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2018年7月25日 (水)

万引き病、人間脳と動物脳

180724 万引きは絶対しない! したくない!
 どんなに固くそう誓っても、いわば低級動物霊に憑依されたかのように、まっしぐらに万引きしてしまう人たちがいる。摂食障害(食べ吐き)の女性に多いようだ。
 窃盗症、クレプトマニア、私は万引き病と呼んでいる。

 その病気のメカニズムを解明し、治療法を見つけ、実際に多くの患者を治療してきた医師がいる。
 ある万引き裁判にその医師が証人出廷した。私は傍聴し、メルマガ第1906号「「DSM-5は間違っています」ときっぱり!」、第1907号「天敵の多いジャングルに育った小動物の脳」でレポートした。
 その一部を今回ここに、少し加筆等したうえで転載したい。

 被告人は小柄で若めの女性。既婚、1歳の子あり。重度の摂食障害(食べ吐き)。万引きで執行猶予中の万引き、量刑相場的には実刑間違いなしの事件だ。

 私は非常階段をワンフロア下り、10時から東京地裁722号法廷(52席、齊藤啓昭裁判官)で「窃盗」の審理。

 検察官から被告人質問の続きが少し行われた。
 被告人は赤城高原ホスピタルに入院していたことがあり、退院後はグループミーティングに通い、万引きは収まってたのだという。
 ところが、かなり遠方の実家へ帰って再び万引きが始まった! うわぁ、実家の親との関係がすべての原因なんだな?
 被告人はこんな凄まじいことを言うのだった。

被告人 「万引き衝動と過食嘔吐の生活になってから、1人の時間を万引きと過食嘔吐に使おうという考えになってしまって」

 東京へ戻っても万引きは止まらず、ついにまた捕まり、それから「今の病院」へ通い始めたのだという。

 10時06分、証人尋問が始まった。
 スリム系の、メガネの年配男性だ。良い色合いの夏のスーツ、あれは高いでしょ。
 弁護人は証人を「ヒライ先生」と呼んだ。独立行政法人国立病院機構下総精神医療センターの薬物依存治療部長で条件反射制御法学会の会長、平井愼二医師なのだ。

弁護人 「■■さん(被告人)を、病的窃盗、摂食障害と診断されましたね」
証人   「はい」
弁護人 「まず、病的窃盗、食べ吐きのメカニズムを…」
証人   「では図をご覧下さい」

 壁の大型モニターに、弁護人のノートパソコンを通じて図が映し出された。
 脳の断面の略図で、中心部が青色、外側がオレンジ色になってる。

証人   「真ん中の青いところが第1信号系、犬も猿も持っています。オレンジの外側、第2信号系、考える脳です」

 そして…。

証人   「第1信号系、全く考えません! 刺激が入ると、出る、反応は1つです。動物は、生まれた瞬間から、守る、食べる、セックスする…全く考えずに同じ行動をしてしまうシステム…このシステムが動物を適応させ、進化させてきました…」

 ほ~、なるほど。

証人   「第2信号系は、人だけが持つ、思考する脳です。思考して動作をつかさどる、動作だけをつかさどります。自律神経はつかさどりません。動作を引っ張る…未来のための行動をつくる、50年とか未来のために働こうとする、考える、巧妙な脳です…2つの脳をしっかり持っている。通常の精神科医師とか法曹は、たった1つの脳で考えて行動していると思っていますが、それは大間違いです…2つの脳はときに協調して、一方が優勢になり、一方が抑制され、人の行動がつくられる…」

 大型モニターの図は2枚目になった。

証人   「38億年前に生物が…10億年前に動物が生まれた…動物は、防御、摂食、生殖、この3つを第1信号系がつかさどります…(図を示し)刺激が入ると、短い行動の神経群がドミノのようにつながって、一連の行動を起こします…成功すれば定着させる効果を生む、これを報酬というんですが…10億年前から我々の行動はパターン化されていた…男は女の裸を見ると考えずに興奮してしまう、逆らえないのです。刺激がなければ静かです」

 弁護人は、今の話をまとめようとした。まとめて「こう聞いてよろしいですね?」とか確認する、いつものパターンだ。
 しかし裁判官は、理論的なところは論文で分かるので「できるだけ被告人に即したところを…」と仕切った。

弁護人 「では■■さんの病的窃盗…DSM-5の診断基準の1つ、個人的に用いるものでなく金銭的価値ではなく…この要件に反するから病的窃盗じゃないと…」

 そうなのである! アメリカの診断基準というかマニュアルでは、万引きしたのが無用で無価値なものでなければ、病的とは認めないである。
 検察官は喜々としてこれを引用し、どう見ても明らかに病気だろ、と思える者を刑務所へ送るのである。有能な警察官はそこが分かってるから、資産家のおばさんが財布に数万円ありながら数百円のものを万引きすると「老後を考えて少しでも節約したかった」とか上手に調書を取るのである。

 そういうやり方に、私はいっつもムカついてた。平井医師は、よく通る低い声で、ゆっくりときっぱり言うのだった。

証人   「DSM-5は間違っています。私のように言う精神科医はけっこういます」
弁護人 「全く自分のために用いない人はいますか?」
証人   「ゼロ%です。全くいません! 食べるものを盗る人はみんな食べています」

 私はスカッとしたね~(笑)。
 さぁ、そして、被告人の摂食障害、万引きは、脳のどのようなシステムにより生じたのか、どうヤメさせられるのか、ま~、私は今回凄いのを傍聴したょ、興奮したょ。
 ちょと長くなりそうなので、申し訳ない、次号へ続くっ!

 次号とは第1907号だ。万引き病の女性が万引きをするとき、第2次信号系(人間脳)はすっ飛び、第1次信号系(動物脳)だけで動いてしまうのだという。
 人間脳の智恵がはたらかず、動物脳で動くから、いちおうはキョロキョロ警戒するものの天井の監視カメラは気にせず、簡単に捕まってしまう、そういうことなのかも。低級動物霊に憑依されたかに感じられるのも、そういうことなのかも。
 万引きGメンの伊東ゆうさんと話したなかに、可愛い女性なのに万引きの瞬間はいやらしい悪人顔になる、という趣旨の部分があったと記憶するが、それは動物脳に支配された動物顔なのかも。

 平井医師のこの本は東京地裁の地下の書店にあるかと。

 画像は、農家の直売所で買った茄子。長いのは3本で100円ぽっきり。丸々太いのも3本で100円ぽっきり。これを切ってフライパンで焼き、おろし生姜と醤油で食べる、ほぼ毎日食べている。旨いのだよぅ。ここで一曲おかけしましょう、「恋は茄子色」。あなたはわたしのポリフェノール、傷だらけの心にナスニンが多く含まれるの♪ しぇーっ(笑)。

 ←7月25日14時10分現在、週間INが140で2位~。happy02

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