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2018年1月20日 (土)

監護者わいせつ及び監護者性交等

 以下は1月19日付けTBSニュースの一部。

AV強要に淫行勧誘容疑、82年ぶり 異例の適用
 アダルトビデオへの出演強要が社会問題となるなか、警視庁が制作会社の社長らを異例の逮捕に踏み切りました。何が異例かというと「淫行勧誘罪」という容疑を適用したことです。警視庁によると、実に82年ぶりの適用です。
 淫行勧誘などの疑いで逮捕されたのは、制作会社社長の■■■容疑者(51)やAVプロダクション元社員の■■■■容疑者(35)ら3人です。3人は2015年6月、アダルトビデオに出演経験のない20代の女性を勧誘し、無修正でインターネット配信されることを隠したまま出演させたなどの疑いが持たれています。女性は出演を拒否していましたが、■■容疑者らが「人件費がかかっている」などと説得して出演させたということです。

 淫行勧誘罪、聞いたことねーよっ! 東京地裁、東京高裁、ほか各地の裁判所の開廷表に、そんな罪名は見たことがない。

 でも刑法にはしっかり載ってるんだね。以下は刑法(2017年7月13日に施行された改正刑法)の一部。強力な磁石のように(って古い表現やね)傍聴人たちを引きつけ、傍聴席が押すな押すなの満席になる部分だ。

第二十二章 わいせつ、強制性交等及び重婚の罪

(公然わいせつ)
第百七十四条 公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

(わいせつ物頒布等)
第百七十五条
 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
2 有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。

(強制わいせつ)
第百七十六条
 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

(強制性交等)
第百七十七条
 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛こう 門性交又は口腔くう 性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

(準強制わいせつ及び準強制性交等)
第百七十八条
 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。

(監護者わいせつ及び監護者性交等)
第百七十九条
 十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
2 十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第百七十七条の例による。

(未遂罪)
第百八十条
 第百七十六条から前条までの罪の未遂は、罰する。

(強制わいせつ等致死傷)
第百八十一条
 第百七十六条、第百七十八条第一項若しくは第百七十九条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
2 第百七十七条、第百七十八条第二項若しくは第百七十九条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は六年以上の懲役に処する。

(淫行勧誘)
第百八十二条
 営利の目的で、淫行の常習のない女子を勧誘して姦かん 淫させた者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

第百八十三条 削除

(重婚)
第百八十四条
 配偶者のある者が重ねて婚姻をしたときは、二年以下の懲役に処する。その相手方となって婚姻をした者も、同様とする。

 以上を貼り付けて気づいた。「監護者わいせつ及び監護者性交等」なんて聞いたことないぞ!
 鬼畜な父親(実父または養父)が娘を強姦した、長年にわたり強姦等し続けたという事件はよくあるけど、そんな事件名は聞いたことがない。
 ははぁ、これもこないだの刑法改定で新たに登場したんだな。

Img_1792 しかし、そうだとすると“条ずれ”が起こるはず。
 たとえば第1条と第2条の間に新たな条を設ければ、第2条が第3条に、第3条が第4条に、第100条が第101条になる。ずれる。それは非常にマズイので「の」を使う。「第1条の2」として挟み込むのだ。道路交通法なんか次々と新しい条項が増えるんで、「第108条の34」なんてのまである。途中さらに増やして「第108条の32の2」なんてのもある。

 ところが「監護者わいせつ及び監護者性交等」は「の」を使わずに増えている。てぇことは、第183条のように「削除」とすることなく、何かを1条削ったんだな?
 手元にある2001年の有斐閣の六法全書を見てみた。
 なんと、改定前の刑法に第180条としてあった「親告罪」の規定、つまり「告訴がなければ公訴を提起することができない」という規定が消えていた。
 そういえば、告訴なしでも起訴できるようになったとニュースで見たような気がする。それがこれかぁと、今さらながらはっきり気づいた次第。

 2016年の検察庁の統計から「罪名別 被疑事件の既済及び未済の人員」を見ると…。
 「強制わいせつ」は、公判請求が1191人に対し、「親告罪の告訴・告発・請求の欠如・無効・ 取消し」による不起訴が1132人。「強姦」は公判請求277人に対し、同じ理由による不起訴が214人となっている。
 この不起訴、1132人、214人が、今後かなりか全部かなくなるわけだ。

 ちなみに「削除」とある第183条は「姦通罪」だ。
 「削除」として、いわば永久欠番として残すのと、親告罪の規定のように跡形もなく消し去ってしまうのと、どう違うのか、学者さんに会ったら聞いてみよう。内閣法制局とかへ電話してみる手もあるか?

 さてメルマガを書かねば。次号では、裁判員裁判の実刑判決が破棄され逆転執行猶予となった、若い女性被告人の「殺人未遂」をご報告しようかと。
 次々号は、若い女性被告人がオレオレ詐欺の受け子をやったという「詐欺未遂」か。これは、受け子をやるまでの過程と、80歳のお婆ちゃんが詐欺に気づくまでの過程がリアルで…。

 ←1月20日12時10分現在、週間INが110で2位~。happy01 

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