袴田事件、無罪の石橋は叩いて叩き割る
ちょうど2カ月前の4月11日、東京高裁・第8刑事部の大島隆明裁判長が、典型的万引き病の控訴審について、泣きたくなるほど感動的な判決をやってのけた。
私はメルマガ第2086号「罰金50万円は軽すぎて不当と検察控訴!」と第2087号「クレプトマニア感動判決は袴田事件ゆえ?」に分けてレポートした。
第2087号の終わりにこう書いた。
私は感動しつつ興奮した、大島隆明さん、どうしちゃったんだ!?
近々定年なのか、あるいは定年を待たずに退官する腹を決めているのか、絶対マトモじゃない!
(中略)
袴田事件の記録を読み込み、あまりのひどさに良心が目覚めてしまったのか、あるいは、それでも立場上検察主張を認めざるを得ないことに良心が耐えかね、今回の判決理由につながったのか。
前者であってほしいけれども…などと裁判傍聴師はそんな妄想に耽るのですょ。
大島隆明さんは今日、袴田事件の再審開始決定を破棄した。
「石橋を叩いて渡る」とは慎重なことの喩えだが、刑事裁判は、無罪方向の石橋は叩いて叩いて叩き割る、有罪方向の石橋は使い慣れた木槌で上手に叩いて渡る、もともとがそういうものだ。刑事裁判は有罪に傾いたピサの斜塔とも言われる。傾いて傾いてほとんど倒れそうな斜塔だ。
司法はぶっちゃけ国家の治安、秩序、維新を護る装置なのである。
大島さんもまた意識せずそこにずっぽりはまり込み、しかし無意識の奥底で良心が悲鳴を上げた、その悲鳴があの万引き病の裁判だったのか。
こんなこと言う傍聴マニアは、なかなかいないっしょ(笑)。裁判が公開とされているのは司法を国民に監視させるため。そこを忘れず、私は裁判傍聴を続けていこう。
メルマガ「裁判傍聴バカ一代 」は、6月は以下の4号を発行した。
第2111号 槇原敬之さんの“パートナー”の覚せい剤
“男のシャブ”の審理なんて普段は超人気薄なのに、行列ができていた。これは芸能系事件なのだ。情状証人にも被告人本人にも、覚せい剤の依存性の怖さを徹底的に叩き込むのがこうした事件のお約束。ところが…。被告人の特異なキャラクターのせいか。
第2110号 駅ホームで男子学生が肩をぶつけてきた?
駅の通路で通行女性に次々と肩をぶつけながら歩く若者の動画が話題になっている。そんななか、駅のホームでの“肩ぶつけ事件”が法廷へ出てきた。ぶつけた若者は、被害者にとがめられるや急に「助けてください」と周囲に言い出した。こうして加害者、被害者が逆転した、とは弁護人の主張。ぶつけた若者(本件の被害者)は有名私立大の学生だという。今後証人出廷することになるはず!
第2109号 6400ccのアメ車で235キロ、求刑は?
中央自動車道でナンバーなしのダッジ・チャレンジャーを運転し、本邦初の高速度で捕まったと大報道された事件。公訴事実はなんと第6まであった。被告人はなかなかスジの通った人物と思えた。一方、試験に勝ち上がってきただけで人生経験が如何にもなさそうな若い検察官が、申し訳ないけど哀れに見えたス。
第2108号 前代未聞、弁護人が被告人質問を放棄っ!
首都高速のオービスによる81キロ超過(測定値131キロ)。もう鉄板で懲役3月、執行猶予が2年か3年の事件だ。弁護人の立証は「ありません」。書証も人証ない、それは珍しくない。「被告人質問もやらないんですか?」と裁判官。意地悪な揚げ足取りだね(笑)と思ったらなんと弁護人が「はい」と答えた。にゃんだとぉ~っ! 前代未聞の裁判を傍聴したっ。
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