距離30センチを飲酒運転して有罪
交通違反マニア的にはいろいろ見所がある。以下は9月15日付け Record China。
韓国で「30センチだけ」飲酒運転の男に有罪判決=韓国ネット「何とかしてあげて」「彼を捕まえた警察っていったい…」
2017年9月14日、韓国で30センチの距離を飲酒運転した罪で起訴された男に有罪判決が言い渡された。韓国・聯合ニュースが伝えた。
ソウル南部地裁は同日、飲酒運転をしたとして起訴されたトラック運転手A(48)に対し罰金200万ウォン(約19万5000円)を科したことを明らかにした。Aは昨年12月2日午前3時50分ごろ、ソウル市内の路上で酒に酔った状態で自身の1トントラックを運転したとして起訴されていた。
裁判所によると、Aは当時知人と酒を飲み、トラックの運転を代行業者に任せ自宅近くまで帰ったという。その際、代行の運転手が近隣の店の前にトラックを止めたため、Aはこの店に迷惑を掛けてしまうと考え「入り口前を避けて駐車してほしい」と頼んだが、運転手はそのまま帰ってしまった。そのため仕方なくAが自ら車を移動しようとしたところで警察により摘発。血中アルコール濃度は免許取り消しレベルの0.122%だったが、運転距離はわずか30センチにすぎなかった。
Aの弁護人は法廷で「緊急避難(自身や他人の法益のため、現在の危険を避けるための行為に妥当な理由がある場合は罰しないという法理)」を掲げて無罪を主張した。しかし裁判官は「Aが直接運転しなければならないほど緊急で困難な状況ではなかった。別の代行や警察を呼ぶなど、周りの助けを呼んで車を動かすこともできたことから、緊急避難には該当しない」として、有罪判決を言い渡した。
事件のいきさつと判決を知った韓国のネットユーザーからは多数のコメントが寄せられているが……(中略)……判決に「待った」を掛ける声が大部分を占めている。
取り締まった警察に対しても……(略)。
事件や裁判の話題に法律関連のコメントは付き物だが、今回も「法の融通が利かな過ぎ」「強者に対してはかなり融通が利くのに!」など嘆く声がみられた。(翻訳・編集/松村)
日本の場合、普通乗用車で酒気帯び運転の初犯は、罰金30万円が相場だ。酒酔いだと40万円か50万円か、そこはまだよく分かってない。
韓国の「約19万5000円」は安いと思う。平均賃金が日本とは異なるのかもしれないが。
血中アルコール濃度は「0.122%」だったという。
日本ではパーセントを使わない。呼気1リットルにつき0.15mg、血液1ミリリットルにつき0.3mg(道路交通法施行令第44条の3)、それ以上が処罰の対象とされる。
血液1ミリリットルにつき0.3mgって何パーセント? わ、分からん…。
ちなみに日本は、呼気1リットルにつき0.25mg以上の違反点数は25点。完全に免許取消処分の対象だ。
血中0.122%って日本の基準では血中何mgに相当するのか、なんで小数点以下3桁なのか、分かる方がいたら教えて~。
わずか30センチを運転しただけ、について。
日本では、各事件を処罰すべきかどうかは検察官が決める。検察官が不起訴とすれば、処罰なし。
起訴すれば、裁判官は間違いなく有罪(=処罰オッケー)とするだろう。なぜなら、検察官が処罰すると決めたから。日本の裁判、司法は、そういうものなのだ。
ただ、30センチという珍しいケースでは、求刑が罰金30万円のところ判決は罰金20万円、という思い切ったことをやってのける裁判官はいるかもしれない。
上掲記事でいちばん違和感をおぼえるのは、「ネットユーザー」らのコメントについて、「判決に「待った」を掛ける声が大部分を占めている」とある部分だ。
日本だったらもう、その「トラック運転手A(48)」をぼろくそのぼろぼろのくそくそに中傷するコメントが圧倒的多数じゃないのかな。
関係ないけど、韓国にも裁判傍聴マニア、交通違反マニアはいるのかしら。勾留もとえ交流してみたい。
※ 画像は、ループコイル式オービスの設置工事かと思われる。もしそうならマニア的にはスクープ画像だ。どこで撮ったんだっけ。もしかして読者氏からのいただきものかも。そんな気もする。いやたぶんそうだ! すごいのをいただきありがとうございますっ。
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