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2022年8月10日 (水)

文鮮明は16歳のとき天啓を受けた

2207112_20220810080501  『インサイド・ザ・リーグ 世界をおおうテロ・ネットワーク』(社会思想社刊。ジョン・リー・アンダーソン、スコット・アンダーソン著。山川暁夫監修。近藤和子訳)。
 初版1刷は1987年12月30日発行。私の手元にあるのは初版4刷、1988年2月28日発行、2000円だ。
 当時としてはけっこう高い本なのに、2カ月間で4刷とはね。

 もうなかなか手に入らないだろうこの本に、何が書かれているか。日本と統一教会(協会)に関係する部分、の一部を拾ってみよう。

 2 サムライと聖職者
    私は世界でもっとも富めるファシストだ。
      笹川良一(『やさしい顔のファシズム』アレックス・
      デュプロ/デービット・E・カプラン、一九八三年)

 と始まる章に、以下のような部分がある。「児玉」とは児玉誉士夫氏だ。

 ともあれ笹川と児玉は、自民党の主だった支持者になっただけでなく、その他の分野にも広い影響力を及ぼしていった。笹川は日本船舶振興会をつくることで、その個人財産を再び確立し、全国愛国者団体会議(全愛会議)と呼ぶ組織を通じて、右翼の地下組織に関係を広げた。笹川も加わったその役員会には「何人かのヤクザ組織の会長と、三〇年代に総理暗殺を企み有罪判決を受けた、少なくとも三人の右翼テロリストがいた」とされている(前掲『やさしい顔のファシズム』)。笹川が競艇についての独占権を手に入れた法律を国会で制定することができた時の総理は、これもA級戦犯であり、笹川と巣鴨刑務所で同室にいた岸信介である。岸は、アジア人民反共連盟(APACL)の日本支部をつくるにあたっての主な推進者であり、六〇年代を通じて世界反共連盟に深くかかわり、七〇年代にはその推進委員会の委員長にさえなっている。

 一方児玉の方は、日本の地下帝国の最高指導者の一人になり、対立し合うヤクザ組織の間の出入りを調停したり、日本の企業から企業防衛を名目に金を手に入れることで、その財産を増やしていった。また自分自身の右翼組織として「児玉クラブ」の名をもつ青思会(青年思想研究会)をつくったが、それは地下帝国のほとんどを網羅したものだった。

 笹川や児玉がもっていたこうした背景は、けっして根も葉もないものとはいえなかったが、それに比して、サン・ミョン・ムーン、つまり文鮮明の出自は、まことに風変わりなものであった。今は北朝鮮になっている地方の中農の息子として生まれた文鮮明は、一六歳のある日、村の周囲の丘を歩いている時、「汝はわが求め続けた子。わが歴史を永遠に引きつぐ子なり」というイエス・キリストの天啓を受けた時から、その劇的な人生を踏み出すことになったという。文鮮明ははっきりと、天からのこの啓示を心にとめ、今やその率いる統一教会は、宗教・政治・経済の戦線にあきれるほど張り巡らせた回路を通じて、「天なる父」の言葉と影響を五大陸にまたがって拡げている。

 統一原理は、キリスト教、儒教、神秘主義、愛国主義、反共主義並びに文鮮明自身の誇大妄想をごった煮にしたものである。文鮮明のみるところではキリスト教の教理は、そのやり方の面で誤ったところに落ちこんでいる。というのも、キリスト教は確かに精神の王国を築きはしたが、目にみえるすなわち政治的な王国をつくらなかったからである。そこで文は、その足らざる所をつくり直そうとして、自分をイエスの本来の使命を遂行する人物として聖別したのである。

 この先、かなり興味深い。が、今日はここまで。
 第二次世界大戦が終わり、1950年に朝鮮半島で戦争が起こり、東西の対立が深刻に始まった、あの時代があってこその統一教会(協会)なのだ。

 ←8月10日8時00分現在、週間INが503位。

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