オービス裁判、常軌を逸した求刑、なぜっ?
開廷表の事件名は「道路交通法違反」。しかも新件じゃなく審理の期日。
しかもしかも、開廷は13時30分。つまり地裁の午後の新件が一斉に始まる時刻。
当然に、始まる時点で傍聴人は、警察官かと思われる大柄な男性1人、と私。総勢2人(笑)。
これは、首都高の50キロ制限の区間でオービスにより105キロ(55キロ超過)で測定・撮影され、「写真の運転席にいるのは自分ではない」と、犯人性を否認している事件だ。
事件番号の年は「平成 令和4年」=2022年。ずいぶん長く争っている。
今日は論告・弁論。
首都高の超過50キロ台は、罰金8万円が相場だ。
判決は求刑の8掛けとか言われるが、通常は略式で処理される罰金事件では8掛けはない。
求刑も判決も罰金8万円。それが当たり前だ。
速度違反の法定刑は、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金。
真っ向争うと、検察官はムカつくのか、上限の罰金10万円を求刑することがある。
そういう場合、相場を知り、しかし検察官の顔も立て、罰金9万円の判決とする裁判官もいる。
相場を知らないのか、罰金10万円の判決とする裁判官もいる。
ところがなんと、本件の求刑は懲役3月(さんげつ)!
懲役3月ってのは、首都高での超過80キロ台の鉄板相場だ。
相場は罰金8万円なのに、罰金の上限を飛び越し、懲役3月って、うわお、である。そんなの私は初めて見た!
被告人は特に前科がないみたい。常軌を逸してる。なぜ?
この「犯人性の否認」、私はねえ、うそだろと最初は思ってたの。
んが、審理が進むにつれ、うそじゃないかも、と思えてきた。
じつは犯人性は怪しく、捜査にいろいろ落ち度があり、しかし公判立会(りっかい)検察官としては無罪は自分の重大な落ち度になるんで、ぶっ飛んだ求刑で裁判官にプレッシャーをかけたのか? との妄想も可能だ。
次回判決。
裁判官は、懲役求刑なのに罰金判決(たぶん10万円)とするところを落とし所とするんじゃないか。絶対傍聴しなければ!
もしかしたら、前科についての部分を私は聞き漏らしてる、かもカモしれない。判決で分かるだろう。
そのほか、「有印私文書偽造・同行使、詐欺、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律違反」なんて事件の審理を途中から傍聴した。
「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」、略称は「番号法」または「マイナンバー法」か。
「「レディにラーメンはないよ」大田区・24歳サバ読み老女(72)は勤務先で年下男性を漁っていた「自分は48歳。年下の男としか付き合わない」」と2023年10月29日付け週刊文春。この事件だ。
被告人は非身柄。黒系の珍しいタイプのマスクを着け、長い茶髪で、目の感じがちらっとGaijin風。
両手を胸の前に重ね、足を組み、なんか女優風。
乙2号証は、犯行動機についての調書。
乙2号 「好きな仕事を長く気分良くやっていきたかった…年齢を気にせず仕事をしたかった…警備会社…年齢による差別…決めつけ、悪口…多かった…70歳以上だと…若くても仕事できない人ほど、年齢で悪口を言う…」
今日予定されていた追起訴は間に合わず、次回、追起訴から結審まで、の予定。
被告人質問を聞きたい。傍聴したい!
そんなこんなで、裁判傍聴はヤメられない、とまらない。
裁判所へ往復の電車内で、今これを読んでる。3冊200円の1冊として古書店で買った、2016年の本だけど、おっもしろいよう。
日光を見ずしてけっこーと言うなかれ、Do not say kekko,before you see Nikko.日本会議を知らずして日本を語るなかれ、だと思う。
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