カジノ利権への警察庁の宣言が読み取れる件
メルマガ第1847号では、「東京でも覚醒剤使用容疑の元観光バス運転手逮捕 警視庁 業務中に覚醒剤の可能性」などと報じられた事件等をレポートした。「被告人、偉いじゃん!」と思える部分があった。
その号の編集後記より。太字は俺。
以下は2月3日付け東京新聞。
パチンコ資金が動機1300件超 16年摘発刑法犯、警察庁
昨年1年間に全国で摘発された刑法犯のうち、パチンコに使う資金調達が犯行の動機・原因だったのは1329件に上ることが3日、警察庁のまとめで分かった。競馬や競輪などのギャンブル目的は999件だった。犯罪統計ではこれまで、動機の分類でパチンコやギャンブルを「遊興費充当」の中に含めており、個別の件数は明らかになっていなかった。
警察庁は、ギャンブル依存症が社会問題化して対策が急務となっている現状を踏まえ、2015年から初めて個別に集計を始めた。
警察庁は、動機の分類で新たに「パチンコ依存」と「ギャンブル依存」を加えて集計。16年は合計で2328件に上った。
俺がパチンコを始めたのは高校生のときだ。
当時、貸玉は100円で50個。10円で5個買うこともできた。大入り打ち止めにしても2千円か3千数百円程度だった。
役物(やくもの)といえばチューリップだけ。入賞穴に玉が1個入るとチーンヂャラーンと15個出て、花びら部分がぱかっと開く。次の玉が入り安くなる。1個入れば閉じるが、同時に2個入れば開いたまま。そこで俺らは、場合により固め打ちってのをやったもんだ。当時はレバーを操作して玉を打つんでそんなこともできたのだ。
俺が30代の頃だっけ、パチンコは急にギャンブルになり始めた。チューリップは廃れ、要するに勝っても負けても──基本的に客は負けるんだが──動く金額がバカでかくなった。
そうなり始めた頃、俺はすぱっと足を洗った。じつは毎月9万円前後かパチンコで稼いでたが、すぱっとヤメた。
未練を残さず射幸心を持たず、ほどほどのところで勝ち逃げする、これがギャンブルの極意だ。うんうん。
なぜパチンコはギャンブルに変身したのか。
警察がパチンコ利権をがっつり構築するために、やたら射幸心を煽る(=店が儲かる)パチンコ台をどんどん許したんだそうな。
その頃から、パチンコ依存症、サラ金、主婦売春、いろんな問題が噴出し始めた。社会問題になった。
上掲報道に「ギャンブル依存症が社会問題化して対策が急務となっている現状を踏まえ」とある。今頃? ぽかーん、である。
これはもう、カジノのことを警察庁は真剣に考えてますよ、利権に絡みますよ、というあからさまな宣言と、関係各方面はとらえているはず。
日本国の根幹は官僚。官僚の根幹は天下りといわれる。
カジノという巨大利権が誕生するに当たり「警察庁は絡めませんでした」は絶対に許されないでしょ。
カジノ法を警察庁の所管法とすることに異を唱える大臣、議員、知事がいれば、全国の警察が総力を挙げてぶっつぶすでしょ。
でも新聞・テレビは、大臣なら大臣の個人的な不祥事、下半身スキャンダルとしてしか報じないはず。
誰がどうつぶされるか、今後の報道に注目したい。
話が大きく逸れてしまった(笑)。上掲報道の「遊興費充当」ってのは、警察庁の「罪種別 主たる被疑者の犯行の動機・原因別 検挙件数」という表に出てくるのだ。手元に2014年の表がある。見てみよう。
交通業過(新法以前の交通事故)を除く刑法犯総数は、35万9433件。トップ5はこうだ。誤記らないよう慎重に。
1位 対象物自体の所有・消費目的 11万8516件
2位 生活困窮 6万0663件
3位 遊興費充当 5万6523件
4位 憤怒 4万8800件
5位 その他の利欲 1万9376件
「遊興費充当」が動機・原因とされた5万6523件は、どんな犯罪で検挙されたのか。そのトップ5はこうだ。
1位 非侵入盗 2万5603件
2位 侵入盗 2万0301件
3位 詐欺 4444件
4位 乗り物盗 2633件
5位 住居侵入 1003件
「非侵入盗」ってのは、ひったくりか、換金目的の万引きですかねぇ。
「侵入盗」はもう、空き巣や事務所荒しでしょ。
3~4位はよく分かんない。もともとその犯罪をやる者が多いので、ということかなぁ。
ちなみにこのデータには「女表(めひょう)」がある。
「女表」の総数は5万3860件。「遊興費充当」は2646件に過ぎない。
トップはダントツで「対象物自体の所有・消費目的」、3万0864件。その動機・原因で犯した犯罪のうち2万7368件が「非侵入盗」だ。ほぼ全部万引きかと。
ま、警察庁のこの分類がどれくらい事実に即しているのか、という疑問はちょとあるが、データは面白い。
週4号、月額108円のメルマガの、たかが編集後記にこんなことまで長々書いてしまう。だぁかぁらっ、俺は時間がなくて大変なんだわ。
でも、大阪高裁の福崎伸一郎裁判官は、たぶん7月14日(金)の定年退官へ向け、命の最期の炎を燃やし尽くすように頑張ってる。俺も頑張らねば。
俺の命の炎は、東京簡裁のオービス裁判の傍聴席で燃やし尽くしたい。公判が終わって、傍聴席にぐでっとなってるおっさんがいて、声をかけたら死んでた…迷惑ですか?
よし、「尊敬する人は誰ですか」と尋ねられたら、福崎伸一郎さんです、と言おう。そうして箱崎晋一郎さんの「熱海の夜」を歌おう。 ←なんだそれ(笑)。
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