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2017年12月24日 (日)

失われなくていい命が無残に失われていくのは仕方のないことなのか

 自分の過去記事をちょと調べてて、こんなのを発見した。
 2012年6月発売の『ドライバー』に書いた原稿だ。あのとき私はだいぶ熱くなって書いたんだが…。
 以下に転載しよう。写真は本文とは別の事故。ガードレールのおかげで歩道へ突っ込まずに済んだ。

 4月23日の朝、京都府の亀岡市で、集団登校の小学生の列にクルマが突っ込み、多くの死傷者が出るという、とんでもない事故が起こった。
 4月27日の朝には愛知県でも、集団登校中の小学生の列にクルマが突っ込んだ。同日、時間的にはその約15分後に千葉県で、登校のためバスを待っていた小学生の列にクルマが突っ込んだ。同じタイプの事故が3件連続とは!

080811_05250001 とくに京都のケースは死傷者が多いうえ、加害者が無職の少年で無免許だった。報道は過熱した。
 現場にブレーキ痕はなく、居眠り運転と判明! 加害少年は元暴走族の中心メンバー! 仲間とともに夜通し走り回っていた! インターネットではさっそく少年らの実名暴きが始まった。
 さらに、被害者らの氏名や連絡先を無断で、警察が加害少年側に教えたことが発覚! 死亡被害者の父親の携帯電話番号を教えたのは小学校の教頭だった!

 テレビ・新聞を見ると、けしからん! 許せん! わっしょいワッショイと日本中が熱狂しているかのような。私は思った。ああ、いつもこれだから同じタイプの事故、起こらなくていい事故が起こり続けるんだ、と。

 加害少年が無免許だったとか、居眠りだったとか、そんなのはハッキリ言ってどうでもいいのだ。大事なのは、進路を外れたクルマが小学生たちに突っ込んだという事実なのだ。
 警察庁が「原付以上運転者(第1当事者)の法令違反別死亡事故件数」というデータをとっている。事故原因のデータといっていいだろう。
 2011年の総計は4118件。もっとも多いのは「信号無視」でも「最高速度」でもなく「安全運転義務違反」。内訳は、
  漫然運転  733件
  脇見運転  648件
  安全不確認 429件
 などで合計2503件。要するにちょっとした不注意が6割以上を占めるのだ。

 クルマがどんなに高性能になっても、運転する人間のちょっとした不注意は避けられない。クルマが進路を外れることもある。
 ハッと気づいてハンドルを戻せばいいが、気づかず電柱に激突することもある。田んぼや崖下へ落ちることもある。路側帯へハミ出してしまうこともある。

歩行者の通行の用に供し、又は車道の効用を保つため、歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路標示によつて区画されたものをいう」(道路交通法第2条第1項第3号の4)。

 これが路側帯の定義だ。白線で区画されたにすぎない「帯状の道路の部分」、そこへついうっかりハミ出してしまうことは、いくらでもあり得る。運転者が居眠りした場合、路面が水はけのため左側へやや傾斜していれば、左側の路側帯へハミ出しやすい。
 京都のケースでは、そんな路側帯を集団登校の通学路としていたのである。いつか必ず事故が起こるに決まっているではないか!

 防ぐ方法は明らかだ。ガードレールを設けておけば、うっかり進路を外れた運転者はガードレールに衝突してハッと気づく。路側帯の白線をこえて小学生たちの列にまで進んでしまう、ということが避けられる。
 現場は府道。京都府はどう考えているのか。5月3日付けの産経新聞によれば、京都府の道路管理課はこうコメントしているそうだ。
「ガードレールを付けたことで逆に道幅を狭めて危険が増したり、道路沿いの民家に不便を掛けたりすることもある。どこにでも付けられるわけではない」
 どこにでも付けなくていい。せめて集団登校の通学路には必要だ、との認識はないらしい。

 ガードレール以外にも方法はある。たとえばハンプ、つまり車道に設けるカマボコ型の盛り上がり。道路構造令第31条の2がいう「凸部」だ。騒音対策のためゴム製のハンプもある。
 また、ボラード(頑丈な鉄柱)を車道に設置して「狭窄部」をつくっている場所もある。ボラードや街路樹を利用して車道をわざとじぐざぐにする手もある。
 これらは、運転者の自発的な注意に頼らず物理的にスピードを落とさせ、注意を喚起する方法だ。

 ところがニュースを見る限り、京都の現場にはそんな安全施設はなにもない。ただ白線で区画された「帯状の道路の部分」があるだけだ。つまり、
「人間は不注意な生き物。クルマが進路を外れることは当然にあり得る。しかし、進路を外れたクルマが歩行者(とくに集団登校の小学生)と交錯してはならない」
 という考え方が欠落しているのだ。

 そうして、加害少年が元暴走族だとか言って、世間は(マスコミが先導して?)攻撃する。ずっとそれでやってきた。だから、起こらなくていい事故が起こり続ける、罪もない子どもたちが犠牲になり続ける、私はそれが口惜しくてならない。

 2006年9月、埼玉県で、公園へ出かける途中の園児たちの列にクルマが突っ込み、大勢の死傷者を出す事故があった。運転者(37歳)は、助手席に置いた音楽プレーヤーを左手で操作、脇見していたんだという。やはり路側帯での惨劇だった。あのとき、対策として出てきたのは、ガードレールではなく現場の制限速度を30km/hにすることだった。
 その後も、通学の児童、生徒へクルマが突っ込む事故は全国で起こり続けた。そうして今回の京都の事故に至るわけだ。
 悲惨な事故が起これば加害者を責め、規制強化、取り締まり強化、厳罰化を求めて盛り上がる。どうかしてるよと私は思う。

 ただ、京都の事故に対する熱狂は急激に収束した。4月29日の未明、群馬県内の関越道で、高速ツアーバスが居眠り運転で路側の防音壁に深々と突き刺さり、多数の死傷者が出たのだ。
 インターネットが使える方は「貸切バス事業に関する実態調査」を検索してみてほしい。2007年3月付けの、国土交通省の近畿運輸局とバス協会の調査結果がヒットする。その「自由意見」には、こんな声が噴出している。

「近年バス事業者全体が旅行会社の言いなりにならざるを得ない状況に陥っている…」
「規制緩和により、新規事業者がアルバイト運転手を使い安い運賃で走るために、正社員で運行しているバス会社は大変です…」
「自由競争の奨励は反面弱い所に色々な無理がしわ寄せされる事になり、いずれ事故に…」

 今回の関越道のような事故が起こることは予想されていたのだ。そうして、進路を外れたバスが突き刺さる構造の防音壁が…。
 失われなくていい命が無残に失われていく、それはもう仕方のないことなんだろうか!

 そんなことを長年にわたり言い続けているのは、私が知る限り、どうも私だけらしい。なぜ? 結局、分かりやすいシンプルな“悪”を叩けば十分、叩き尽くしたら次の悪=獲物を追えばよろしい、そういうことなんだろうか。

 私はこっち方面が専門だからこんなことを言うわけだが、他の方面も同様なのかもね。

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