サイテーな裁判傍聴マニア!
複数のイベントで桜井昌司さんが話すのを聞いてきた。明るく力強く前向きで不撓不屈の、ちょっと不世出のすごい人物と思った。
でも可哀相に、裁判は勝てない、と申し訳ないけど私は思っていた。なぜならこれは裁判だから。裁判は真実や正義とは別の次元にあるから。
ところがっ! とんでもないことが起こった。以下は5月27日付けNHKニュースの一部だ。
布川事件 国と県に7600万円余りの賠償命じる
52年前に茨城県で起きたいわゆる「布川事件」で再審=やり直しの裁判で無罪が確定した男性が訴えた裁判で、東京地方裁判所は「警察官の取り調べや、検察が裁判で証拠を開示しなかったことは違法だ」と厳しく批判したうえで、国と茨城県に対して7600万円余りの賠償を命じました。
昭和42年に茨城県利根町布川で男性が殺害されたいわゆる「布川事件」で、無期懲役の判決を受けた桜井昌司(72)さんは、平成23年に再審で無罪が確定しました。
取り調べで自白を強要されたり、誘導されたりして違法な捜査を受けたとして、国と茨城県に1億9000万円余りの賠償を求めました。
27日の判決で東京地方裁判所の市原義孝裁判長は「取り調べで桜井さんを現場近くで見たという目撃者がいるなどとした警察官の発言はうそであり、取り調べは違法だ」と指摘しました。
また、検察に対しては捜査の初期に作られた捜査報告書に桜井さんらを現場近くで目撃したという記載がなかったことなど、裁判で重要な証拠を開示しなかったのは違法だと指摘しました。
そのうえで「違法行為が無ければ、遅くとも2審で無罪の判決が出され、直ちに釈放された可能性が高い」として、国と茨城県に対して合わせて7600万円余りの賠償を命じました。
弁護団によりますと、検察が証拠を開示しなかったことを違法と判断した判決は異例だということです。
桜井さんは無罪が確定したあと、身柄を拘束された29年間の刑事補償として、国から1億3000万円余りが支払われていました。
すごい! 桜井さん、おめでとうございます!
ただ、これは大変な判決ではある。そもそも行政無謬、国家不問責の大原則に反するし、「検察が証拠を開示しなかったこと」が違法って、検察に不利な証拠を隠して有罪にするのは、日本の刑事裁判の基本原則ではないか。それを否定されちゃったら、今後検察はどうするのっ!
桜井さんの人間に、市原義孝さんの人間が揺すぶられ呼応した、そういう判決かと、申し訳ないけど私は想像する。国側代理人も、桜井さんの人間に揺すぶられ、市原さんにも影響され、出しちゃいけない証拠を出しちゃったのかもしれない。
ともあれ国家の側は必ず控訴し、七転八倒争うだろう。そうでなければ官僚失格だ。ってなんか変な言い方ですか? えっとですね、たとえば、イソップ童話の『北風と太陽』で、北風さんが旅人に冷たい風を吹き付けなかったら北風さん失格だ、そういう意味です。ますます分かんなくなった? あれ~(泣)。
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ところで今日、東京地裁のある法廷前で、「裁判傍聴マニアってサイテーだな!」と、そこにいた当人以外はみんな思っただろうシーンに遭遇した。テレビドラマでクズな傍聴マニアを描くときはああいうシーンが分かりやすい、というシーンだった。
裁判所はワンダーランド、いろんなことがありますね。
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ちょっとお知らせ。29日(水)夕方のフジテレビのニュース番組の、18時20分から19時までの13分間だっけ「条件反射制御法」のことを取り上げる予定だそうだ。
「もう絶対しない!」とどんなに固く誓ってもまた万引きをやってしまう方、そのご家族等は是非視聴してください。いやどんな取り上げ方になっているか私は知らないが、再犯防止への救いになる可能性は大いにありだろうと思う。
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