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2024年2月23日 (金)

「殺人」の鑑定留置理由開示

230427_20240223152701  昨年9月1日、北海道新聞が「ススキノ殺人 父母「やってない」娘との共謀否認 鑑定留置理由開示」と報じた。
 今年2月22日、NEWSポストセブンが「《ススキノ頭部切断事件》2月末で終了の留置期間、親子3人の鑑定結果「娘の責任能力により起訴はギリギリの判断、両親は法廷へ」【自宅はスプレー缶で落書き被害】」と報じた。

 

 「鑑定留置理由開示」の裁判を、私は過去に3件傍聴した。
 珍しいので、都度メルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代(いちだい)」でレポートしてきた。
 今回、うち1件、2018年9月4日付けの第2148号「息子を殺害、「鑑定留置理由開示」の裁判は」のレポートをここに転載しよう。適宜、加除訂正等して。

 

 8月22日(水)15時~15時30分、東京地裁401号法廷(20席、刑事第14部、村田千香子裁判官)で「殺人」の鑑定留置理由開示。

 勾留理由開示とか鑑定留置理由開示とか、普通はチョー人気薄だ。
 けど、本件は「殺人」とある。この2文字は人を惹きつける。やばいかも。
 開廷23分前にあわてて行くと、すでに行列ができていた。私は15番目、かろうじてセーフだ。
 行列には親子連れが何組かいた。夏休みの真っ只中なのだ。危ないあぶない。

 

 被告人もとえ被疑者は身柄(留置場)、61歳、無職。
 グレーの半袖Tシャツに、膝下丈の黒のジャージ、髪が濃く目力(めぢから)が強い。
 メガネは老眼鏡なのか、ややうつむいてレンズの上から傍聴席をぎょろり見回した。

 検察官席は、いつものように無人だ。検察官が立会(りっかい)する理由開示を、昔々傍聴したことがあったかどうか。
 弁護人は2人。サカタと名乗る中堅男性と、ウカイと聞こえた、めちゃくちゃアイドル風な若い女性だ。

 村田千香子裁判官は中年女性だった。
 14部は令状とかそっちが専門だ。通常第一審つまり普通の裁判をやらない。私が見てきた限り、14部の勾留理由開示等は、判事補になり立ての若い裁判官がはつらつとやる。
 女性でも男性でも中年の裁判長は珍しい。
 以下、メモしきれなかった部分を「…」でつなぐ。

裁判官 「ではこれから、鑑定留置の理由を開示します。まず本件被疑事実の要旨は…」

 6月2日の午後8時14分頃、被疑者方において、長男36歳の左胸を包丁で1回突き刺し、失血死させたのだという。

裁判官 「事件の内容、性質…うつ病等の通院歴…その他の…に照らせば…終局処分を決するためには…精神障害の有無及び内容…考えられる影響…鑑定を実施する必要があり…検査、診察をするためには留置する必要があると認められる」

 そんな漠然とした当たり前のタテマエを公開の法廷で言う=人前にさらす、勾留についても鑑定についても理由開示とはそういうものなのだ。
 サカタ弁護人がこんなことを言った。

弁護人 「そもそも今回の鑑定留置決定はタダユウイチ裁判官が…私は当然、理由の開示もタダ裁判官が…(ところが)村田裁判官…なぜですか」
裁判官 「配点の都合としか申し上げられません」
弁護人 「(鑑定留置の)決定の経緯…どうして説明できるんですか…決定してない裁判官が、なぜ」
裁判官 「裁判所としての判断を申し上げます」

 そうそう、鑑定留置の理由はさっき裁判官が述べたとおり、あれ以上でも以下でもない。
 求釈明でいろいろ尋ねられたら、証拠の内容にわたることだから、捜査の密航性がなんちゃだからと蹴ればいいのである。
 裁判官が誰であれやることは同じ。それ以上でも以下でもない。だから判事補になり立ての若い裁判官が普通はやるのである。
 私は傍聴席からそう見続けてきた。

弁護人 「推測をお聞きすることになるんですか」
裁判官 「そう言われればそうです」
弁護人 「おかしい」
裁判官 「おかしいとは思いません」

 15時04分、ウカイ弁護人が求釈明を始めた。つまり裁判官に対し複数の質問をし、裁判官が答えた。
 5番目はこうだった。

弁護人 「5、留置期間を延長する理由は…?」
裁判官 「この手続は(鑑定留置状の)発布時点での理由を明らかにするものです」

 そうなんだぁ。延長の理由は開示しないんだぁ。
 とはいえ実際の運用では漠然としたことをちらっと臭わしてもいいのか、「被疑者の家族からの聴き取りなどが必要になった」旨を裁判官は言った。
 そのほかの質問については、「先ほど答えたとおり」「捜査の密航性」「証拠の内容にわたる」の3つで軽くあしらった。

 ウカイ弁護人は意外なことを言った。

弁護人 「こちらで医師に(延長の理由を)聞いたら、検察の都合だと思っていると…」
裁判官 「いま初めてうかがったところです」

 あらら、そんなことを言っちゃう医師に鑑定を依頼したとは。
 15時09分、サカタ弁護人が立ち上がった。

弁護人 「延長の理由はここで開示する必要がないと…どうしてか」
裁判官 「もう見解の相違だと思います…そもそも…理由開示の制度は…そのような制度と理解しているとしか申し上げられません…お答えしない…お答えする必要を認めません…必要な範囲はお答えしたつもりです」
弁護人 「我々は暇つぶしでやっているわけではない…身体拘束の不利益から解放するため…準抗告するに当たり…」



 15時16分、10分以内の意見陳述の段になった。
 やっと被疑者が口を開くのかと思いきや、またサカタ弁護人が立ち上がり2分間ほど陳述した。
 こんな部分があった。

弁護人 「果たして十分に説明を尽くされたか…傍聴席…いっぱい…8月…法律を勉強している人も…不利益の理由をきちんと説明したのか、甚だ疑問…速やかに不服を申し立てるつもりです」

 15時18分、サカタ弁護人が座ると裁判官が言った。

裁判官 「では閉廷します」

 私のような慣れて歪んだ(笑)傍聴人からすれば、理由開示の裁判とは木で鼻をくくったような理由を開示する手続きにほかならず、熱く文句を言っても裁判官には全く通用しない。
 しかし、実際に弁護活動をやっている弁護士さんからすれば、法廷では全く相手にされなくても、その後、身柄拘束が解かれやすくなることもあるらしい。


 2018年8月22日に以上を傍聴したこの「殺人」は、2020年7月に東京地裁の裁判員裁判の法廷へ出てきた。

 裁判員裁判は、素人裁判員に負担をかけないため、できるだけ短期日でシンプルに終えられるよう、予め密室で主張も立証も削り整える。その整えに、ものすごく月日がかかる、場合があるのだ。

 私はすっかり忘れており、傍聴しなかった。判決の報道はない。
 ほぼすべての犯罪は報道などされない。報道されても、警察の逮捕発表の一部のみ。まれに、第1回公判や判決が報道されることもある、じつはそんなもんなのだと、傍聴マニアをやってればわかってくる。

 

 この第2148号の編集後記に私は、自転車のながらスマホ事故のweb記事に関してある「ジャーナリスト」の氏名でネット検索したら「やはり出た…デタラメ報道(怒)」というのがヒット…と書いてる。
  警察と検察と裁判官とメディアのチームが、事件などないところからでっちあげた北陵クリニック事件、守大助さんは今も無期懲役の牢獄にいる。

 ま、そんな感じでメルマガを発行し続ける日々もあったのね。

 ←2月23日15時30分現在、週間INが30で2位。

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