池袋暴走事故の元エリート官僚(87歳)は不起訴か!?
だいぶショッキングなことが報じられた。忙しいのでごく簡単に。
以下は5月31日付け産経新聞、の一部だ。
池袋暴走事故、元院長の免許取り消し処分を決定 都公安委
東京・池袋で乗用車が暴走し母子2人が死亡した事故で、東京都公安委員会は31日、車を運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(87)の運転免許を取り消す行政処分を決定した。
警視庁によると、手続きを経て、免許取り消し処分が執行される見通し。飯塚元院長と代理人は同日、警視庁本部で実施された違反についての聴聞会を欠席したという。
違反にも事故にも点数が付されている。いわゆる事故点数(交通事故の付加点数)は、本人の責任が重い場合の死亡事故だと20点(リンク先は警視庁)。
行政処分歴がゼロ回、累積点数がゼロ点でも、15点で免許取消処分の基準に該当する。20点はばりばり該当する。
取消処分の前には「意見の聴取」がある。本人または代理人が出席しなければ、公安委員会(実質は警察)が決めたとおりの処分量定で処分が執行される。
通常、処分までけっこう何カ月もかかるようだ。半年程度が普通だった頃もある。
現在の期間を私はよく知らないが、事故から約1カ月半というのは異例の早さかと思われる。
ところが産経新聞は「意見の聴取」ではなく「聴聞会」と報じている。
これ何を意味するか!
「意見の聴取」を行わなくていいケースの1つに「認知症であることが判明したとき」というのがある(道路交通法第103条第1項第1号の2および同第5項)。
「飯塚幸三元院長(87)」は認知症と判明したのか!?
その場合に聴聞を行なう根拠法令は何か、今ちょっと調べている暇がない。
とにかく、認知症と判明したなら、刑事処分は不起訴の可能性がある。「上級国民を認知症で逃がしてやったのか!」と、また祭りになるんじゃないか。
だからこれ、だいぶショッキングな報道なのだ!
……ただ、聴聞ではなく「聴聞会」となっているところが、ちらっと気になる。
マニアックにいえば、道路交通法でも行政手続法でも「聴聞」に「会」なんて付かない。
どう申し上げていいのか、たとえば道路交通法など見たこともなく、処分を逃れたいだけの人なんかは「意見の聴取」を頑として「聴聞会」と呼ぶことがあるようだ。
産経新聞の本件記事を書いた人も、校閲の人も、たまたま偶然そういうところにどっぷり浸かってきた人で、警視庁は「意見の聴取」と正しく記者発表したのに、自らの常識にしたがってあえて「聴聞会」にした…というのは、うーん、交通違反マニアの妄想が過ぎますか?
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