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2023年10月の15件の記事

2023年10月30日 (月)

検察官席と弁護人席の言い伝え

Screenshot-20231030-at-085745-28-tbs-new  「「正嗣(まさし)、愛してる」最愛の息子に刺されながら、父親は最期に伝えた…父親を刺殺した28歳の男が抱える生きづらさの背景」と10月28日付けTBS NEWS DIG。元は北海道放送のニュースかと思われる。

 

 6分割の5番目にある2つの写真。右はそのスクリーンショットだ。

 上のほうの写真に「検察は自首は成立しないと反論」とある。
 下のほうの写真に「弁護側は障害が犯行に関与したとして情状酌量を求めた」とある。

 上下とも、写る人物は若者だ。下のほうの写真の1人は、私が言うところの「眉隠しヘア」だ。
 眉隠しヘアはときどきいる。目隠しヘアもたまにいる、法廷の、バー(傍聴席の前の柵)の向こう側に、だ。
 前髪に隠れておどおど生きるのか君は、と思う私に前髪はない。 ←もっといろいろないだろ(笑)

 

Screenshot-20231030-at-085811-28-tbs-new  そんな話じゃなくてぇ、写真とキャプション、逆になっている。

 上の写真の、木製の長机の前に、黒いベンチがある。
 通常(※)、そのベンチには被告人が、被告人が身柄の場合は同行の官(刑務官または警察官)も座る。 ※裁判員裁判では、被告人は弁護人の隣に、官はそのやや斜め後ろに座る。

 

 下の写真、黒いベンチはなく、木製の長机の上に、有斐閣の六法全書が立て置きされている。
 ああいうふうに置くのは、通常は検察官だ。
 教科書を学校に置いて帰宅するのを「置き勉」というらしい。私が知る限り検察官の六法全書は「置き六」だ。

 

 北海道放送またはTBSは、なぜ間違ったのか。
 傍聴席側から見て左側が検察官、右側が弁護人、という“言い伝え”を信じていたから、かも。

 リアル裁判所では、右左、左右、どちらの法廷もある。地裁も、高裁も、簡裁もだ。
 ただし民事では、傍聴席から見て原告が左側、「被告」(※)が右側。これは動かないようだ。 ※刑事は【検察官vs被告人】、民事は【原告vs被告】。メディアでは被告人を「被告」と報じる決まりだ。

 そういえばだいぶ前、『ビッグコミック・スピリッツ』で、私が原作者のオービス裁判コミック『交通被告人、前へ!』の連載があった頃、「検察官と弁護人の席が逆だ。嘘を書くな!」旨の、怒りのお便りがあった。
 “言い伝え”は、けっこう強固に広まっているらしい。

 

 もっといえば、「殺人」は裁判員裁判対象事件だ。
 今回のニュースからは、裁判員の存在は全く感じられない。法壇に空席がいくつかあることを除いて。

 おっと、こう書くと「法壇に椅子が9つあることで裁判員裁判と分かるだろ、バカめ!」なんてお怒りのコメントが寄せられるかもしれない。
 先に言っておく、9つの法廷は裁判員裁判専用ではない。裁判官3人の裁判でも、1人の裁判でも、9つの法廷は使われる。

 

 ちなみに、身柄の被告人は、手錠&腰縄で拘束され、縄尻を同行の官に持たれて入廷する。
 裁判官が開廷を宣すると、官がカチャカチャと手錠を外し、腰縄を解く。腰縄は、被告人が逃走できないよう、緩まないよう、それなりに厳重にかけられており、外すのに手間取る官もいる。
 執行猶予判決だった場合などを除き、閉廷後、官は被告人にカチャカチャと手錠をかけ、腰縄をかけ、退廷する。

 だがそのシーンを、裁判員が見ることは決してない。
 裁判員のほとんどは、裁判所へ来たこともない全くの素人さんだろうことを踏まえ、リアル手錠を見て「ひーっ」とならないよう配慮しているらしい。
 逮捕から半年も、場合によっちゃ2年ほども、拘置所に勾留され続けている、という事実をなるべく認識させないように、との意図もあるのかも。

 裁判員裁判を傍聴する方は、「裁判員は手錠・腰縄を見ない? ほんとか?」と、そんなとこにも注意しては如何でしょう。

 ←10月30日11時50分現在、週間INが100で2位。 今月、完全に1日おきで更新した。2006年2月にこのブログをスタートさせから初めてかと。アクセスカウンタは現在342万5045。

2023年10月28日 (土)

あの裁判の原告(遺族)全員の実名が晒された!

 「匿名の実名晒し魔、復活!」と9月7日、当ブログに書いた。
 その後、晒し(さらし)魔は着実に執拗に、実名晒しを続けている。

 

 東京高地簡裁の刑事の開廷は、日によってバラつきが大きいけども、だいたい簡裁が10件前後、地裁が50件前後、高裁が20件前後といえるだろうか。

 合計80件前後、月~金の5日間で400件前後。1年を50週と考えれば、2000件前後。
 1人の開廷が何度もあったり、控訴して高裁にも氏名が出たり、そゆこともあるんで、じゃあ、とりあえずこうしようか、1年間で1000人ほどの実名(戸籍名)が、罪名ととも晒されることになる、と。
 それだってもう大変なことだ。

 

「おっ、13時30分から『不同意性交等』の新件、14時30分から若そうな女性被告人の『覚醒剤取締法違反』の新件がある。今日はこの2本立てを傍聴しよう」

 などと傍聴人が役立てることはできない。
 晒し魔は、昼間はせっせと開廷表を書き写しているようで、晒し行為は当日のだいたい夕方以降になるからだ。

 

 じゃあ、この大量で執拗な晒し行為は、何の役に立つのか。そのことである。
 晒し魔当人の内心、心理機制の機微は別として…。

 晒し投稿がいちばん役に立つ場面といえば、たとえば、こういうシーンだろう。

「仕事で名刺を交換した。相手の氏名は珍しめだ。これまでどんなことをしてきたのか、ネット検索。ぎょっ、こいつ、違法薬物で捕まってたんだ!」

 

 前にも書いたが、犯罪の実名報道はごくごく一部だ。
 たとえば「大麻取締法違反」「覚醒剤取締法違反」「道路交通法違反」なんか、被告人が有名芸能人だとかよっぽどのことがなければ実名報道はない。

 ところが、いわば“埋もれた犯罪”を、その被告人氏名(戸籍名)を、晒し魔は晒しまくるのだ。

 

 先日、私は裁判所内で、「大麻取締法違反」の被告人氏名でスマホ検索してみた。珍しめの氏名だ。
 日本大学のあるスポーツ部の学生、らしきヒットがあった。
 うっわ、大変だ。頑張って傍聴した。

 被告人は若い。ビンゴか!
 いや、違った。Screenshot-20231028-at-103045-14000-tbs- 経歴とかぜんぜん違う、同姓同名、ほぼ同年齢の、別人だった。そんなこともあるんだねえ。

 その氏名も、晒し魔により晒されている。

 この先たぶん永遠に、日大のその学生君の氏名をネット検索した人は「ぎょっ、こいつ…!」となり続けるだろう。
 学生君はこの先、就職の内定がなぜか取り消されたり、結婚直前に破談になったり、友だちが去っていったりするかも。

 

 晒し魔は、以前は民事の裁判の一部、離婚など家事裁判の全部かどうかかなりの件数について、当事者氏名を晒していた。
 新しい掲示板へ移り、刑事裁判だけにした、かと思ったら最近、民事・家事のほうも少し晒し始めた。

 

 「【速報】池袋暴走事故の民事訴訟で運転手の飯塚受刑者に約1億4000万円の賠償命じる 事故遺族が提訴」と10月27日付けTBS NEWS DIG。
 このニュースでは「妻と3歳の娘を亡くした松永拓也さんらが…」となっている。「松永拓也さんほか8名が」というふうな報道もある。
 その「ら」の部分、8名のフルネームを、晒し魔は晒した。
 今後、そちらへ侮辱等攻撃の矛先が向くことは、十分に考えられる。

 

 ちなみに、松永拓也氏をツイッターで侮辱、その捜査中に秋葉原と新宿で大量殺人をやると予告投稿した「侮辱、威力業務妨害」の判決を私は傍聴した。
 懲役1年、拘留29日、懲役刑につき執行猶予5年、だった。

 

 1年に1000人…なかには自殺する人もいるだろう。
 恐喝におよぶ者も出てくるだろう。
 裁判所は、最高裁はどう考えているのか、そのへんは現在発売中の車雑誌『ドライバー』に書いた。

 匿名者による実名晒しは、これからも続きそうだ、執拗に…。 

 ←10月28日12時20分現在、週間INが100で2位。

2023年10月26日 (木)

裁判官の期日破りについて

23102349c  東京簡裁、地裁、高裁の刑事裁判は、定刻2、3分前に「お揃いのようなので」と始めることが、厳密にいえば期日破りが、以前はよくあった。普通にあった。

 検察官、弁護人、被告人がそろえば5分前でも始める、それが常習の裁判官もいた。
 公判期日は、何月何日何時何分からと指定する。
 なのに裁判官は、何時何分の部分を守らないのである。

 

 指定時刻の3分前に判決の言渡しが終わり、身柄の被告人は刑務官とともに奥のドアから退廷。弁護人も退廷。
 指定時刻の2分前に、被告人の老母が傍聴に来て、、、ということもあった。
 ひっでえな! と私は思った。

 東京簡裁、地裁、高裁に、または最高裁に、苦情を私は言ったんだっけ、忘れた。言ってないかも。
 いや、言ったような気もする、裁判の「公開」的に問題だと。
 以下は日本国憲法第36条の、第3項まであるうちの第1項のみだ。

第三十七条 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。

 

 ある地裁で、身柄の被告人に同行してきた警察官3人、のうち1人が傍聴席に座り、傍聴席のドアを内側から施錠してしまったケースがある。
 そのせいで傍聴できなかった者はおらず、裁判官は検察官、弁護人双方の同意を得て、審理をやり直すことなく判決まで終えた。
 だが、あとで問題になったらしい。検察控訴で、東京高裁へ出てきた。
 公開の裁判とはいえないからと、原判決破棄、もとの地裁へ差戻しとなった! どうです、私はすんごいのを傍聴してるでしょ。鼻高々(笑)。

 

 そうして最近、あれれ? ということが起こっている。

 最近、裁判官は指定時刻ちょうどに登壇するか、数分前に登壇して指定時刻を待つか、ほとんど、どっちかなのだ。

裁判官 「ちょっと早いですが、お揃いですので、よろしいでしょうか」

 とやる裁判官もいるが、私が目撃した限り、それは数十秒前だ。2分、3分前ってことは皆無だ。

 いったいどうしたんだろう。
 私が苦情を言っていたとしても、それは忘れるぐらい前のことだ。私の苦情が効いたとは思えない。

 どなたかが、ガツンと苦情を言ったか。もしも裁判所による“自浄”なら、すごいですぞ!
 ちなみに以下は刑事訴訟法だ。

第二百七十七条 裁判所がその権限を濫用して公判期日を変更したときは、訴訟関係人は、最高裁判所の規則又は訓令の定めるところにより、司法行政監督上の措置を求めることができる。

 

 そんなこともありつつ、私はいつまで裁判所へ通い続けるのだろう。

※ 画像は、東京地方裁判所中目黒庁舎(ビジネス・コート)へ行ったとき撮影。中目黒駅に近い喫煙所。狭い中にけっこう人がいるようだった。
 他人の煙草の煙がもうもうの狭い部屋、ああいうのは「喫煙所・副流煙吸引所」とすべきでしょ。
 煙草の害は言われるのに、狭い喫煙所に滞在することの害はスルー。おかしな話だと私は思う。

 ←10月26日5時40分現在、週間INが100で2位。

2023年10月24日 (火)

知財高裁へ初めて行った件!

 東京地裁の八王子支部が、立川市へ引っ越して立川支部となったのは、いつだっけ。
 私が初めて立川支部へ行ったのは、だいぶ何年も経ってから、2016年1月だった。

 確かあのとき、深野英一裁判官が「覚せい剤取締法違反」で、すげえ無罪をやってのけたのだ。

 

 東京都目黒区中目黒に、東京の知財高裁の新庁舎が誕生したのは、2022年10月らしい。
 2023年10月23日、私は初めてその知財高裁へ行った。

 

 東急東横線、中目黒駅(渋谷から急行で1駅)で降り、山手通り内回り側の歩道を南下、駒沢通りとの交差点を過ぎて、コンビニの角を左折…。

 東京の幹線道路のひとつ、山手通りのあの付近を、トラックでもオートバイでもなく徒歩で今井が通行すると、かつて誰も想像すらできなかったろう。
 人生の妙、である。

 

 知財高裁の法廷階は、東京地裁(本庁)に比べると、天井が低い。無駄に権威ぶらない設計、といえるか。
 とことんきれいで、ほぼ無人。本庁慣れしたマニアから見て、素晴らしい!

 法廷内は、黒とグレーと淡い木材色で統一されてるんだね。お見事だ。
 傍聴席の椅子の感じも良い。本庁に比べて席幅が若干広いように感じる。

 

23102310  この日、私の狙いは、原告:三宅勝久、被告:株式会社朝日新聞出版、「著作権侵害損害賠償請求事件」の第1回弁論期日だ。

 傍聴席は、4席×4列×3島=48席。
 法壇の両端と、右陪席の背後辺りと、合計3つの大きなテレビモニターがあった。

 

 今回の裁判は…。
 「大学教授の著書「著作権侵害」にあたらず「26か所の対比表」提出ジャーナリストの訴え棄却」と2022年2月25日付け弁護士JPニュース。
 この事件の控訴審かと思いきや、事件番号は「令和5年(ワ)第70559号」。ワは地裁の通常訴訟事件だ。どゆこと?

 

 「知財高裁」という語に私は騙されていた。この庁舎は、「ビジネスコート」といってビジネス系の通常訴訟事件もやるんだね。
 その証拠に、というか、「発信者情報開示請求」のワの事件が4件も入っていた。
 4件とも、個人vs通信会社ではなく、企業vs通信会社またはそれ系だった。

 

 三宅勝久さんの事件はどうだったか?
 この裁判長、捌き方が、良い感じで、あったま良さそ! と感じられた。
 私にはとてもマネできない。能力の差ってあるんだなあと。

 事件の中身については、どうも上掲弁護士JPニュースと同じ内容のように思われた。
 じつは私は、よくわからないまま、この機会に知財高裁へ、ほとんどそれだけで来たのだ。三宅さん、申し訳ないです~。

 

 それが終わって隣の法廷で、ワの「損害賠償請求事件」の尋問の期日を傍聴した。
 会社の金を使い込んでいた者が、同業の別会社を興し、もとの会社の幹部10数名を一斉に引き抜いた、という事件らしかった。

 

 1階の、広くて無人のフロアに、本庁とはまた異なるタイプのタブレット開廷表が何台もあった。
 この庁舎の裁判の事件番号は、5桁の頭の桁が7、らしい…。

 

 帰りは別の道を、できるだけ目黒川に沿う道を、歩いた。
 途中、何かのアイドルと思しき女性数人の、撮影が行われていた。
 アイドルオタクを集めての撮影会ではなく、仕事の撮影と思われた。

 

 知財高裁、あんだけスカスカなんだから、本庁の脱税事件をみんな持っていけばいいじゃん? と思う。
 すでにだいぶ移行してるのかどうか、申し訳ない、不知だ。 ※不知=民事裁判用語。

 特殊詐欺の専門部、なんてあってもいいと思う。

 

 中目黒駅から、横浜地裁へ行くか、東京地裁へ行くか、そんな考えを振り切って帰ることに私は成功した。
 ただ、乗換の渋谷で、生ビール、ハイボール、酎ハイ、160円という居酒屋に引っかかってしまった。真っ昼間から。
 結論としては、うーん、失敗だったかな。

 でも、失敗を重ねて我々は大人になるのだ、間違いない。

2023年10月22日 (日)

犯罪の陰に孤独あり

230427  ややこしい事情がちょとあって、紙の日本経済新聞の朝夕刊が毎日届く。
 もったいないので、というか最近は習慣になり、それなりに読んでいる。

 9月25日の夕刊1面、左下のコラム、書き手は「セコマ会長 丸谷智保」氏。「高齢化社会と削減価値」とのタイトルで、こんな部分があった。

 ひと月のうちで最も売り上げが高い日は、20年前はもちろん給料日の25日であった。2007年ごろから、年金支給日の15日(偶数月)が最も高くなり、13年ごろから、生活保護の支給日である1日が給料日を抜くようになった。現在は年金支給日(15日)、生活保護支給日(1日)、給料日(25日)の順となっている。

 購買データの変化は高齢化の進展を如実に示している。徐々に消費の中心的役割を担い始めた65歳以上の人口は今や29.1%を占め、大きな消費者層となりつつある。

 スーパーの保安員を15日、1日、25日の前には増員し、店内の監視カメラ(通称防犯カメラ、のモニター)に人を張り付かせるとか、すでに普通に行われてたりして、もしかして。

 

 昔は「犯罪の陰に女あり」なんて言われたけれども、近年は「犯罪の陰に孤独あり」だ、と傍聴マニアは感じる。

 1日中、テレビを見るしかすることがない、そんな被告人もいた。
 「もう酒やめます」「もうパチンコしません」と法廷で誓う被告人はよくいて、しかし、あなた酒(またはパチンコ)しか、生きる楽しみがないでしょ、やめられるはずがないでしょと、私はいつも感じる。

 孤独な年金生活者、孤独な生活保護受給者、その孤独に狙いを定めた商戦、というのはありなんじゃないか。


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 ←10月22日22時40分現在、週間INが402位。これ、猫のバナーをクリックした人が1週間に4人いた、ということかと。こんなRanking、時代遅れなのかもね~。でもまあ、猫が動くのは可愛いので。

2023年10月20日 (金)

「傍聴アイドル」が近々デビュー?

 恐怖の夏休み(※1)が終わり、ここ数週間か、東京地裁(※2)は傍聴人がめっきり減った。

※1 7月20日頃から8月末頃までの約40日間、開廷がおおよそ半分ほどになる。そこへ夏休みの小中高生、付き添いの親御さん、大学生諸君が押し寄せる。恐怖の傍聴席争奪戦争、なのだ💦

※2 東京高地簡裁合同庁舎。でも一般傍聴人の方々は、やっぱ地裁へ集中しがちだ。

 

 ところが今日、傍聴人がめっちゃ多かった。
 中年のご婦人が目立った、ように思われた。

 歌舞伎俳優が被告人とされる「自殺幇助」(13時30分開廷)の傍聴券締切が11時20分だっけ11時40分だっけ。右はTBSニュースのスクリーンショットだ。

 お友達といっしょに来て抽選に外れたご婦人方が、「せっかく来たんだから何か傍聴していきましょうよ」となったのか。

 ご婦人方の会話に中に、裁判傍聴は前にもした、という部分があった。
 並び屋さんとして過去に何度か雇われたことがあり、そのときついでに何か傍聴したことがある、とか?

 

 ちょっと尋常じゃなくお洒落な若い美女グループもいた。
 アイドルグループの事務所が、近々「傍聴アイドル」をデビューさせることになり、それで…?

 

 やがて私は気づいた。
 ご婦人方、また若い美女グループの手に、同じ書式の紙が。
 期日情報、開廷表の記載事項がだーっと列挙されている。それを見てこんなことを言うのがちらり聞こえた。

傍聴人 「あ、(13時)15分、これ行こうか」

 別の書式の紙を持つ女性もいた。

 少なくとも2つの、女性を中心とする、それなりに大人数のグループが、今日は居た、論理則、経験則等に照らしてその推認は合理的というべきである。

 

 今日の私は、午後一から16時半頃まで、びっしり傍聴した。

 「被害にあった声優アイドルは活動休止に…ストーカー容疑男「スマホに複数の女性画像」戦慄の素顔写真」と7月25日『FRIDAY』が報じた事件、の第1回公判も傍聴した。
 歩道を歩く被害女性の後方から動画撮影しながら徒歩で追従したのだという。

 ストーカー事件も私はだいぶ傍聴してきたけども…。
 執着犯、思い込み犯、依存症犯には、刑罰は無力、そう感じるケースが目立つ。

 相場どおりの執行猶予判決とか、実刑判決で刑務所行きとか、全く無駄とまでは言わないけどもさ、強制入院&強制治療の方向を考えないと、被害は増えるばかりなんじゃないか。

 そんな感想、提言を述べるのが裁判傍聴師の役割だ。
 検察も裁判所も国会議員も聞かなくても、述べるべきことは述べる、そゆこと。

2023年10月18日 (水)

よってその頃、同人に同大便を食べさせ

 刑事裁判に「大便」が登場することがたまにある。

 カップ焼きそばの空き容器に大便を排泄し、神社の鈴緒になすりつけ、郵便ポストに入れる等した事件があった。
 24時間営業の無人店の床に大便を排泄し、監視カメラのモニターになすりつけた事件もあった。

 掃除する者の、とんでもない苦痛の供述調書を、検察官が読み上げたり…。

 

 今回のは、それらを遥かに飛び超える事件といえる。

 被告人は身柄(警察留置場)。姿勢がよく、いわゆるジャニーズ系の、甘いイケメンだ。若い。
 “うなだれ感”はまったくない。緊張感もなし。
 ぱっちりした目でまっすぐに前を見ている。

 傍聴人はぱらぱら程度。どうも最近、傍聴人が少ない。
 もしや、裁判傍聴が流行りじゃなくなった!? だとしたら「ありがてーん!」である。

 

 裁判官が登壇、開廷。法廷中央、証言台のところに被告人を立たせた。
 被告人は被告人席から、姿勢よくゆったりと動いた。高貴さ、のようなものを私は感じた。

 被害者に関する事項の秘匿決定を裁判長が告げてから、検察官が起訴状を朗読した。こんな部分があった。

検察官 「…午前0時50分頃から1時43分頃までの間…都内、マンション…被害者方において…浴室内…被害者(20歳と聞こえたが性別は不明)に対し…排泄させた大便を塗りつけ…後頭部を手で押して…浴槽内の大便…顔面を押しつけ…殴り…頭部にまたがって顔面に大便を排泄し…いいから早く食え…全部飲み込まなきゃならないんだから…よってその頃、同人に同大便を食べさせ…」

 被告人の認否は、行為は間違いないが、相手方の同意があったので犯罪は成立しない、つまり無罪主張だった。

 被害者(性別不明)に対し証人尋問をすることになるのか。
 あるいは、「通常人が同意するはずもなく、被害者が自ら同意したと認めるに足る事情は何ら存しない。よって…」といった論法で足りるのか。

 DV(domestic violence)の専門家が証人出廷、「DV男はみな、加害は被害者のせいだ、被害者がさせたと異口同音に言うのです。彼らの脳内は…」と証言、なんてことになったらすごい、とはマニアの妄想である。

 

 それにしても、強烈な事件、めっちゃ珍しい事件に私はよく当たる。
 眠らせておくのも惜しい。
 傍聴してきた1万超の事件の中から、特に印象に残る20件、とかいう感じで出版できないものか、なんて最近考え始めた。

 

 関連して、ってわけじゃないけど、来るべき大震災、あれこれ大崩壊のとき、水や食糧の備蓄は当然として、トイレ、そいつが決定的に重要でしょ。
 上掲アフィリエイトのようなものを、私はけっこう備蓄している。

 先日、若い奥さんと話す機会があった。
 ぜんぜん備蓄とかしてないと奥さんは笑った。
 その人は外国籍。もしかして、日本は行政が手厚くカバーしてくれると安心してたりして。

2023年10月16日 (月)

無免許死亡事故、そこに隠されたまさかの冤罪!

 10月14日から、当ブログのアクセス数が、どっかん増えた。なんでっ?

 わかった、共同通信が同日、以下のように報じてたんだね。

取り調べでやゆ、映像確認 検事「お子ちゃま」発言も
 横浜地検の独自捜査により犯人隠避教唆罪で起訴され有罪が確定した元弁護士江口大和氏(37)が、取り調べで検事に侮辱されたなどとして国に損害賠償を求めた訴訟で、検事が「お子ちゃま」などと江口氏を再三やゆする様子が取り調べの録音・録画映像に残っていたことが14日、分かった。東京地裁の勧告を受けた国側が証拠提出し、共同通信記者が訴訟記録を閲覧して確認した。
 江口氏は2018年10月に逮捕され56時間の取り調べに黙秘。訴訟ではうち約2時間20分の映像が地裁に提出された。2画面に分かれ、一方に江口氏、もう一方に検事らを含め部屋全体が写る。検事は江口氏が刑事弁護に力を入れていたことに触れ「僕ちゃん質問上手だから刑事弁護で名を上げるんだ」などと発言していた。
 「お子ちゃま発想」「ガキだよね」と述べたほか、江口氏の中学時代の成績を確認したとして「数学とか理科とか、あんまりよくなかったみたいですね。論理性がさ、なんかずれてんだよな」と語る場面もあった。

 江口大和氏を被告人とする「犯人隠避教唆」の一審・横浜地裁と、二審・東京高裁を私は傍聴した。なんと、“江口教唆説”を確定させた事件「道路交通法違反、犯人隠避、犯人隠避教唆」の一審・横浜地裁の判決も、偶然にも私は傍聴していた。
 江口大和氏を原告とする国賠訴訟の弁論も傍聴した。

 そうして、当ブログでは以下を書いてきた。

誰、刑弁教官、調べりゃわかる、法廷に立ってもらおうか 2023年4月29日
江口大和弁護士を被告人とする「犯人隠避教唆」 2023年4月15日
「考えられないとまでは必ずしも言えない」で有罪  2022年9月13日
江口大和弁護士、普通に考えて無罪では 2022年3月17日
江口大和弁護士はハメられたか? 2020年2月4日

 えーっ、よくわかんねーよ、という方は、以下のWeb記事をお読みいただければ。

無免許死亡事故、そこに隠されたまさかの冤罪! 2023年9月19日

 自分で言うのもなんだが、わかりやすくて衝撃的な記事ですよ。

 

 そんなこともありつつ、いったいどうしたことか、最近、レアな、または激レアな刑事裁判によく当たる。

1、オービス裁判の検察立証、甲号証の4点セット、のうち法的に重要な1つを若い女性検察官が省いた!

2、罰金2万9千円。9千円は信号無視。2万円はなんと…!

3、運転免許の条件違反が公判廷へ出てきた! 

4、オービス裁判。被告人は測定値を認めているのに、弁護人が甲1号証、速度違反認知カードを不同意とし、メーカー社員を尋問って!

 

 1と2は、今月下旬に発売のマニア雑誌『ラジオライフ』に書かせてもらった。
 3と4も、いずれ、雑誌かWeb記事のほうに。

 もったいぶらずにちらっと漏らせよ、ケチくせえな?

 いやあ、それなりの交通費をかけて裁判所へ通ったり、金に糸目を(あんまり)つけずに行政文書の開示請求をしたり、読みたい本を買ったり、眠くなったら寝たり、そんな日々を送れるのは、原稿料のおかげなのである。
 スクープ的なネタは、原稿料が出る媒体にがしっと書く、じゃなきゃ道義的にも仁義的にも許されない、と思うので💦

 

 おっと、言い忘れるとこだった。
 上掲記事に「共同通信記者が訴訟記録を閲覧して確認した」「…と語る場面もあった」などとあるでしょ。
 訴訟記録に録画媒体があり、民事記録の閲覧室で録画を再生した? どうもそう読める。
 共同通信の記者氏は、あの事件の記録をようく閲覧に行きましたね。やるねえ、頼もしいねえ、私はうれしくなったです。

2023年10月14日 (土)

警察庁内に前代未聞の内紛が!?

 過去にどんな記事を書いたか、どんどん遠くなってしまう。
 とりあえず、車雑誌『ドライバー』のWebサイトに書かせてもらったぶんのみ、記事のタイトルと日付を、ときどき当ブログに載せている。

 

 2019年12月分から2023年2月の途中まで → 2023年2月14日に
 2023年2月の途中から3月の途中まで → 2023年4月2日に。
 2023年3月末から5月始めまで → 2023年5月15日に
 2023年5月の途中から同月末まで → 2023年6月11日に
 2023年6月の途中から8月の途中まで → 2023年8月8日に。
 2023年8月の途中から9月の初めまで → 2023年9月2日に。

 

 今回は、9月の途中から10月の中頃までを。

2023/09/19 無免許死亡事故、そこに隠されたまさかの冤罪!

2023/10/13 「違反が事実ならアウト」は大ウソ。交通違反の不起訴の93%は「起訴猶予」【交通違反の基礎知識・その4】

2023/10/13 データで見た「青切符の人の不起訴率は100%に近い」という事実【交通違反の基礎知識・その5】

2023/10/13 自転車違反のペナルティは「違反金」か「反則金」か。警察庁が立ち上げた有識者検討会の報告書を警察庁自身が否定…前代未聞の内紛が?

 

 約3週間空けて10月13日に3本、、、私のほうではずっと早くに原稿を出していたのです。
 なかなか載らないなあ、と思っていたのです。

 おそらく編集部に何か事情があって手が足りない状況となり、しかし新しい自動車が発表されたとかいう記事は急ぎ掲載しなければならず、私の、良くいえば普遍的な記事(わはは)が後回しになった、そういうことかな、と。

 そんなことより諸君、13日の3番目の記事、自転車違反のペナルティのやつ、読み返して、我ながらすごいことを書いたもんだと思う。
 いや、あれはね、警察の交通行政をじっくりウォッチしていれば誰でもわかること、だと思うんだけど、今んとこどうも私しか言ってないみたい。なんか怖い…。

 

 19日の「まさかの冤罪」も、ほぼ誰も知らないトンデモ事件だ。びっくりしますよ。

2023年10月12日 (木)

赤いプルトップに魅了され衝動買い

 びっくりしたねえ、びっくりしたよう。
 最近、スーパー、ドラッグストアで、アルコール缶飲料の棚を見たら、

  ビールが明らかに安くなってる!
  発泡酒(ビールもどき)が明らかに高くなってる!

 酒税をいじって全体として増税したと聞いたが、こういう形で現れたのか。

 

 そうして私は、アサヒスーパードライの、ドライクリスタルっていうの? それをスーパーで衝動買いした。
 たかがアルコール3.5%のをなぜ?

 赤いプルトップに惹かれたのですよ。買わずにいられなかったのです。
 白い胴体に赤いプルトップ、ようくそんなこと考えましたね。

 味は? 私はビールのことはよく知らないが、まあ旨いと思った。きっとまた買う。

 

 ところで、もう当分、スーパー、ドラッグストア、量販店では、芋焼酎はこれしか買わない、というのを見つけた。

 黒霧島EX、これである。
 口に含んだとき、なんていうの、なんともいえぬ独特の、甘いんじゃない甘さがあるのだ。ほろほろっとなるのだ。
 明日また買いに行こう。ああ忙しい。

2023年10月10日 (火)

ハネられたのは歩道の喫煙所から車道へあふれた人たち

 渋谷のスクランブル交差点付近の交通事故、多数の通行人が負傷した、という報道を見て、私はてっきり、歩道の開口部へ突っ込んだのかと、深くは考えず、思っていたわけ。

 

 付近をよく知る方から、話を聞くことができた。

 あそこは、通行人がめっちゃ多い歩道に、喫煙所があるんだそうだ。
 私は知らなかった。ここ10年以内にできたのか。

 今どき喫煙所は少ない。喫煙者が集まる。喫煙所からあふれる。
 私も昔は喫煙者だった。狭くて人が多い喫煙所ってのは、副流煙を吸い込む場所にほかならない。最悪だ。

 そう思う人たち、また物理的に入りきれない人たちが、喫煙所の外で喫煙する。よくある光景だ。
 渋谷の本件現場では、歩道だけでなく車道にもあふれることが、常態だったらしい。

 そこへ、あの、メダチタガリーヤのヘイマンボ(『Mambo Italiano』youtube.com/watch?v=gbe3Bk)の改造車が突っ込んだのだ!

 車道の人々がなぎ倒されるというか、もぎとられるというか、不鮮明ながらその映像が、すでにYouTubeにある( https://www.youtube.com/watch?v=bf8-ipjB-gQ )んだね! 右の画像はそのスクリーンショットだ。

 そもそもあんなに通行人の多い歩道に、喫煙所を設けるかね!

 という観点には深煎り、もとえ深入りせず、事件は消費されていく、それが普通と思うが、本件も普通に終わるのかどうか。

 ちなみに私は2020年10月中に完全禁煙した
 約50年間の喫煙の日々を終えて思うのは、喫煙者はバカだなあ、みっともねえなあ、これである。

2023年10月 8日 (日)

大麻取引がらみと根っからの粗暴犯と

 6年前に大阪地裁で「危険運転致死、道路交通法違反」により懲役5年を受け服役した男の、「住居侵入、窃盗」の判決を、これは東京地裁で傍聴したことがある。 ※画像は東京地裁前の歩道上から南側(虎ノ門方面)を見たところ。

 求刑どおり懲役3年。
 求刑どおりってことはなかなかない。よっぽど悪質と裁判官は認めたんだわね。

 終わって、廊下で検察官らの立ち話が聞こえた。

検察官A 「もっとイケたかもしれませんねぇ」
検察官B 「てぇと、我々は勝ったんですかね、負けたんですかね」

 そんなシーンに、こう言っては何だが私はしびれる。有名芸能人の薬物裁判よりなんぼかしびれる。変態だ(笑)。

 

 先日、同じ法廷に「傷害」の判決が2件連続であった。2件とも傍聴した。

 1件の被告人は身柄(拘置所)。半袖白Tシャツに黒ズボン。若い。

裁判官 「主文。被告人を懲役1年4月に処する。未決勾留日数中40日をその刑に算入する。主文は以上です」

 夜、駐車場の自動車内で、20歳の男性に対し、チャイルドロックをかけて逃げられないようにしたうえで、顔面などを殴り、刃物様のもので腕や足をくり返し刺し、全治まで約2週間を要する傷害を負わせ…。

裁判官 「大麻取引の相手とトラブル…大麻を含む前刑判決…執行猶予…ほどなく本件…」

 

 もう1件の被告人は非身柄。中年男性、黒スーツに濃紺ネクタイ、濃い髪は寝癖なのかめちゃくちゃだ。

裁判官 「主文。被告人を懲役8月に処する。主文は以上です」

 夜、JRの駅前を歩行中、36歳(31歳?)男性を追い越そうしたした際、小突かれたと憤激、頭髪を引き抜く暴行を加え、全治まで約2週間を要する頭部外傷を…。

裁判官 「短絡的…酌むべき事情はない…粗暴犯を含む前科4犯、うち3犯を服役…暴力行為等処罰に関する法律違反…常習暴行…刑の終了から5年2カ月足らずで…今度こそ粗暴なことはしないと…」

 

 ・同じ法廷で「傷害」の判決が続けて2件
 ・しかも2件とも実刑
 ・しかも2件とも、酩酊やDVの話が出ない

 当事者、関係者諸氏からは怒られるかもしれないが、事件数で1万件以上を傍聴してきたマニアとしては、正直「うわお」と思ってしまうのだった。
 以下は私のアフィリエイトだ。このバナーから楽天のサイトへ入ってどなたか何か購入すると、私に手数料が入る、そういうシステムである(らしい)。

 ←10月8日20時00分現在、週間INが502位。

2023年10月 6日 (金)

さいたま地裁の帰りは立ち呑みモルガン

 二足のわらじ、というが、私の場合、交通違反マニアで開示請求マニアで裁判傍聴マニア、三足のわらじ、である。

※ 下掲は私のアフィリエイトだ。このバナーから楽天のサイトへ入ってどなたか何か購入すると、私に手数料が入る、そういうシステムである(らしい)と告知しなければ、ステルスマーケティングの誹り(そしり)を受けかねない、かなと。

 10月5日(木)午後、さいたま地裁で、開示請求がらみの事件の、審理の期日があった。

 その午後は東京地裁に、重要事件、気になる事件が詰まっている、のだが、さいたま地裁のは、今年6月に当ブログで「受領証を全部手書きって!」と書いた、あの「建造物不退去」の、今日は被害者(とされる側)の尋問なのだ。
(おいらが行かねえでどうする)
 このことである。  ←池波正太郎さんの小説をちらっとマネてみました~💦

 昨夜は約5時間睡眠だ、長時間の証人尋問、絶対途中で気を失う(居眠りする)!
 と思ったがしかし、覚醒を保てた。刺激的だったんだねえ。

 

 16時10分閉廷。
 浦和駅へ歩くに際して、いつもと違う裏通りへ入ってみた。
 お買い物でも私はよく、まだ知らない道を選びたがる。

 「立ち呑みモルガン」というのがあった。おお~、こんなところに。
 でも私は通り過ぎた。疲れてへろへろなのだ、早く帰って寝たい。

 

 ちょっと待て! それでいいのか。
 巡ってきたチャンスをつかむ、それがお前の信条じゃないのか。

 くくっ、、、私は動けなくなった。
 駅近のこととて、行き交う人々は思ったろう、なんだこいつ(笑)と。

 戻った、入った、飲んだ。

 芋焼酎のロックが500円。ホッピーは中が250円。
 私が普段行く立ち飲み屋、座り飲み屋に比べれば若干高い。

 だが、驚いたのは串焼きのでかさだ。なのに1本160円。
 ネギ焼きやニンニク焼きは、そうでかくないが、きちんとして1本150円。

 さいたま地裁の帰りはここへ寄ろう、密かにそう決めた私なのであった。

2023年10月 4日 (水)

大阪で脱法武器によるテロ事件!

 「れいわ八幡愛氏の車にパチンコ玉打ち込まれる?ガラス粉々も難逃れる「政治が世の中の希望になるしかない」」と10月1日付け「よろず~」。

 以下は10月4日付け共同通信、の一部。

れいわ車の窓ガラス被害に関与か 防犯カメラ損壊疑い、無職男逮捕
 大阪市東成区の民泊の防犯カメラを壊したとして、大阪府警は4日までに器物損壊容疑で同区、無職の男(65)を逮捕した。府警によると、直後に、れいわ新選組が使用する車の窓ガラスが割れる被害があり、男は「駐車場の入り口に車が止まり、むしゃくしゃしてパチンコ玉を発射した」と関与をほのめかす供述をしている。

 

 犯行の動機が「むしゃくしゃ」の刑事事件について、いま発売中の『ラジオライフ』(三才ブックス)に私はたまたま記事を書いてる。

 

 それはいいとして、ぎょぎょっとなるのは、共同通信の記事中の「パチンコ玉を発射した」という部分である。
 パチンコ玉を「投げた」とかじゃなく「発射した」。

 思い浮かぶのは「スリングショット」と呼ばれる、強力ゴムを用いて固く小さく重い球体(弾)を発射する、殺傷力もないとはいえない、ゴム銃乃至ゴム銃的なやつだ。

 ヤフーのアフィリエイトのマイページで探してみた。
 次々と160商品まで見たが、なんと、見当たらない!
 替えゴムや、お子様用のおもちゃのやつはあるが、大人用の強力なやつは、ないっ!
 ネット通販では取扱禁止なのか。

 大阪の本件がそれだとすると、恐ろしい話だ。
 65歳無職のむしゃくしゃ男の手に、スリングショットが、、、
 脱法武器によるテロ攻撃、被害者がもしも自民の大物だったら、大騒ぎになってるでしょ。

2023年10月 2日 (月)

FTD(Frontotemporal Dementia)と万引き


 「谷口恭の「その質問にホンネで答えます」」という無料のメールマガジンに私は登録している。毎号全部読むわけでは到底ないが。

 その「2023.10.2【Vol.124】」の「最近の医療情報」はこう始まっている。

9月24日(日)から10月1日(日)までの8日間が何の「週間」であったかをご存知でしょうか。答えは「世界FTD啓発週間」です。

 FTDとは「Frontotemporal Dementia」の略だそうだ。
 frontal lobe は前頭葉、temporal lobe は側頭葉、Dementiaは認知症。
 つまり前頭側頭型認知症。日本では昔「ピック病」と呼ばれた。

 谷口恭さんはこう書いている。

 FTDに罹患すると、たとえその人がつい最近まで仏のように穏やかな性格の持ち主で万人から愛される高い倫理観を持った人格者であったとしても、他人に見境なく失礼な暴言を吐き、まったく悪びれずに万引きや無銭飲食を繰り返し、ときには暴力や性暴力をふるうこともあります。「認知症」のひとつであるのにもかかわらず、記憶はさほど衰えず、よって家族や周囲の人たちもなかなか認知症だとは疑えません。

 

 以下、私もFTBと略称しよう、フロントテンポラル・ディメンシア。
 FTBなんてものを私が初めて知ったのは2015年10月、東京高裁の「窃盗」の控訴審でだった。
 万引きの執行猶予中にまた万引きをやり、実刑判決(懲役10月)を受け、どうか再度に執行猶予を、という事件だった。

 

 じつは同年7月、その被告人(50代か60歳前後ぐらいの女性)の、一審の判決を東京簡裁で私は傍聴していた。
 そのとき、FTBなんて話はぜんぜん出なかった。

 一審が終わる頃か、アメリカへ留学中(大学3年生)の娘が帰国した。
 その娘を、控訴審で尋問した。

 母親は明らかにおかしいと思った娘は、母親(保釈中)をクレプトマニア方面のクリニックへ連れて行った。
 どうも違う、認知症の疑いがあると言われ、そっちの専門医へ。
 すると、脳の側頭部に萎縮が見られ、FTBと診断された。

 放っておけば必ず万引きをくり返す!

 娘は警察に相談。警察官は真剣に相談にのってくれた。
 娘は行政の福祉担当にも相談。母親が勝手に外出してしまった場合に備え、近隣の商店をまわって母親の病気のことを伝えた。
 なんという行動力、こんな娘はいねえよ! と私は感動した。

 万引きを防ぐ態勢が完全に整う前、一審判決から控訴審第1回の前にかけて、母親は3度万引きした。
 しかし、商店側はわかってくれて、事件にはならなかった。

 

 「情状に特に酌量すべきものがあるとき」は再度の執行猶予を付すことができる(刑法第25条第2項)。
 本件ほどに、特に酌量すべき事情があるケースは、滅多にないよ、そう思えた。

 

 ところが…。
 私は当時のメルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代(いちだい)」で2号にわたりレポートした。
 結局、日本の司法は、

犯行を病気のせいにしてはならない。
事情はどうあれ、やったことの責任は取ってもらう(行為責任主義)。

 この縛りから逃れられない、逃れたくない、しがみつきたい、ということのようだと傍聴席からはしみじみ感じる。
 そんな統治の仕方もあるのだろう。
 谷口恭さんによると、「世界FTD啓発週間」のこと、日本の報道は見当たらないそうだ。

 メルマガのあのレポート、どこかに再掲したいのだが…。

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