あの裁判の原告(遺族)全員の実名が晒された!
「匿名の実名晒し魔、復活!」と9月7日、当ブログに書いた。
その後、晒し(さらし)魔は着実に執拗に、実名晒しを続けている。
東京高地簡裁の刑事の開廷は、日によってバラつきが大きいけども、だいたい簡裁が10件前後、地裁が50件前後、高裁が20件前後といえるだろうか。
合計80件前後、月~金の5日間で400件前後。1年を50週と考えれば、2000件前後。
1人の開廷が何度もあったり、控訴して高裁にも氏名が出たり、そゆこともあるんで、じゃあ、とりあえずこうしようか、1年間で1000人ほどの実名(戸籍名)が、罪名ととも晒されることになる、と。
それだってもう大変なことだ。
「おっ、13時30分から『不同意性交等』の新件、14時30分から若そうな女性被告人の『覚醒剤取締法違反』の新件がある。今日はこの2本立てを傍聴しよう」
などと傍聴人が役立てることはできない。
晒し魔は、昼間はせっせと開廷表を書き写しているようで、晒し行為は当日のだいたい夕方以降になるからだ。
じゃあ、この大量で執拗な晒し行為は、何の役に立つのか。そのことである。
晒し魔当人の内心、心理機制の機微は別として…。
晒し投稿がいちばん役に立つ場面といえば、たとえば、こういうシーンだろう。
「仕事で名刺を交換した。相手の氏名は珍しめだ。これまでどんなことをしてきたのか、ネット検索。ぎょっ、こいつ、違法薬物で捕まってたんだ!」
前にも書いたが、犯罪の実名報道はごくごく一部だ。
たとえば「大麻取締法違反」「覚醒剤取締法違反」「道路交通法違反」なんか、被告人が有名芸能人だとかよっぽどのことがなければ実名報道はない。
ところが、いわば“埋もれた犯罪”を、その被告人氏名(戸籍名)を、晒し魔は晒しまくるのだ。
先日、私は裁判所内で、「大麻取締法違反」の被告人氏名でスマホ検索してみた。珍しめの氏名だ。
日本大学のあるスポーツ部の学生、らしきヒットがあった。
うっわ、大変だ。頑張って傍聴した。
被告人は若い。ビンゴか!
いや、違った。 経歴とかぜんぜん違う、同姓同名、ほぼ同年齢の、別人だった。そんなこともあるんだねえ。
その氏名も、晒し魔により晒されている。
この先たぶん永遠に、日大のその学生君の氏名をネット検索した人は「ぎょっ、こいつ…!」となり続けるだろう。
学生君はこの先、就職の内定がなぜか取り消されたり、結婚直前に破談になったり、友だちが去っていったりするかも。
晒し魔は、以前は民事の裁判の一部、離婚など家事裁判の全部かどうかかなりの件数について、当事者氏名を晒していた。
新しい掲示板へ移り、刑事裁判だけにした、かと思ったら最近、民事・家事のほうも少し晒し始めた。
「【速報】池袋暴走事故の民事訴訟で運転手の飯塚受刑者に約1億4000万円の賠償命じる 事故遺族が提訴」と10月27日付けTBS NEWS DIG。
このニュースでは「妻と3歳の娘を亡くした松永拓也さんらが…」となっている。「松永拓也さんほか8名が」というふうな報道もある。
その「ら」の部分、8名のフルネームを、晒し魔は晒した。
今後、そちらへ侮辱等攻撃の矛先が向くことは、十分に考えられる。
ちなみに、松永拓也氏をツイッターで侮辱、その捜査中に秋葉原と新宿で大量殺人をやると予告投稿した「侮辱、威力業務妨害」の判決を私は傍聴した。
懲役1年、拘留29日、懲役刑につき執行猶予5年、だった。
1年に1000人…なかには自殺する人もいるだろう。
恐喝におよぶ者も出てくるだろう。
裁判所は、最高裁はどう考えているのか、そのへんは現在発売中の車雑誌『ドライバー』に書いた。
匿名者による実名晒しは、これからも続きそうだ、執拗に…。
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