ルフィ事件の勾留理由開示
6月2日(金)13時30分、東京高裁の506号法廷(傍聴席42席)で「殺人未遂」の控訴審判決があった。
一審は懲役10年。ところがそのあと、共犯者らの裁判が意外な展開になり…。
なので本件はどうなるのか、傍聴したい!
他にも傍聴したいのがあり、私は10時30分頃に裁判所(東京高地簡裁合同庁舎)へ。
例によって1階のタブレット開廷表をいろいろメモ、昼休みにスマホ検索した。
同じ13時30分から、東京地裁の401号法廷(傍聴席20席)で「窃盗」の「勾留理由開示」があった。
被疑者は女性名だ。万引き病か? なら私の守備範囲だ。どうしよう。
念のため被疑者氏名でネット検索。なんと、ほら、あの“ルフィ事件”がらみで最近逮捕された女性がヒットした。
こっ、これは傍聴しなければ!
傍聴、した。
傍聴人は15人ほどか。警察官と思しき男たちが多かった。
私は勾留理由開示の裁判もだいぶ傍聴してきた。
以下は刑事訴訟法。第60条、第3項まであるうち第1項まで。
第六十条 裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。
一 被告人が定まつた住居を有しないとき。
二 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
三 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
これを、もう少し長く、しかし漠然と述べるのが勾留理由開示であると、傍聴席からはハッキリわかる。
なんだそれ、そんな漠然としたことが勾留の理由になるなら、誰だって勾留できるじゃん。
ははあ、捜査側が勾留したいのでする、裁判所は追認する、少なくとも本件勾留はそういうことなんだな、とハッキリわかる。
裁判所に対する信頼をひっくり返すことを、公開の法廷でやる、日本、勇気あるね。
いやいや、これが報道されることはないし、「悪い奴は閉じ込めて出すな」が国民感情ってもんだろうから、ま、いいのかな。
なーんて私は常々思っていたわけだが、今回は違った!
弁護人(2人いるうち中堅男性のほう。ノーマスク)が、勾留理由開示のインチキ性を、よくとおる大きな声で、どっかん責め(攻め)たてたのだ。
36分間もかかった。私の傍聴メモ(B5サイズ)は6ページちょいにわたった。
こんなこと初めてだ。1ページ足らずで終わることもあるんだよ。
でも今日はここまで。どう責め(攻め)たて、裁判官はどう応じたか、それに対し弁護人は…といったことはまたの機会に。
ちょと事情があって、いま目茶苦茶忙しいのだ。申し訳ない。
ちなみに本件被疑者は2019年11月に誘われてフィリピンへ旅行に。12月には帰る予定だった。
ところが特殊詐欺のグループに捕まり、パスポートを奪われる等し、、、なのだそうだ。
特殊詐欺は、高齢者だけじゃなく若者たち(ときに年配者)をも食いものにして栄える。
高齢者と、使い捨ての末端者、両方がなければ特殊詐欺は成立しない。
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