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2018年12月 3日 (月)

もうひとつの“撃墜あおり運転”

 9月3日(月)10時から横浜地裁で「危険運転致死傷及び暴行(予備的訴因監禁致死傷)、器物損壊、強要未遂」の第1回公判があると、マニア氏から早くに聞いていた。
 昨年、東名高速で悪質あおり運転の末、とんでもない死亡事件を引き起こした、メディア報道によれば動物のような男、を被告人とする事件だ。

18113014 傍聴席98席の法廷を使う可能性ありという。メディアの動員は東京地裁ほどは多くないはず。よし、行こう! 横浜は拙宅からは遠いけど、行って余人にマネのできないディープなレポートをしてやろう!

 ところが、前日にマニア氏からメールあり。いちばん広い法廷を使うものの、傍聴券抽選の当たり券は40枚ぽっちだという。
 記者クラブ等が58席もとるとは考えにくい。死傷被害者の関係者が、被害者参加人として検察官の横に座るほかに、傍聴席にもかなりの方が座るのだな? そうでなければ、裁判所は大きな法廷を使わないはず。

 嗚呼、と息を吐いて私はあきらめた。今月は、秘密の重要事件であちこちの裁判所へ行かねばならぬ。雑誌原稿も単行本原稿もある。3日(月)はあきらめよう。

 ところで、あおり運転は上記事件のようなものばかりじゃない。
 狙った相手に速度を上げさせるためのあおり運転もあるように思われる。いやネットを見ると、そういう者が確かにいるようだ。
 以下は、車雑誌『ドライバー』に以前書いた原稿の一部だ。若干加筆等する。

 午後10時半ころ、首都高速・都心環状線の外回り、新富町付近(制限50㎞/h)のオービスにより97㎞/hと測定・撮影された被告人の主張は、要するにこうだった。

被告人 「友人と、別の友人の幼児を乗せて、いちばん左の車線を走行中、フルスモークのグレーのベンツが右側に並んだ。ベンツの窓ガラスが開き、刺青のある腕が鉄パイプ様の棒を振り回してきた。棒は1度、こちらのガラスにゴンと当たった。私のクルマはランサー・エボリューションだ。私は〝走り屋〟ではないが〝走り屋つぶし〟がいると聞いていたため、パニックにおちいり、とにかく逃げなければとスピードを上げた。そのときオービスに撮影された」

 午後10時半ころ、首都高速7号線下り(制限60㎞/h)をスカイラインで走行中、錦糸町ランプ先のオービスⅢにより131㎞/hと測定された被告人はこうだった。

被告人 「当時の交通の流れにのった程度で走っていたら突然、黒いクルマが前方に割り込んで急ブレーキをかけた。そこで追い抜いたら、その黒いクルマはあおるようにくっついてきた。正直、あそこまで迫られたことは初めてだ。速度を上げて遠ざかるしかなかった。あの道路はほぼ毎日とおっておりオービスがあることは知っていたが、それさえ忘れるほど恐怖を感じた」

 環状7号線(一般道)内回り、高円寺付近(制限40㎞/h)のオービスにより93㎞/hで捕まった被告人はこうだった。

被告人 「新青梅街道のあたりから後ろのトラックがクラクションを鳴らしたり幅寄せしたりしてきた。無視していたが、トラックの窓から木刀か何かがふり回され始め、あんなもので殴られたらたいへんなことになる、これは逃げるしかないと思ってスピードを上げた」

 そうしたことを、どの被告人も法廷で必死に語る。でも、ほんとうかウソかわからない。どっちにしても確かな証拠がない。
 じつはそれは当然というか、そもそもオービスは、犯行に至る状況には関係なく、オービス設置地点にさしかかった瞬間のスピードだけで処罰しようとする機械なのである。そういう機械が全国に600基以上も設置され、日々粛々と取り締まりを行っているのである。

 もちろんパニック状態での大幅なスピード超過は危険だが、酌むべき事情は酌まなければならない。緊急避難とか正当防衛とか難しいことをいう以前に、刑法第66条がこう規定している。

第66条 「犯罪の情状に酌量すベきものがあるときは、その刑を減軽することができる」

 刑法の規定を無視するわけにはいかない。ではどうするか。検察官、裁判官は、こういう形へ持ち込もうとする。

裁判官 「暴走車が存在したという証拠がない。パニックだったという被告人の説明は、細かな点に矛盾を見出すことができる。よって暴走車は存在しなかったのだ。
 仮に暴走車が存在したとしても、地図によれば付近に交番や警察の寮がある。そこへ駆け込めばよかったのだ。停止してやりすごすこともできた。わざわざ追突するクルマなどいるはずがないし、追突すれば追突したほうが処罰されるなりすればいいのだ。相手はヤクザだと思ったと言うが、止まって確認したのか。確認せずにスピードを上げたのは悪い」

 この論法で、どの被告人もあっさり負けていく。相場どおりの罰金刑とされて終わる。

 こうして、いわば警察、検察、裁判所の協力を得て、狙った獲物を“撃墜”して遊ぶ者が、確かにいるようだ。
 しかし裁判所等は、そんなことを国民に伝えたりは絶対にしない。
 そこを伝え、国家の治安ではなく国民の安全を図る、それが裁判傍聴師のひとつの役割だ。 ←おお、風呂敷を広げたな~(笑)。

 冒頭の横浜地裁の事件で私が気になることのひとつは、死傷被害者の車両後部に激突した車両の、その運転手の処罰はどうなったか、である。
 法律上は、そっちの運転者(以下後続車)がいちばん悪い。私が過去に傍聴した事件では、民事の賠償責任は後続車が7割だったそうだ。
 本件では、被告人の罪を軽くするために弁護人が後続車の落ち度に言及するかもしれない。しかし世間は被告人をひたすら悪く言う流れなので(いや私も被告人がいちばん悪いと強く思うが)、メディアは後続車に触れない可能性がある。そのへん、横浜のマニア諸氏にお任せしたい。

※ 画像は、11月29日(木)だっけか「昭和」の帰りに裏路地の質店で買った腕時計。700円ぽっきり、皮革のバンドの色もつやもいい。これはお得だ。
 なぜ右手左手の内側なのか。高校生の頃、ヨーロッパ映画にかぶれた影響だ(笑)。 ※赤色部分、読者氏から指摘され誤記を訂正。ありがとうございます!

 ←12月3日0時50分現在、週間INが140で3位~。confident 

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交通事故」カテゴリの記事

コメント

えーっ、マジっすか、びっくり、知らなかったです!
石橋被告人に全責任を重くかぶせるため、後続車の責任を捨てたんですね。それなら筋は通ります。
しかし、今後は高速道路での前方注視義務はなくなるのか。えーっ?
ありがとうございます!!!

これの事ですか?
追突のトラック運転手を不起訴 東名夫婦死亡事故
https://www.sankei.com/affairs/news/180106/afr1801060010-n1.html
 神奈川県大井町の東名高速道路で昨年6月、静岡市の夫婦が死亡した事故で、横浜地検は大型トラックで夫婦のワゴン車に追突したとして、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で書類送検された男性運転手(63)を不起訴処分とした。地検は処分の理由を明らかにしていない。
 この事故では、夫婦のワゴン車の進路をふさぐなど妨害行為を繰り返し、無理やり追い越し車線に停止させて事故を誘発したとして、福岡県中間市の建設作業アルバイト、石橋和歩被告(26)が同法違反の危険運転致死傷罪などで起訴されている。
 事故は同月5日夜、大井松田インターチェンジ付近で発生。ワゴン車にトラックが追突し、静岡市清水区の自動車整備業、萩山嘉久さん(45)と妻の友香さん(39)=いずれも当時=が死亡し、娘2人がけがをした。

 今後、裁判所の帰りには銀座の晩杯屋へ行こうかと思ってます。でも週に1回とはいかないかも。
 
 左手、右手の件、まったく誤記でした。他の方からもご指摘をいただきました。ありがとうございます、感謝です。

 ちなみに、なぜ手首の内側か。高校生の頃に私はヨーロッパの映画にのめり込み、当時アラン・ドロン氏が腕時計を手首の内側につけていたのです。そしたら私も、でしょ? 当然ですよね(笑)。
 時刻を確認しながら傍聴ノートを取るとき、左手首の内側のほうが見やすいという事情も現在はあります。
  

「昭和」の件は残念です。今井さんのブログで昭和の記事を読むのを楽しみにしていましたのでね。
腕時計、写真では左手の内側に見えるのですが、何かの間違いでは?

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