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2018年8月16日 (木)

新型オービスとは何か! 前編

 ネットでは「移動式オービス」と呼ばれている.。設置したら動かせない固定式まで移動式オービスと呼ばれているようだ。

1808163 私はネットに真っ向逆らい(笑)、「新型オービス」または「新時代オービス」と呼んでいる。
 なぜ私がそう呼ぶのか、どこが新型で何が新時代なのか、雑誌『ラジオライフ』や『ドライバー』で、また当ブログやメルマガで2013年からさんざん書いてきた。
 ここらでちらっとまとめておこうと思う。

■2013年6月  「取り締まられた側も納得できるよう見直すべし」と古屋圭司国家公安委員長(当時)がスピード違反取締りについて“苦言を呈した”などと報じられた。

 準備を整えたうえで大臣に旗を振らせたのだろう、同年8月、警察庁は速度規制、速度取締りのあり方を見直すのだと「懇談会」をスタートさせ、12月には「提言」を発表させた。
 要するに「場所を取らない新型のオービスを導入して生活道路でも速度違反を取り締まるべし」と。

 公開された資料には外国製の3種類のオービスの写真(※1番目の画像)があった。3種類のうち「手軽に持ち運び可能」な三脚式のオービスを使って生活道路で速度取締りをすることを、大臣に旗を振らせ有識者の先生方に提言させる形で打ち出したのである。

180816 だが! 生活道路はだいたい「ゾーン30」といって制限30キロだ。現行のオービスはいわゆる赤切符の違反(一般道路では超過30キロ以上)のみを取り締まる。
 そしたら新型のオービスは生活道路で、59キロまでの違反車両を見逃し、60キロ以上でかっ飛ばす違反車両だけを待ち伏せるのか? んなアホな(笑)。
 当然に、青切符の違反(同超過30キロ未満)も取り締まるはず。

 だがしかし! 青切符の違反はめちゃめちゃ多い。オービスは現場では測定&撮影を行うだけ。後日違反者を呼び出して出頭させ取り締まる。ずるずる出頭しない者もいる。青切符の違反までそんな面倒なことをやったら警察業務はパンクする。

 どうする? ずばりの解決策がある。
180816_2 違反者を出頭させるのはもうヤメ、写真に写ったナンバーから分かる違反車両の持ち主にペナルティを課せばいいのである。
 そのやり方は2006年6月、駐車取締りについてすでに始まっている。駐車違反の放置違反金と同種の“速度違反金”を違反車両の持ち主に払わせるスタイルにすればいいのだ。
 そうして、駐車取締りと同様、速度取締りも民間委託する、駐車監視員ならぬ速度監視員を登場させる。警察庁の縄張りにまた新規の市場が生まれる。

 そういう大がかりなこと(もしかしたらもっと大がかりなこと)をやるために、警察庁は大臣に旗を振らせて懇談会を立ち上げたのだ、私は直ちにそう読み、以降ずっとどこでもそのように言い続けている。
 不思議なのは、そのように言うのがどうも私だけらしいことだった。「今井君、孤軍奮闘、ご苦労さん」と警察庁の皆さんは笑っていたかも。

■2014年10月~12月  警察庁は新型オービス3種の試行運用を埼玉でおこなった。3種とは、細い柱のような目立たない「固定式」と、似たものを重い台座に載せた「半可搬式」と、そして三脚を立てて使う「可搬式」。いずれも外国製で測定方法はレーダー式だった。

 固定式(※2番目の画像)の名称は「SWSS(Speed Warning Safety System)」。可搬式(※3番目の画像)は「MSSS(Mobile Speed Safety System)」。いずれもスエーデンのSensys社製で、警察庁への売り込みは沖電気工業だった。
180816_3 半可搬式(※4番目の画像)は、私の手元にある仕様書(2014年8月18日付け)では特に名称はなく、オランダの Gatso社製。こちらの売り込みは東京航空計器だった。
 そして3種ともレーダー式だった。

 のちにSensys社とGatso社は合併し、Sensys Gatso Group(以下センシス社) となった。
 センシス社は合併前も含め70カ国以上に累計5万台の装置を販売。11カ国にオフィスがあり170人を雇用しているという。
 そのへん、ジャーナリスト・桐島瞬氏による「開発者インタビュー!  国内導入のスウェーデン製新型オービスは、国産の性能を凌駕する!?」との記事がネット上にある。じつは私も桐島氏といっしょにスエーデン大使館などでセンシス社の方々から話を聞いており、『ラジオライフ』の今年3月号に記事を書いた。

 しかし、私は首をひねった。
 長年にわたり国産でやってきたオービスを、なぜ突然に外国製にするのか。アメリカ製ならまだしも、ヨーロッパのそれもスエーデンとオランダのメーカーなんて、日本の官僚行政的に似合わないような気がする。
 ワールドワイドなメーカーを相手に、天下りポストをいくつ設け、年俸や退職金をいくらにするか、警察庁はうまく話を進められるのかな…。

 そして2016年、謎が解けた。以下次号へ続く!

 

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