裁判員制度、どう巻き返しを図るか
高橋ユキさんのツイートで初めて知った。以下は2月7日付け毎日新聞。
山形地裁 裁判員辞任相次ぎ定数不足 公判延期に
山形地裁は7日、強制性交等致傷罪に問われた男(31)の裁判員裁判で裁判員の辞任が相次ぎ、裁判員法が定める定数(6人)に足らなくなったため、同日開かれる予定だった第2回公判を延期すると発表した。裁判員3人が「個人的理由」で辞任を申し出て、解任したといい、新たな裁判員の選任などを検討している。
地裁によると、3人はいずれも女性。6日の初公判までに補充裁判員と裁判員が相次いで辞任。7日の論告求刑公判前にも新たに裁判員1人が辞任した。残りは補充裁判員を含めて男女5人しかいないため、公判を開くことができなくなった。
辞任理由について、地裁は「本人たちが職務を遂行することが困難と申し出たため」とし、詳細は明らかにしなかった。
起訴状などによると、男は昨年8月、暴行目的で知人女性の首にスタンガンを押し当て、首に約1週間のけがをさせたとしている。
裁判員法では重いけが、親族の葬式などの理由がある場合、裁判員は辞任を申し出ることができる。最近では2014年に水戸、16年には大阪地裁で、定数不足による公判期日の延期があった。最高裁は「対応は各地裁に任せており、具体的な事例や総数は把握していない」(広報課)としている。【二村祐士朗】
事件が、または被告人が非常にヤバくて女性たちは恐怖を覚え「関わりたくない!」と思ったのか、あるいは裁判官3人のうち誰かがセクハラとかして嫌気がさしたのか、なんにしても裁判長(兒島光夫・部総括判事か)は素人を上手にリードできなかったってことで、最高裁から無能者と見なされるのかも。
私が傍聴していれば、いろいろリアルにレポートできたのに。
という話はおいといて、国民の裁判員制度離れは深刻らしい。
「国民の常識を反映させ、裁判は良くなる」という幻想、世論誘導により法務省、最高裁(被告人に対し毎度求める反省を自らはしない者たち)がスタートさせた制度だが、幻想が現実化した実感が何らなく、裁判員裁判の判決が高裁でころっとひっくり返されたりしている。スタート時の幻想は消え去ったといえる。制度離れは当然だろう。
先日、東京地裁で、検察官席側の傍聴席に取置席(特別傍聴席)が2席あった。ま~た最後まで無人で終わるのかな、取置席以外は満席なのに(笑)、私はそう思った。
ところが、子どもが2人座った。小学2~3年生の男児と、5年生くらいの男児だ。
本件は覚せい剤の事件であり、直接の被害者はいない。どう考えたって、被告人夫婦の(どっちかの)子どもでしょ。ならば普通は弁護人席側に座る。けど、検察官席側に席を取り置くことが絶対ないとは言えない。
2人が職員に案内されて座ったとき、夫のほうの被告人がちらり見た。が、それっきりだった。うーん、なんだろ。
そのあともあちこちで傍聴し続けた私は、びっくらこいた。
その男児2人が、よその法廷の傍聴席にいたんだっけ、よその法廷へ向かって歩いてたんだっけ、もう定かじゃないのだが、まだあちこち傍聴している風だったのである。職員に連れられていたような記憶がうっすらある。
夫婦の覚せい剤事件の関係者、ではなかったのだ?
ならば何なのか。なぜ裁判所は取置席を設けたのか。諸君はどう読む?
裁判員制度は最近、不人気らしい。裁判員の選任手続きに人が集まらないらしい。小学生に感想文とか書かせ、制度推進の宣伝とする、そのための大事なお客様なので取置席を設けた…。
そんな読み方もできると思うが、どうでしょね。
もしももしも当たりなら、いずれ小学生の感想文の類いが、制度推進のネタとしてマスコミ報道されるかも。そのとき、「そういやメルマガで今井がそんなこと書いてたなぁ」と思い出してほしい。
以上、メルマガのわりと最近の編集後記に書いたことに加筆等した次第。
本気で裁判員制度を存続させたいなら、大手広告代理店ではなく吉本興業さんと組むのがいいかも。あと、裁判所内で猫をたくさん飼うとか。
« 万引き犯を狙う警備員を探してみた | トップページ | 時速235キロでオービスに »
「裁判員制度」カテゴリの記事
- 裁判員は隣の法廷の夢をみるか?(2024.11.22)
- 支援女性に好意を抱き強制性交等致傷(2023.12.17)
- 18歳の裁判員ぜんぜんOKな件(2023.04.05)
- 高校生の裁判員、ぜんぜんオッケー(2022.03.22)
- 裁判員ガチャ(2021.11.22)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント