是れ眞正の愛國心にあらずして
次々に、といっても、どうだろ、月にせいぜい3冊、いや2冊程度か、裁判所への往復の電車内で、新書を読んでる。
やたら専門用語だらけで頭から煙が出そうな部分は、もうじゃんじゃん読み飛ばす、という技を身につけてから、新書を読むのが断然楽しくなった。
いま、『「憲法改正」の真実』(集英社新書)を読んでる。これは読み飛ばすところがない!
改憲派の重鎮、小林節氏と、護憲派の泰斗、樋口陽一氏の、対談形式だ。
小林節氏は、自民党の改憲派のブレインだったという。そんな人が何を言うのか、面白そうでしょ。
明治憲法はじつはけっこう立派な憲法だったとか、当時の日本人はマジ真剣に考えてたとか、説得力があるんである。へえ~、なのである。
あの無茶苦茶な改憲草案をネットに掲げて恥じない――諸外国に見つからないことを願う!――自民党は、いったい何を目指しているのか。
改憲草案からは、北朝鮮のような強権独裁国家を目指しているように見える…。
しかし、これは私の素人感覚なんだけど、そんな立派(?)なことを、あの人たちが意図して目指すかなあ。
ま、それは措き、竹越興三郎という人物のこと、私は初めて知った。
衆院議員に5回当選、1922年には貴族院議員もやったんだという。
その人が1901年(明治34年)に『人民讀本』というのを出した。題辞は西園寺公望侯爵(当時)。こんな部分があるというのだ。「是」は「ぜ」、「是れ」は「これ」、「勿れ」は「なかれ」と読む。
何事にても我國民の爲したることは是なりとするが如きことあらば、是れ眞正の愛國心にあらずして、虚僞の愛國心なることを忘るゝこと勿れ。……是れ他國に對して、我國民の信用と威望とを損するものにして、決して愛國の所業にはあらず。
ほか『人民讀本』から、いくつか引用されている。
明治の人は偉かった(偉い人もいた)んだねえと、日本国を誇らしく思いました。
『「憲法改正」の真実』は、あと数ページで読み終わる。
そこは自宅で頑張って読み終え、次に裁判所へ行くときは別の新書を鞄に入れよう。
買ったまま読んでない新書がたーくさんある。どれを選ぼうか、楽しみだ。
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