反則切符受領拒否罪なんてありませんからっ!
以下は11月6日付け産経新聞、の一部。
交通取り締まりの警察対応「はなはだ不誠実」 大阪高裁が裁判打ち切る
信号無視でパトカーに摘発されたのに、反則切符の受け取りを拒んだとして、道交法違反罪に問われた不動産業の男性(60)=大阪府枚方市=の控訴審判決公判が6日、大阪高裁で開かれた。福崎伸一郎裁判長は「男性が切符を受け取らなかったのは警察官の不誠実な対応が一因。そのことを棚に上げ、刑事処分としたのは男性に対して酷であり、信義に反し無効だ」として、罰金9千円とした1審枚方簡裁の略式命令を破棄、裁判を打ち切る公訴棄却を言い渡した。
この記事、非常に興味深いことがちりばめられてる、満天の星のごとく(笑)。
まず、記事の他の部分に「反則切符の受け取りを拒否したため逮捕」ともあり、反則切符(いわゆる青切符)の受領拒否が罪になる=逮捕理由になる、としか読めない。
いいえ、そんな罪はありまっしぇん!
このことにより、重大な事実が広く全国に暴露されてしまった、すなわち、産経新聞の少なくとも校閲担当は拙著『なんでこれが交通違反なの!?』を読んでないのだ。 ←それが重大な事実かぁ~い(笑)。
反則切符を受け取るかどうかは、運転者の勝手。
ただし、受け取らない場合は、反則金(軽い行政罰。普通車の赤信号無視は9千円)を払って一件落着させるチャンスがなくなる。なくなって、本来の刑事手続きで処理される。
別の言い方をすると、運転者が受取りを拒否してないのに刑事手続きの扱いとした場合、起訴は無効(公訴棄却)とされる。
反則切符の対象となる違反には──受領拒否とかの場合を除いて──反則金で済ますチャンスを必ず与えなければならないのである。そのように道路交通法第130条「反則者に係る刑事事件」で定められている。
そのことも含め、メルマガ 「裁判傍聴バカ一代」の第1815号「交通違反、信義に反するからと公訴棄却!」で9つのキーワードに分けて解説、コメントした。
上掲の産経記事は、反則切符の受領について明らかな誤りはあるし、例によって謎な部分もあるものの、非常に興味深い内容なのだ。産経さん、ありがとう。
同メルマガは、12月は以下の4号をすでに発行した。
第1816号 孤独な69歳、親友は幸せそうに孫の話を…
元女優さんですか! というくらい美人な69歳女性は、痩せてやつれて被告人席に。生活保護を受給し始めた頃から万引きが止まらなくなったのだった。明らかに病的と思えるのに、検察官も裁判官もそこは触れず、「今度こそ懲りた、二度としません」と涙ながらに固く誓う被告人…。嗚呼、きっとまたやる! 編集後記は、オービスに関する危ないネット情報。第1815号 交通違反、信義に反するからと公訴棄却!
赤信号無視、罰金9千円を大阪高裁が逆転公訴棄却に。その判決理由に全国の検察官、裁判官は腰を抜かしたろう。最高裁、警察庁は許せないだろう。交通違反マニア歴34年、裁判傍聴マニア歴14年の俺が詳細解説! ちなみに“反則切符受領拒否罪”なんてありまっしぇんから。以下の2号は12月4日にお知らせした。
第1814号 違反・事故が検察と裁判所を支えてる?
第1813号 検察官の論告が「然るべく」って、ひぃ~!
« 傍聴マニアのプチ忘年会 | トップページ | 不倫と無罪と懲役30年 »
「「裁判傍聴バカ一代」」カテゴリの記事
- メルマガ、終了!(2022.11.30)
- 心がぐんぐん傾きもうそっちしか目に入らず(2022.11.15)
- 忙しく彷徨う裁判傍聴マニア(2022.11.03)
- そしてトー横キッズのリンチ殺人(2022.10.24)
- 犯行動機は陰茎の手術(2022.10.04)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。


↑武蔵野方面に引っ越しをしたとばかり思ってた。
投稿: はるな | 2016年12月11日 (日) 14時21分
傍聴マニアのプチ忘年会,参加いたしたいです。東京地裁本庁から,遠い遠い場所に引っ越したので,今井様の勇姿,見る機会が少なくなり残念です
でも, 私,神奈川県の安い旅館,12月20日に予約することに成功したので,必ず参加いたしたいです
たまに東京地裁行政部→傍聴する事は意義ございます
先日,日本裁判官ネットワーク会合に参加した時,[東京地裁行政部≒民事3部の部総括判事が,突如,古田孝夫裁判長に変更された事]→裁判官の皆様に伝えると, けっこう盛り上がりました。東京地裁行政部の古田孝夫裁判官様は行政事件のベテラン。只今[国が,JR様に,中央リニアを許可した事に,取消を求める行政訴訟]→係争中。私も,今度,各駅停車,のんびり乗り継ぎ,長野地裁を傍聴する予定です。リニアモーターカーは,別に必要性ないと思ってしまってしモーター。
投稿: 秦野真弓 しんのまゆみ | 2016年12月 9日 (金) 22時04分