トー横キッズ、人体破壊!
7月13日(木)、たとえば高知新聞が「トー横暴行死、懲役12年 26歳男「責任最も重い」」と報じた。
その「傷害致死」(裁判員裁判)の判決、東京地裁、813号法廷、傍聴した。
開廷表では、15時~17時、の期日となっていた。裁判員裁判ではよくある。
判決言渡しに2時間も要するなんてあり得ない。15時を過ぎても評議は紛糾、主文が決まらない、なんてことが予想されたんだろうか。
私は14時33分頃に法廷前へ行った。
すでに行列ができており、私は9番目。先に並んでいた8人のうち7人がご婦人だった。お~。
それからどんどん傍聴希望者が集まってきた。
813号法廷の傍聴席は52席。司法記者クラブや関係者などに何席が取り置きされるか、とにかく席自体は52席だ。
どんどん集まってきた。14時51分頃には60人を超えた。立ち見は許されない。
席数を超えてもなぜ並ぶか、さまざま理由はおありだろうけど、結局は席数を知らない人が多いんじゃないか。
20席の法廷前に40人、50人が行列をつくることも珍しくない、東京地裁のあるあるだ。
裁判員6人は、向かって左(1番さん)から順に、私の一瞥(いちべつ)印象によれば、40代男、40代女、40代女、20代男、20代女、10代女…。
4~6番さんがノーマスクだ。島戸純裁判長と赤瀬柚紀左陪席もノーマスク。
検察官は、中年男性のほうがノーマスク。弁護人は2人ともノーマスク。
被告人は身柄(拘置所)。やけに腹が出ている。左手の第1指と第2指の間にタトゥーが見える。
裁判長 「主文。被告人を懲役12年に処する。未決勾留日数中400日をその刑に算入する」
上掲報道では「頭や腹を多数回、蹴るなどし、外傷性ショックで死亡させた」とされている。
外傷性ショック、そんなことで人はぽっくり死んじゃうんだろうかと感じてしまう。
裁判長が、事実認定を述べ始めた。
裁判長 「被告人は…らと共謀のうえ…(被害者に対し)こもごも、頭部、胸部、腹部、背部を多数回蹴るなどの暴行…さらに…こもごも…蹴りつけるなど…よって多発性頭蓋内損傷…全身…皮下出血…組織挫滅…両側血気胸…前後肋骨、多発骨折……外傷性ショックにより死亡させた…」
全身の皮下だけでなく筋肉内にも出血しており、肋骨は30カ所以上が折れていたという。
最初のうちは被害者を正座させ、取り囲み、謝罪の言葉を述べ無抵抗な被害者に対し、7時間近くにわたり、それをやったんだという。
よってたかってなぶり殺した、というよりは、というよりは? 特段の道具を用いることなく人体を破壊した、のほうがふさわしいのではないか。
共犯者6人は、1人を除いて少年(少年法により20歳未満)だという。
もう人間じゃない、動物、ドーブツ…。
こんなのがなぜ「殺人」でないのか。
被告人がいくら殺意を否認しても、たとえば鋭利頑丈な刃物で身体の枢要部を深々と複数回突き刺せば、その行為自体から殺意が認定される。
本件は、1発1発の打撃は致命傷から遠い、ゆえに殺意が認定されなかった?
だとすれば理不尽じゃないかと私は思う。
裁判長 「不合理な弁解に終始し…賠償はおろか謝罪すらしていない…最終前科の執行猶予中…」
最終前科は無免許での人身事故等かと。
本件の未決算入は400日だが、執行猶予が取り消されることにより、400日の算入分は軽くふっとぶだろう。
本件の求刑は懲役12年だという。求刑12年で判決12年。
普通、判決は求刑より少し下げる。前刑の執行猶予の取消しが見込まれる場合は、もっと下げる。
なのに求刑どおりってことは、求刑が安すぎた、と普通には解される。
言渡しは15時18分に終わった。
ぎっしり満席の傍聴人たちは、起立したまま動かない。再び手錠腰縄を付けられて去る被告人を、最後まで見ようとてか。
私はすぐに出て、向かいの812号法廷、東京高裁民事の法廷へ。
15時30分から「選挙無効請求事件」。事件番号は「令和5年(行ケ)第14号」。だからつまり、高裁を一審とする行政事件なのだ。
傍聴席はけっこう埋まった。ほとんどノーマスクだ。
選挙自体が無効と主張するのか、特定の当選が無効と主張するのか、原告のほうで固まっていない、かに聞こえるやり取りがあった。
「アルフィア」「アリフィア」「アルフィーヤ」といった語がでてきた。
帰宅後、ネット検索してみた。
「自民党アルフィヤ氏 開票結果の無効を求める裁判」というのがヒットした。ずばりこれだ! 右はそのスクリーンショット。
選挙開票の立会人をやったことが私はある。
候補者の氏名をストレートに書いてない票をどう扱うか、そのとき教わった。
今思うに、自民に投票する人は一般に政策とかどうでもいいわけで、候補者の氏名も正しく記銘、想起できなくて仕方ない。
正しくは「アルフィヤ」のところ「アルフィア」でも「アリフィア」でも「アルフィーヤ」でもいいんじゃないですかね。
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