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2017年4月16日 (日)

満つるまで算入はべつに「温情」じゃない

 自分自身が間違いだらけゆえに、他人の間違いを指摘するのは嫌なのだが…。
 以下は4月13日付けライブドアニュース。少しずつ切りながらコメントする。

北村晴男弁護士が魂が震えるほど感動した裁判「通常ありえない」
北村晴男弁護士が約30年間で「いままで見たことがない」と感動した裁判

12日放送の「1番だけが知っている」(TBS系)に、「1番有名な弁護士」として北村晴男弁護士が登場し、魂が震えるほど感動したとする裁判について語った。

番組では、北村弁護士が約30年間の弁護士生活の中で「こんな裁判いままで見たことがない」という2007年の事件について語った。それは記憶喪失の男性が、所持金が底をついたために1723円の食料品を万引きした事件だ。

 俺の「超絶マニアックデータその1」(約7120事件)に罰金15万円の事件は30件あるが、すべて「窃盗」じゃない。かつ「記憶喪失」の4文字のヒットがない。
 したがって俺はその事件を傍聴してないと思う。

支払う金がなかったため示談はできなかったが、通常、被害金額が少ない場合は「略式起訴」で罰金を支払うとすぐ釈放される。ところが検察官は正式な裁判に持ち込み、男性は拘留されることになったそうだ。

 支払う金があっても、万引きは店側が示談に応じないことが多い。
 万引きを罰金刑(通常は略式)で処理するかどうか、被害金額の多寡(たか)は基本的に関係ない。主に関係するのは前科だ。
 各だいたい1回か複数回の、微罪処分、不起訴、罰金刑、執行猶予付き懲役刑を経て、刑務所へ落ちる、それが決まりのコースなのだ。
 なお、「拘留」は刑罰の一種。男性(被告人)の身柄拘束は「勾留」だ。以下は刑法。

(刑の種類)
第九条
   死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。

(拘留)
第十六条
   拘留は、一日以上三十日未満とし、刑事施設に拘置する。

 拘留と勾留、科料と過料、公訴と控訴、同音熟語が平気であるのは官僚の“文書主義”によるのか。
 ライブドアニュースの記事はこう続く。

15日間の拘留後、裁判で出た判決は15万円の罰金だったという。だが裁判官は記憶喪失だったという情状を考慮し、拘留した15日に対して働けなかった代償として1日1万円の代償金を男性に支払うことも決定したらしい。そのため、男性の罰金は差し引きゼロとなる温情判決だった。

 「拘留」は勾留だとして、15日間の勾留後に判決? 公判請求(正式な裁判への起訴)をしといて? そりゃちょっとあり得ないと思うんですけど。
 ま、判決はこう言い渡されたんだろう。

裁判官 「主文、被告人を罰金15万円に処する。未決勾留日数中その1日を金1万円に換算してその罰金額に満つるまでの分をその刑に算入する」

 罰金15万円で換刑が1日1万円? そりゃものすごく珍しい。罰金額が数十万円程度なら換刑は普通、1日5千円だ。15万円なら5千円でも十分、満つるまで算入にできるはず。なぜ1万円にしたのか! ※換刑処分=財産刑を体刑に換えて執行すること。
Img_1245 もしかもしかしたら、算入できる勾留日数が1日とか足りなくて、9千円なら足りるんだけど、心意気で1万円に、だったの?
 あそうか、この記事の書き手氏は、1日1万円で15万円が「差し引きゼロ」だから「拘留」日数は15日だったと、そう考えたのかな。
※画像は威風堂々、東京高地簡裁合同庁舎。

 ともあれ、どうせ罰金を払えそうもないホームレスとかを逮捕、勾留しといて満つるまで算入で処理することは、万引きに限らず無免許運転や公務執行妨害や公然わいせつなどでも普通にある。

 満つるまで算入はべつに「温情」じゃない。犯罪処理システムの都合でやることなのだ。
 「記憶喪失だったという情状を考慮」について言えば、裁判官はあれこれ勘案考慮したかに言うが、ぶっちゃけそれはウソと、長く傍聴してれば分かってくる。
 ただ、俺が傍聴してきた限り、「窃盗」の罰金額は10万円刻みだ。検察官は罰金20万円を求刑し、裁判官は心意気で15万円に下げた、のかもしれない。それはあり得る。

では、わざわざ裁判を起こしたのはなぜだったのか。実はこの裁判では、男性が釈放されても記憶も所持金もなければ更生できないだろうという心配から、検察官と裁判官、弁護士の3者が手を取り合って処遇を検討した、というのだ。そして拘留期間の間に男性を保護するための施設を見つけていたのだとか。

 べつに手を取り合わなくても、釈放されても行く当てのない被告人を保護施設へ入れるべく保護カードを渡す、それも普通にあることだ。

 その被告人に、記憶喪失とか超えた極めて特殊な事情があり、通常の保護施設じゃなくてどこか特別な施設への入所等を「検察官と裁判官、弁護士の3者が手を取り合って」決めたというなら、前代未聞、空前絶後…でもそこに裁判官が関与するとは考えにくい。うーん。

さらに裁判官は判決後、男性に対して検察官と弁護士が協力して対応したことを明かし、「世の中それほど捨てたものじゃありません」といい、今後は誰かに相談するよう勧めたそうだ。また「困ったときは私に会いに来てもいい」「そのときは裁判官として私もできるだけのことをしたい」と語ったのだとか。この顛末について北村弁護士は「通常ありえない」と讃えていた。

 「困ったときは私に会いに来てもいい」と裁判官が言った? なるほどそれは「通常あり得ない」に相当すると思う。
 やっぱり、記憶喪失とか超えた、何かよっぽどなことがあったのか。
 にしても、「困ったときは私に会いに来てもいい」なんて普通言わないでしょ。
 2007年の、東京簡裁での出来事だとすれば、そんなこと言うのは、うーん、堀内信明さん? いや分かんないけど。
 地裁、高裁の裁判官を65歳で定年退官し、定年70歳の簡裁の裁判官になった人は、思い切ったことを言ったりやったりすることがある、と俺は見ている。

 以上のことから明白なのは、書き手氏は俺のメルマガ「裁判傍聴バカ一代」をお読みじゃないってことだ、うんうん。 ←あほんだら(笑)。

 てかちょと待てよ、このライブドアニュースの記事は、書き手氏がテレビ番組を見て、ページビューを稼げそうな感動仕立ての記事にした、単にそういうことなのかも…。

 健康保険や年金の掛け金を払わず、生活保護を受け、犯罪に近い、そういう層が増え続けると国が滅びるんだそうだ。なるほど。

 「日本を滅ぼす」とタイトルにある本が、ほかにもいっぱい出てる。ならば俺は『新型オービスLSM-300が日本を滅ぼす!』、なんつって。いや警察庁は新型オービスの先に、交通違反、事故だけでなく一般犯罪も行政制裁金の対象とし、検察官、裁判官の関与を除いて警察限りで処理する、そういう国がちらちら見えてるんじゃないかと。

 ←4月16日11時20分現在、週間INが210で1位~。happy01

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