キャッシュカード3枚を騙し取っただけで懲役2年6月!
被告人は若い。
20代前半か。刑務官に伴われて奥のドアから入廷、手錠・腰縄のまま被告人席に座った。
裁判官が登壇するまでずっと、重くがっくりうなだれていた。人生が終わってしまったかのように。
罪名は「詐欺」。未遂じゃなく既遂なのだ。事件番号に「等」がない。既遂1件の事件かも。前科なし。
グループが役割分担する特殊詐欺の受け子として、キャッシュカード3枚を騙し取ったのだという。
何か脅され、離脱できずに加担したらしい。報酬は受け取っていない。
被告人が騙し取ったキャッシュカードにより引き出された金額は量刑の理由にしません、と裁判官はわざわざ述べた。
そんなの私は初めて聞いた。
あそうか、私がこれまで傍聴してきたのは、騙し取ったキャッシュカードで即何十万円、何百万円を引き出した、いわば“受け出し子”の事件だ。
出し子を兼ねず受け子だけの事件は初めてだ。そのへんで裁判官はそんなことを述べたのかな。ならば楽々執行猶予か?
ところがっ、なんと懲役2年6月、未決30日算入、ええーっ!?
銀行協会やら警察やらを名乗って電話をかけ、キャッシュカードの暗証番号を聞き出し、末端の使い捨ての受け出し子、受け子、出し子を派遣、キャッシュカードを複数枚騙し取って引き出せる限りの現金を引き出す、そういう詐欺(事件名的には「詐欺、窃盗」)が今は主流らしい。
一般予防(いわば見せしめ)の見地から重罰に処す方針を、検察と裁判所とで決めたのか? オレオレ詐欺についてはすでにそのようになっている。
ただし、「見せしめのために重罰に処すぞ」とは検察も裁判所もけして世間にアピールしない。法廷の中だけで満足している。こういうのをお役人気質、お役所仕事というんだろうか。
とにかく、キャッシュカードの受け子のみの事件をもっと傍聴してみたい。んなこと言ってちゃきりがないんだが。
メルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代(いちだい)」、6月はすでに以下の5号を発行した。
第2266号 クレプトマニアはみなさん、キョロキョロして目が点になっている
前号からの続き。精神科医を証人尋問。被告人は一流会社に就職、その後渡米してある資格を取りアメリカで働いたり、端から見れば優秀な才女なのに、なぜ窃盗症に陥ってしまったのか…。
第2265号 興奮してきて体がすごく熱くなって脇の下からも足からも汗が垂れて
被告人は小柄でスリムな女性。万引きで執行猶予中に万引きをやり実刑に。控訴して、からくも逆転執行猶予(保護観察付き)とされたのにまた万引き! どうしても万引きが止まらないクレプトマニア(窃盗症)の女性がまた法廷へ出てきた。犯行時のことをハキハキと赤裸々に語るのだった…。
以下の3号は6月8日にお知らせした。
第2264号 失うことばかりの人生、普通に生きるのが楽しいんだねと
第2263号 予想どおりの最高裁判決、補足意見に期待した私がバカでした
第2262号 13歳女子に淫行した21歳、“中出し”で取る責任とは
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ちょっとこのバックナンバーのページを見てください。ようく続いてるな! と呆れるでしょ。どの号も大興奮で書いているから続けられるのだと思う。初月無料なので是非試し読みしてみてください。
※ 画像は横浜地検のそばの交差点にある珍しいカメラ。あれは車両の速度を測るんだっけ。 ※当ブログ容量オーバーが判明。画像は削除。
※ あそうそう、「火の付いた爆竹を道路に投げて書類送検! 知らなかったでは済まない道交法違反の意外な規定とは?」という記事をネットに書きました。
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