自分自身を特定の民族や国の一部であるとみなし
日経新聞の夕刊の、日替わりエッセイというのか、9月6日の書き手はロシア文学者の奈倉有里さん、タイトルは「非戦、トルストイ」。こんな部分がある。「杜翁」には「とおう」とルビが。
トルストイが最晩年(1910年)に書いたが当時は検閲で出版できず、死後1917年の革命に紛れてようやく出版された「国家の迷信」には、杜翁の円熟した思想が率直な言葉で綴られている。
冒頭はこうだ――「国家にかんする誤った教えは、自分自身を特定の民族や国の一部であるとみなし、他の民族や国の人々とは別の存在であると認識することにある。この恐ろしい誤った教えのせいで、人は互いを拷問し、殺し、奪い合い、ついには自分自身をも破滅させる。人は、すべての人に共通する人生の精神的な原理を自分自身の中に認識したときにのみ、そこから解放される」
なるほど。とはいえしかし、ま、私の現在の立ち位置からの、漠然とした私見だが…。
「すべての人に共通する人生の精神的な原理」って何さ。
わかるような気もするけどよくわかんない。
一方、なんというか、特に、孤独な人、自分に自信を持てない(けど激しく持ちたい)人は、
神に連なる誇り高き民族
偉大な祖国
そういうのと自分を一体化して、他民族や他国を攻撃する、たしなめる自国民を徹底攻撃する、そうしたところにどうしてもすがり、生き甲斐、達成感、自己顕示をがっちり得てしまう、のではないか。
私は丹波哲郎さんを思い出す。
丹波さんは、「明るく、素直に、あたたかく」、この3つがいちばん大事と言っていた(私の理解によれば)。
そういう心でいると、悪い霊は去り、良い守護霊が見守ってくれるんだそうだ。
霊がどうこうはともかく、言わんとすることは真実だろうと私は感じる。
あと、この時期、雲が素晴らしい! 見上げて飽きることがない。
海に、また山々に、夕陽が沈んでいくのを、雲の色が絶妙に変わっていくのを、露天風呂から眺め、暗くなったら酒(米の醸造酒)を飲む、生きてるうちにまた味わいたい。えと、何の話だっけ(笑)。
そうそう、先日古書店でトルストイ氏の『イワン・イリイチの死』を見つけ、買った。200円。
瀬木比呂志さんの著書に何度か出てきて、へえ、読んでみたいと思っていたのだ。
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