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2017年5月23日 (火)

元マネージャー氏はすでに

 2014年6月29日付けの東スポ記事が今もネット上にある。以下はその一部。

「爆笑問題」元マネジャー覚醒剤事件で全社員、タレント薬物検査
 人気お笑いコンビ「爆笑問題」の元マネジャーが覚醒剤事件で逮捕、起訴されていたとの女性誌報道を受け、所属事務所「タイタン」の太田光代社長(49)が27日、所属タレントや社員を薬物検査したと自身のツイッターで明かした。本紙直撃に太田社長は、心労でダウンしたことを告白。

 そのマネージャー氏の“ふたつの事件”を、2013年と2014年に傍聴した。都度、メルマガ「裁判傍聴バカ一代」でレポートした。
 そして車雑誌『ドライバー』の2014年9月号にまとめて書いた。その原稿を、若干加筆等して以下に。 

 6月29日、人気お笑いコンビ「爆笑問題」がTBSの番組中で、元マネージャーが覚せい剤で逮捕されたことについて謝罪した。
 これ、じつはね、逮捕は今年3月。6月23日には元マネ氏は懲役1年の実刑判決を受けてるのだ。
 芸能界も覚せい剤も専門外の俺が、なぜそんなディープなことを知ってるのか。話は1年前にさかのぼるんである。

 昨年8月、東京地裁の小さな法廷で「自動車運転過失傷害」の裁判があった。被告人氏名でネット検索すると、「爆笑問題」のマネージャーだとか橋本徹氏を大阪府知事にした男だとか、たくさんヒットした。が、交通事故のヒットは一切ない。同姓同名の別人かな? と思いつつ傍聴してみたわけ。

 普通乗用車を運転中、居眠りして対向車線へ。自転車に衝突して、駐車中のトラックに突っ込んだ。トラックの男性2人は軽傷で済んだが、自転車の男性はボンネットにハネ上げられて転落し、高次脳機能障害を伴う脳挫傷。大事故である。
 捜査段階の調書を検察官が読み上げた。こんな部分があった。

調書 「(当時)タレントのマネージャーをしており……」

 居眠り運転の原因を尋ねられ、被告人はこう述べた。

被告人 「前日からの寝不足と、同行していたタレントを無事に自宅まで送り終えた、いわゆる現金輸送車の……安堵感に近いかと思います。それほどタレントを乗せているときと乗せてないときの落差は大きなものでありました」

 うわ、やっぱりそうだったんだ!
 自転車の男性の調書にこうあった。

調書 「相手もわざと事故を起こしたわけじゃない。恨んだところで自分の生活が変わるわけじゃない……」

 なんか達観してるというか、ただ者じゃないな? 「メッセンジャー」「世界大会で優勝」という語が出てきたので、あとで検索してみた。なんと自転車の世界では有名な人物なのだった。
 しかし何より驚いたのは……。

弁護人 「入院費、約1500万円と高いのは、どうしてですか?」
被告人 「医療水準の高いところで、なるべく後遺症を少なく……勤め先の社長と話しまして」

 社長が保険会社と交渉したんだという。俺は交通事故の裁判を何百件も傍聴してきたが、そんなことしてくれるケースはないよ!
 社長って、自身もよくテレビに出てる太田光代さんでしょ。すっごい女やなぁ~! 俺は心底感動した。  ※社長の交渉により保険給付が高額になったとは限らない。そもそもそんな交渉をすること自体が珍しいのだ、傍聴席で見てる限りにおいては。

 被告人は本件で解雇されていた。

検察官 「(再就職は)また同じような芸能関係へ?」
被告人 「やはり20年間、働いて……しかし、やはり人気のタレントを扱うものなので、私を採用していただくのは難しいのではないかと」

 判決は同年12月。禁錮2年6月、執行猶予3年だった。
 事故は過失で起こるのだ。そのフォローがここまで完璧なら、猶予期間が終わって芸能界復帰も可能なんじゃないか、俺はそう思った。

 そして今年6月16日、見覚えがある氏名を開廷表に見つけた。事件は「覚せい剤取締法違反」。まさか、今度こそ同姓同名の別人だろ。念のため傍聴してみた。なんとビンゴなのだった。

検察官 「平成22年から覚せい剤を使用するようになり……」

 ええーっ、それってマネージャーをやってた頃じゃないの?

検察官 「平成24年以降、少なくとも2名の密売人から……」

 密売人の携帯電話では被告人のことは「ベテランさん」となってるんだそうだ。ナメられてだまされないようベテランを装ったんだと被告人は述べてたが。

検察官 「居眠り運転をして交通事故を起こし、長い失業の不安から覚せい剤を使用したと……」

 今年3月、覚せい剤と注射器を所持してるのを職務質問により発見され、逮捕されたんだそうだ。
 執行猶予中の犯行なら普通は実刑だ。が、交通事故は過失犯のうえ、覚せい剤とは異種だ。覚せい剤依存症の治療計画は整ってるそうで、再度の執行猶予もあるんじゃないか。

 6月23日、判決。

裁判官 「主文、被告人を懲役1年に処する。未決勾留日数中30日をその刑に算入する。以上が主文です」

 実刑だっ!

裁判官 「とにかくこれを機会に薬物を絶つ……再起を期待しています」

 被告人は「はい、お約束します、ありがとうございますっ」と、体を90度に折っておじぎした。芸能界へは二度と戻れないかも。
 6月26日、太田光代さんは、所属タレントと社員全員に病院で薬物検査を受けさせる、まず自分から、とツイッターに書いた。そんなことをする芸能事務所がかつてあった? 俺はつくづく思ったのだった。すっごい女や!

 2014年10月15日、その「覚せい剤取締法違反」の控訴審判決を傍聴した。控訴棄却だった。保釈されており、控訴審での未決算入はなかった。
 上告がなければ10月の末頃に確定する。1年6月と1年、マイナス30日を服役することになる。俺の計算に間違いがなければ、満期だとしてもすでに出所しているはず。

 心配なのは、覚せい剤の再犯だ。俺が事件数で7200件近くを傍聴してきたところによれば、検察官が「徹底的矯正教育を行う矯正施設」と言い張る刑務所に矯正効果などない。たとえ刑務所で矯正プログラムを受けたとしても、「もう大丈夫。懲りたし」と思ってると、依存者はまたやる。
 依存症は病気であり治療こそが必要なのだ。
 その治療として「条件反射制御法」というのがあり、相当の効果があって治る! ということを最近、クレプトマニアの裁判で知った。俺は大いに驚きメルマガの第1906号「「DSM-5は間違っています」ときっぱり!」と、その後編である第1907号「天敵の多いジャングルに育った小動物の脳」でレポートした。

 もしかして、太田光代さんが元マネージャー氏に対し、平井医師の診察を受けるよう勧め、費用を援助…ということがあったとき、週刊誌は食いついて叩くんだろうか。しょむない言い方だけど、そういうことはヤメてほしいと思う。

 依存症といえば古書店でこんな本を見つけた。目次をめくったら、かなり面白そうだった。けど、俺の読書時間は裁判所への往復の電車内と、30分以上前に法廷に張り付いて開廷を待つ間のみであるところ、同書はけっこう重く、「鞄がさらに重くなりそうだなぁ…」と、買うのを躊躇してしまった。sweat01

 ←5月23日17時30分現在、週間INが210で1位~。happy01

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