東京地裁、庁名板3事件
司法の歴史に燦然(さんぜん)と輝く、かどうか分からないが、東京地裁庁名板(ちょうめいばん)3事件である。
来庁者が最も多く出入する正門の、向かってちょい左側、ここが裁判所であることを威風堂々示す、あの庁名板に、3度の受難があった。
1、赤い墨汁、朱墨がかけられた――軽犯罪法違反
2、「バカ」「シネ」「クソ」などの引っかき文字が刻まれた――器物損壊
3、裁判所は庁名板を白いシートで覆い、何の庁舎か分からなくなった。シートの上に「ここは裁判所です」などの貼り紙がされた――軽犯罪法違反
3月10日(金)13時30分、東京簡裁の728号法廷で、上記1番の被告人が今度は衆議院の第1議員会館のガラスに墨汁をかけた、という「軽犯罪法違反」の判決言渡しがあった。
この被告人は、その罪で東京簡裁の法廷へ出てくるのは4回目だ。私は全事件を傍聴し、メルマガでレポートし続けた。
軽犯の最高刑は拘留。今回は拘留刑の上限である拘留29日、未決10日算入とされた。
続いて14時、東京簡裁の826号法廷で、上記3番の「軽犯罪法違反」の審理の期日があった。
第1回は昨年9月28日だった。第2回はなんと今年2月8日!
この長すぎる空白、沈黙はナニ?
そもそも、たかが引っかき傷を理由にだろう、裁判所が庁名板そのものを隠してしまったので、被告人は親切にも「ここは裁判所です」と案内の「はり札」(軽犯罪法1条第33号)をしたにすぎないうえ、どうも公訴事実に誤りがあったらしい。
弁護人としては、無罪のチャンスがある事件、とちらり思ったかも…。
求刑は過料9千円×2。次回判決。
東京地裁庁名板3事件のうち2事件の期日が(1件は“がらみ”とはいえ)同じ日にあるって、すごいでしょ! べつに? あそ。ふん。
上記2番の「器物損壊」も、別の日に私はたまたま遭遇、傍聴している。
判決言渡しは昨年11月17日。罰金20万円。
被告人は美容整形の医師。脂肪吸引の手術に関する民事訴訟で負け、腹いせにマイナスドライバーで引っかき傷をつけた、という裁判所の認定だった。
燦然と輝くといえば、アンジェイ・ワイダ監督の抵抗三部作のひとつ、『灰とダイヤモンド』である。
祖国のために侵略の帝国と戦い、死んでいった若者たち、彼らの死骸の灰の、その灰の底深くにこそ燦然と輝くのだ、ダイヤモンドが、そういう趣旨の映画と私は理解した。
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