放置違反金、10年間で2166億4520万1844円!
メルマガ「裁判傍聴バカ一代」の第1836号「闇の組織からきた前代未聞のSM強姦魔」の、その編集後記に以下のようなことを書いた。
裁判傍聴と関係ないじゃん? いやいやこういうことを背景に、駐車監視員に対する公務執行妨害とか、犯人隠避・隠避教唆(身代わり出頭)とか出てくるわけで。
2006年6月1日から、駐車取締りの民間委託とあわせて「放置違反金」の制度がスタートした。
放置駐車違反(運転者が車を離れて直ちに運転できない状態の違法駐車)と認められ、駐車監視員または警察官または交通巡視員により、確認標章(黄色い駐禁ステッカー)を取り付けられた場合、違反者が警察へ出頭して違反切符を切られることもできるが、出頭せず、車の持ち主が放置違反金を払って終わることもできるようになった。
2015年のデータでいうと、8割強が放置違反金で決着してる。
その放置違反金の、全国の収納額はこうだ。 ※警察庁のデータ。2006年は6月から7カ月間分。1円単位があるのは滞納処分で利息等が加算されたりするから。間違いがないよう慎重に書き写す。
2006年 197億1518万9829円
2007年 300億9512万7763円
2008年 288億6449万8504円
2009年 257億8751万5766円
2010年 215億1912万6877円
2011年 213億7293万3037円
2012年 198億3191万2336円
2013年 182億5582万9172円
2014年 165億4138万4395円
2015年 146億6168万4165円
合計 2166億4520万1844円
2007年=制度スタートの翌年、をピークにどんどん減ってる。
「約束が違うよっ!」と泣いてる方々もおいでだろう。
放置違反金は、反則金や罰金と違って、取締りをやった都道府県の収入になるのである。なぜそんなことになったのか。毎度引用するが、以下は2003年12月6日付け毎日新聞の一部。太字は俺。
小泉純一郎首相が指示した国から地方への補助金一兆円の削減を実現するため、駐車違反の反則金(年三百億円程度)を国から地方に移管し、二〇〇四年度の補助金削減実績に算入することが六日分かった。政府は年明けの通常国会に道路交通法など関係法改正案を提出、成立を前提に補助金削減実績に計上する。制度として反則金が地方自治体の財源となるのは〇六年度からの見通しだ。
この報道は、翌年の国会へ法案が提出される前であり、当時は放置違反金という名称がなかった。
新制度の前の反則金が(もっと正しく言えば反則金の約8割が)放置違反金と名を変えて都道府県の財源になる、ということだ。
年間300億円、その8割としても240億円。約束が違うじゃーん!
ただ、都道府県によってどえらいばらつきがある。10年間の合計の、ベスト3はこうだ。
東京都 618億7248万4590円
大阪府 342億7683万0186円
神奈川県 212億7314万2744円
この3都府県で、全国の総収納額の半分を超えるのである。
最下位は山梨県で、なんと5579万9000円。ひ~。
補助金がそれぞれどれだけ削減されたのか知らないが、一見してあまりに不公平。
ここはひとつ、速度違反についても、車の持ち主に「速度違反金」とか払わせて都道府県の収入とすべきではないか。
そんな動機ばかりではなかろうけれども、「速度違反金」制度のスタートと、速度取締りの民間委託へ向け、警察庁は今年ゴゴゴと動き出すはず。
マニア的には楽しみでもうっ(笑)。
以上が編集後記の内容。ごく一部加筆等した。
ちなみに間もなく、東京航空計器のLSM-300の、契約書と仕様書が手に入る。将来「速度監視員」が使うことになるだろう、三脚に載せるレーザー式の新型オービス、いわば「どこでもオービス」だ。
マジ楽しみぃ~。
寒くなったね~。俺が昔オートバイ乗りだった頃、弟は夕焼けだった、じゃなくてぇ、ライダー用の高価な手袋を買えず、作業用品店の各種手袋を愛用してた。夏は皮クレスト、雨に備えてゴム引きの手袋を携行してた。皮クレストを常用してると手が黄色くなって…。
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