薬物乱用者が抜けられなくて得するのは誰?
9月10日、「条件反射制御法学会第11回学術集会」がある。ZoomによるONLINE開催だ。
テーマは「薬物乱用に対応する者の役割と連携」。
私の理解をものすごく単純化するなら…。
犬に餌を与えようとすると犬はよだれを垂らす。
餌を与える前にベルを鳴らすことを続けると、犬はベルに反応してよだれを垂らす。条件反射である。
薬物の使用は、脳に強い幸福刺激とでもいうものを与える。
薬物使用を続けると(そう長く続けなくても。場合によっては1度でも)、ストレスに反応して薬物を欲しがる。脳がよだれを垂らす。
脳に条件反射の回路が出来上がってしまうのである。ゆえに回路を断つ(絶つ)治療が必要…。
しかし日本の刑事司法は、そういうことは全く考えない。
単に本人の意思のせいだとし、刑をだんだんと重くする。量刑相場の階段をのぼらせる。
何度も階段をのぼっても、「徹底した矯正教育を施す矯正施設」と公判立会検察官がいつも自慢する刑務所で何年暮らしても、条件反射の回路には影響なし。
とはいえ何事にも良い面はあるものだ。
薬物の密売組織、末端の売人は、おかげで助かっているだろう。お客がリピーターであり続けるのだから。
国としても「自分たちは手を尽くしている。悪いのは乱用者だ」と言い、安穏としていられる。
そんなこと踏まえての学術集会、かな。
薬物乱用に対応するお仕事に就いている方は是非、と私は思う。
申込みの締切りは9月5日(月)だそうだ。
ちなみに、「徹底した矯正教育を施す矯正施設」、これは刑務所の枕詞(まくらことば)に似たもので、特に意味はないのですねと、長く裁判を傍聴していると分かってくる。
批判するばかりじゃなく、良い面も見つけてあげる、思いやってあげる、そういうことが大事だね、という境地に私はたどり着きつつある。
メルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代(いちだい)」が面白くないはずがない。よし、うまく宣伝できたぞ(笑)。
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