公開捜査が受け子、出し子を安心させる?
警視庁のWebサイトに「特殊詐欺被疑者一斉公開捜査」というのがある。
すべて受け子か出し子と思われる。
画像をクリックして出てくるページには、たとえばこんなことが書かれている。
被疑者は、氏名不詳者らと共謀の上、令和4年1月18日、区役所職員等になりすまして、東京都大田区に居住する被害者(女性、当時70歳代)に電話をかけ、医療費の還付金を受けることができる旨のうそを言い、ATMを操作させて被疑者らの管理する銀行の預金口座に約50万円を送金させ、被疑者が新宿区内のコンビニエンスストアにおいて、ATMから現金40万円を引き出して窃取した。
これを読めば普通、こう思うでしょ。
「この被疑者が電話をかけ、還付金がどうとか嘘を言って騙し、送金させ、ATMから40万円を引き出したのかあ。悪いやっちゃなあ」
闇バイトを始めたような人は、こう思うんじゃないか。
「じゃあ、俺は大丈夫だ。俺はそんな電話とかしないもん。誰かの代理でコンビニATMを使うだけだもん」
とぉころがっ!
という話を以前、「オレオレ詐欺の“受け子”調達は…ニュース報道が支えている?」として書いた。
今回の警視庁のWebサイトも、特殊詐欺の受け子調達に結果として便宜をはかることになっている、と私は思う。
「氏名不詳者らと共謀の上」とある。そう、捕まるのは、手配されるのは、いつも、末端の使い捨ての受け子、出し子、または受け出し子(以下、受け子等)だけ。
詐取金のほとんどを手にする上位者は、いつも「氏名不詳者ら」なのである。
特殊詐欺グループは、お年寄りだけを食うんじゃない。闇バイトに引き寄せられる受け子等をも食って莫大な富を得るのだ。
闇バイトに連絡をとった瞬間、刑務所行きが決まる、それが現実だ。
なーんて私がどんなに言っても、闇バイトをスマホで探すような人には、たぶん届かない。
特殊詐欺グループの上位者の周辺には届いて、ネットのあちこちで匿名での誹謗中傷を受ける、その可能性のほうがずっと高かったら困る…。
※ たかが受け子等でも、特殊詐欺以外の犯罪でも、逮捕して送検する警察官諸氏は大変な苦労だなと、裁判傍聴からは強く感じられる。そこはしっかり言っておきたい。
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