた。だいぶ体調が悪そうだった。

 そして8月2日(火)、論告・弁論と最終陳述を終えて結審、その予定だった。
 ところが7月25日(月)、山本さんは死亡した! 以下は第1744号の冒頭部分だ。

 だから8月2日(火)は東京地裁へ行かなくていい…のだが、弔いというか、哀悼の意を尽くすというか、俺は行った。最終陳述をしに、山本さんの霊が庁舎内を彷徨ってるかもしれないじゃないか。

 この事件は裁判的にはどういう決着になるのか、係属部に尋ねてみた。一般的には被告人死亡で公訴棄却の「決定」を出すことになるが、本件はまだその決定が出てないとのこと。 ※公訴棄却とは起訴自体を退けること。裁判には判決、決定、命令などがある。

 裁判が続いたとして、俺みたいな傍聴マニアからすれば、検察官が無罪を求刑するはずがない。判決が無罪のはずがない。無残な絶望が見えてる。

 しかし山本さんは、無罪を信じ、少なくとも願い、生きる希望を持っていたはず。ガンや難病で苦しむ多くの人たち、またその家族らに、この裁判が福音になると信じていたはず。
 希望のうちに亡くなった山本さんは、幸せだったのかも。自分が死んでも裁判は続き、判決は無罪になると思ってたかも。ちっきしょう! 俺は涙が出てくる。

 そうして今回、高木沙耶さんが逮捕されたのである。
 医療大麻を国が禁止するはずがない。連中は結局、享楽で大麻を使いたいだけなんだろ、ゲラゲラ、という方もおいでだろう。
 以下は大麻取締法だ。太字は俺。

第四条    何人も次に掲げる行為をしてはならない。
一   大麻を輸入し、又は輸出すること(大麻研究者が、厚生労働大臣の許可を受けて、大麻を輸入し、又は輸出する場合を除く。)。
二   大麻から製造された医薬品を施用し、又は施用のため交付すること。
三   大麻から製造された医薬品の施用を受けること。
四   医事若しくは薬事又は自然科学に関する記事を掲載する医薬関係者等(医薬関係者又は自然科学に関する研究に従事する者をいう。以下この号において同じ。)向けの新聞又は雑誌により行う場合その他主として医薬関係者等を対象として行う場合のほか、大麻に関する広告を行うこと。
2   前項第一号の規定による大麻の輸入又は輸出の許可を受けようとする大麻研究者は、厚生労働省令で定めるところにより、その研究に従事する施設の所在地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に申請書を提出しなければならない。

 大麻が禁止なので自動的に医療大麻も使いにくい、のではなく! 日本は明確に明文で医療大麻を、てか大麻製剤すら禁じてるんである。
 何のために? これは謎だね。立法時の内閣法制局の人とかに聞いてみたい。

 そんな中で、医療大麻の解禁を訴えて参院選に立候補した高木沙耶さんは、大麻所持で逮捕されたのである。

    

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