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2023年11月 1日 (水)

紙の中の裁判

 有酸素散歩約1時間、の終わりに公園のベンチで、『異邦人』(アルベール・カミュ著。窪田啓作訳。新潮文庫)を読み終えた。
 ムルソーはマルチェロ・マストロヤンニ氏が演じた、マリイは誰だっけ、アンナ・カリーナ氏? などと映画『異邦人』の微かな記憶を辿りつつ。



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 作中にこんな部分がある。


 弁護士は一方の袖をからげながら、断固たる調子で、「これがこの裁判の実相なのだ。すべて事実だが、また何一つとして事実でないのだ!」といった。検事は無表情な顔をして、記録の見出しを鉛筆でつついていた。

 すべて事実だが、また何一つとして事実でない、、、そんなふうなものを、私も裁判傍聴で感じることがある。


 いわばこの事件を私抜きで、扱っているような風だった。私の参加なしにすべてが運んで行った。私の意見を徴することなしに、私の運命が決められていた。

 被告人はそう感じてるんじゃないかなぁ、と傍聴席で感じることもある。

 

2310251  どう表現していいのか、記録にとどめ、のちにチェックできるように、という趣旨なのだろう、裁判(刑事裁判)はとにかくすべてを紙の中に置こうとする…。
 しかも、さまざま事実から、裁判のテンプレートに嵌まるものだけを拾う…。
 現実は不要、紙に落としたテンプレートだけが大事、みたいに感じることがある。うまく言えませんけど。

 

 『異邦人』がガリマール社から刊行されたのは、1942年6月、カミュが28歳のときだという。
 私が古書店で買った文庫本は、1954年初版で、1998年5月、なんと101刷り!
 白石浩司さんの解説にこうある。

 『異邦人』は、フランスの旧植民地アルジェリア生まれの、中央文壇とはなんの関係もなかったひとりの文学青年を、一躍文壇の寵児にしたすぐれた小説である。
    (中略)
 ムルソーはロカンタンと同様、作者が非常な愛着をもって造形した人物であるが、そればかりでなく、1930年代の青年たちの歓びや苦しみを一身に具現している典型的人物なのだ。

 へえ。

 ←11月1日5時50分現在、週間INが60で2位。

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