江口大和弁護士を被告人とする「犯人隠避教唆」
毎日新聞がこう報じた。
取り調べ映像、異例の提出 地裁勧告、被告の民事裁判で
2023年4月5日 17時46分 (共同通信)
横浜地検の独自捜査により犯人隠避教唆の疑いで逮捕、起訴された弁護士江口大和被告(37)が、担当検事から「ガキ」と侮辱されるなど違法な取り調べがあったとして国に1100万円の損害賠償を求めて訴訟を起こし、取り調べの録音・録画データの一部が今年2月に証拠として東京地裁に提出されたことが5日、分かった。地裁が国に勧告していた。代理人の宮村啓太弁護士が取材に明らかにした。
宮村弁護士は、検察の独自捜査の録音・録画が民事裁判で証拠として扱われるのは異例だとし、映像を公開の法廷で流すよう求めている。
江口被告は昨年3月に提訴した。訴状によると、2018年10月15日に逮捕された。
「横浜地検の独自捜査により」ってなんか違和感あり。記者氏は何を意図したんだろう。
それはともかく「犯人隠避教唆」、何の犯人を隠避した(隠れ家を提供する以外の方法で処罰から逃れさせようとした)のか。
じつは私、こんな事件とは知らず偶然に、横浜地裁で、この事件に関連する別の被告人2人の「道路交通法違反(無免許者への車両提供罪)、犯人隠避、犯人隠避教唆」の判決言渡しを傍聴した。
閉廷後、大変なことがあった! メルマガ第2212号「よくある道交法違反、犯人隠避等の裏に、まさかのとんでも事件が!」でレポートした。メルマガは昨年11月末で終了しておりもう読めない。以下同。
その後、マニア諸氏から期日を教わったりして、江口大和弁護士を被告人とする「犯人隠避教唆」の、横浜地裁の期日を何回か傍聴した。
無免許者への車両提供罪、を隠すうそを、江口大和弁護士がつかせた、要するにそういう公訴事実だ。
判決も傍聴してメルマガ第2375号「江口大和弁護士の犯人隠避教唆、普通に考えて無罪では?」でレポートした。
中身的には江口弁護士は無罪と思えたが、やっぱりねえ、別の被告人2人を「江口が悪い」説を前提に有罪にしちゃったもんだから、引き返せなかったんだろうか、判決は有罪だった。
懲役2年、未決180日算入、執行猶予5年。
上掲報道に2018年10月15日逮捕とある。そこから丸々半年プラス何カ月か、勾留されたんだねえ!
江口さんは控訴した。二審・東京高裁の期日を私は傍聴した、またもマニア諸氏から期日を教わり(ほんとお世話になってます)。
その控訴審判決をメルマガ第2675号「江口大和弁護士の「犯人隠避教唆」、有罪の可能性を徹底的に探し…」でレポートした。
当ブログでは「「考えられないとまでは必ずしも言えない」で有罪」で少し書いた。
江口さんを有罪に仕立て上げるレトリックに震撼した。こうだ。
裁判長 「しかし…だからといって…あり得ないとは必ずしも言えない」
裁判長 「およそあり得ない事態とは言えない」
裁判長 「現実的に考えられないとまでは必ずしも言えない」
んなこと言われたら誰でも何でも有罪になってまうわ。
それでだ、上掲報道の民事の裁判、次回期日は4月27日(木)13時30分、421号法廷と指定された。
取調べの録音・録画を、有罪にするため以外に用いることは、ぶっちゃけ目的外使用といえる。いったいどうなるのか、注目だ!
ちなみに上掲報道は「江口被告」としている。
民事裁判は原告vs被告だ。江口さんは原告なのに、なぜ「被告」?
それはね、刑事裁判は検察官vs被告人なんだけども、被告人を「被告」と報じる、それがメディアのルールだ。
江口さんは刑事の手続きでは被告人、民事では原告のところ、「弁護士=犯罪者」にインパクトがあるため、かつ、一般世間の人たちは原告だの被告人だの意味不明と見て、原告を「被告」と報じた、そういうことなのだろうと私は想像する。
※2023年10月15日追記: Web記事「無免許死亡事故、そこに隠されたまさかの冤罪!」として書きました。
あからさまな冤罪といえば、メディアは「仙台筋弛緩剤殺人事件」と呼ぶ「北陵クリニック事件」である。
守大助さんは無期懲役の牢獄に今もいる。
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