万引き病、動物脳と人間脳!
次にやったら間違いなく刑務所行き、もう絶対やっちゃダメと十二分に承知し、もう絶対やりたくない、絶対やらないと固く固く誓っているのに、また万引きをやってしまう。窃盗症、病的窃盗、クレプトマニア、私は万引き病と呼んでいる。
ばりばりそのパターンの、いずれも女性被告人の「窃盗」を12月20日は3件傍聴した。
60歳、清掃員。万引きで執行猶予中の万引き。
49歳、主婦。少なくとも2回服役。前刑出所後約1年での万引き。
51歳(?)、無職。万引きで執行猶予中の万引きで実刑判決を受け、控訴審で逆転執行猶予に。その執行猶予判決から間もなくまた万引き。
大げさにいえば天からの神々しい光に浮かび上がったというか、強烈に認識できた。
メルマガ第1906号「「DSM-5は間違っています」ときっぱり!」、第1907号「天敵の多いジャングルに育った小動物の脳」でレポートした、 独立行政法人国立病院機構下総精神医療センターの薬物依存治療部長で条件反射制御法学会の会長、平井愼二医師の証言、まさにあれなのだと、強烈に認識できた。
私の理解で簡単に言えば…。
人間には2つの脳がある。犬や猿も持つ「動物脳」と、考える「人間脳」。万引き病の女性たちは、動物脳が万引きをさせる。もう絶対やっちゃダメ、絶対やらないと人間脳がいくら考えても、動物脳には勝てない。だから万引きをしてしまうのだ。
ところが検察官、裁判官は──ほとんどの弁護人も──人間は人間脳だけで動くと思っている。人間脳が万引きをくり返すのだとして人間脳を責める。動物脳の存在をまったくこれっぽっちも考えない。
被告人もその考え方にのせられ、人間脳のどこが悪かったのか、言葉を探す。
バカじゃん! と私は強烈に感じた。
地動説を唱えたコペルニクスが、天動説の国家により断罪される、そんなシーンを見ているような気がした。「熱湯に手を突っ込んで火傷しなければ無罪」とかいう昔の裁判を、ぜんぜん笑えない気がした。
万引きが止まらない方、またそのご家族等に、上述の第1906号、第1907号をぜひお読みいただきたい。その証言の中で、平井医師は治療法についても言及している。
第1906号、第1907号はバックナンバーの扱いになり、無料じゃない。1カ月分まとめて108円になる。その2号がある2017年5月分には、抱腹絶倒でかつディープな労役場体験記も含まれる。かなりお得な月だと思う。
それからこの本を読むことをお勧めする。
この本、東京地裁の地下の書店、至誠堂にあるはず。至誠堂にはネットで買うよりお得な点がある。それは何か、公開の場所では言わない。ネットで広く知られると、バカな奴が食いついてダメにしてしまう、ということがあるので。
ちみなにこの本を私は、当方の意外な手違いでというか2冊買ってしまった。必要としているどなたかに1冊差し上げようかと。
ところで! 裁判所前の男こと大高正二さんがまた逮捕され、21日、東京地裁で勾留理由開示の裁判があった。朝、マニア氏から連絡があったが、第2029号の編集後記に書いた事情により行かなかった。
でも裁判員.inに傍聴記がある。けっこう知的な書きぶり。ありがたいです~。
あと高畑麗子さんのTwitterにいろいろ載っている。
https://twitter.com/7ropongi
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