カメラ差向け6月、盗撮1年
もしや、と超絶マニアックデータに当たってみたところ、やはりヒットがあった。
以下は10月10日付けテレ朝ニュース。
“盗撮行為”気付かれ… 新宿駅で線路飛び降り逃走
JR埼京線の電車内で女性を盗撮しようとしたとして、45歳のアルバイトの男が逮捕されました。男は女性に気付かれた後、新宿駅の線路に飛び降りて一時、逃走していました。
(中略)
「前に痴漢で捕まったので、捕まるのが怖くて盗撮した」「怖くなって逃げた」と容疑を認めています。
おそらくはこの被疑者の過去の事件であろう「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反」(以下迷惑防止条例違反)の、その公判期日が東京地裁で2008年、2013年、2016年にあった。
少なくとも2016年のは実刑で服役している可能性が高いかと。
初犯者や無実の者は、線路へ飛び降りて逃げるまでの勇気、思い切り、死に物狂いさはないだろう、飛び降りて逃げるのは、捕まれば確実に刑務所行きと思える事情がある者だろう、という読みは本件でも当たったことになる。
同種の犯罪をくり返す者には、大きく2パターンがあるように思う。
もともと働く気があまり又は全くなくて、しかし生活費や遊興費が欲しいもんだから、慣れた手口の犯罪をくり返すパターン。
もうひとつは、「もう絶対ヤメよう」と本気で思ってもヤメられない、病的犯罪のパターン。
両パターンとも、刑罰や刑務所は効果がないか、薄いようだ。何度逮捕され有罪判決を受けても、何度服役しても、また捕まって刑事裁判の法廷へ出てくる者が続々といる。
刑事裁判を傍聴席から見る限りでは、検察も裁判所も、そうしたことに興味がないようだ。上述の2つのパターンの特に後者については、興味がないどころか、検察と裁判所が再犯をつくっているとさえいえる、そのこと、メルマガでさんざん書いてきたし、いま執筆中の単行本でガツンと発表する予定だ。
なお、今回の事件の法廷で弁護人は、きっとこう弁護するだろう。
弁護人 「被告人は、痴漢は良くない、ヤメようと固く誓い、前刑出所後、見事に実行してきたのであります。今回、つい魔が差して差し向け行為をしてしまいましたが、今後は盗撮も絶対にしないと固く誓っております。誓いを実行する能力があることは痴漢をヤメたことで証明されており、再犯可能性は皆無です。どうか寛大な判決を賜りたいと…」
東京都の迷惑防止条例の、以下は第5条の、第4項まであるうちの第1項のみ。太字は私。
(粗暴行為(ぐれん隊行為等)の禁止)
第五条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
一 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
二 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)
三 前二号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること。
第5条第1項の罰則は、第8条第1項第2号により、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金。
撮影もした場合の罰則は、第8条第2項第1号により、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金だ。
お気づきだろうか、いわゆる痴漢は第5条第1項の第1号の違反であり、その罰則は第8条第1項第2号。だからつまり、痴漢より盗撮(撮影)のほうが2倍も重いのである。
ただし、第8条は第10項まであるところ、第8項がこんなことを定めている。
8 常習として第一項の違反行為をした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
ここでいう第1項とは、第8条第1項のこと。これを適用され、条例違反の痴漢で懲役1年を求刑される者もいる。
「常習として」とは何なのか。警視庁によれば、定義はなく、運用についての通達もなく、個々に検討するのだそうだ。一般的に2回まではセーフ、3回目から検討対象になるのか旨を尋ねたところ、明確な否定はなかった。犯行の回数のほかに、犯行態様の悪質性、犯行と犯行の間隔等も影響するのだそうだ。
※ 画像は埼京線の天井にある監視カメラ。
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