新型オービスの否認裁判!
さいたま地裁で本邦初、超重要な速度違反裁判が進行中だ。
メルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代(いちだい)」で毎回レポートしている。あと少なくとも4回はレポートすることになりそう。
そのたんびに本邦初、超重要とはどういうことか説明するのは面倒だし、記事が無駄に長くなる。
そこで、説明はこの記事で行ない、メルマガにはURLを貼ることとした。
ごく簡単に説明するとこういう流れになる。
1、警察庁は新型オービスを使って速度取締りの新制度をつくろうとしている。
※ ちなみに警察の多くの文書では「新たな速度違反自動取締装置」とされている。それじゃ長いし、また間違いなく新型なので、私は「新型オービス」と呼んでいる。ネットでは「移動式オービス」という語がすっかり定着している。固定式まで移動式と呼ばれたりする。しかし警察文書のどこにも「移動式」の3文字はなく、「移動オービス」という別種の装置がすでにある。なので私は絶対に「移動式」とは呼ばない。ネットに逆らってマイナー路線まっしぐらだ(笑)。
2、新型オービスはタテマエ的には、日本のオービスの老舗である東京航空計器(以下TKK)と、スエーデンが本社のSensys Gatso Group(以下センシス)の2社が競合する形になっている。だが、警察庁の“主流派”はあからさまにTKK推しであることが見て取れる。
3、そんな中、埼玉県北本市の国道17号線に設置されたセンシス社の固定式(SWSS。Speed Warning Safety System)により105キロ(45キロ超過)と測定され捕まった若者が否認。どうやら昨年8月、さいたま地裁で裁判が始まった。
※ 画像上はその固定式と同型で、岐阜県大垣市に設置されているもの。マニア氏の撮影による。センシスの固定式は現時点では埼玉と岐阜に各1台しかない。
4、センシスの新型オービスは固定式も可搬式も、いちおう測定はレーダー式だが、従来の日本のレーダー式と全く違う。おそるべき高性能だ。その分従来の立証より手間がかかるうえ、何より今後の他の裁判のリーディングケースになる本邦初の超重要裁判ゆえ、検察官は完璧2万%の有罪を勝ち取ろうと頑張っている。
どうせ罰金7万円か8万円のたかが速度違反事件なのに、なんと途中から合議(裁判官3人)になった。
この裁判を見逃してたまるものか! 最優先で傍聴だ! と私はさいたま地裁へ通っているわけ。通常の取材では知り得ないことがぼろぼろ出てきてもう大変っ!
メルマガ第2228号「センシス社の新型オービス、本邦初の検察側証人尋問に大興奮!」、第2229号「センシスの新型オービス、それって軍事技術じゃないのっ?」、第2252号「センシス社の新型オービス、意外なことがいっぱい分かった!」などでレポートしてきた。
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以上でとりあえず説明を終え、6月21日に行なわれた証人尋問(証人はミニスカートの素敵な女性!)のレポートを第2271号に書きます。
追記: 2271号のタイトルは「センシスの新型オービス裁判、証人はミニスカートの女性で!」。その後、第2299号「新型オービスのセンシス、世界シェアは2位か3位って! 」、第2230号「センシスの新型オービス、世界を股にかける装置の信頼性」、第2316号「新型オービス、出版社がネットに写真を載せ刑訴法違反!」でレポートした。第2307号の編集後記では検察庁の“陰謀”について仮説を披露した。私はもう新型オービスに夢中であるっ。
←6月23日20 時20分現在、週間INが100で3位~。
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