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2024年3月 4日 (月)

いま私の精神状態は崩壊してます!

 最近傍聴した事件をちらっと。

 

 東京高裁で「名誉毀損、威力業務妨害」の、控訴審判決。

 被告人氏名でネット検索したところによれば、2chの時代からの“有名人”だったらしい。

 私の超絶マニアックデータでは、同姓同名の被告人の「業務上横領、不正アクセス、電算機詐欺」の刑事裁判の期日が2011年11月~2012年12月、東京地裁であった。
 実刑判決らしいことを臭わせる、本人らしき投稿がネットにあった。
 同じ被告人氏名、事件名の控訴審の期日が2013年4月~同年7月に東京高裁であった。
 気になりつつ、私は一度も傍聴してない。

 今回、いったい誰の名誉をどう毀損(きそん)したのだろう、誰のどんな業務をどう妨害したんだろう、どうにも気になって傍聴してみたわけ。

 

 傍聴人は、私のほかに、被害関係者かと思しき男女が3人と…。
 検察職員かと思しき男性が2人。てことは、被告人は保釈されており、原判決は実刑、控訴棄却ならすぐ保釈を取り消して収監、そういう段取りなのかな?

 開廷時刻、被告人の姿はない。

裁判長 「お見えになってない…」
弁護人 「×月×日の週までは連絡がとれた…事務所へも何度も…×月×日の週、また入院になるかもしれない…その週以降、メール…応答がない…」

 控訴審は被告人の出頭を要しない、けれどもしかし、保釈中の被告人が出頭しない場合は、なんだっけ、やっかいなことになるはず。
 そのシーンに私はまだ遭遇したことがないよ!

裁判長 「それでは、進行について…」
弁護人 「あ、いらした…」

 冬の大きなジャケットというかジャンパーというか、それを着て髪は長めでぼっさぼさ、杖をついた大柄で太めの男性(40代ぐらいかなあ)が、弁護人の斜め後ろのドアから入ってきた。
 表情は、眠そうでまぶしそう、なんか尋常じゃない。

裁判長 「被告人質問…」

 私の傍聴ノートには「判決」の期日とある。メモミス?
 弁護人の隣に座った被告人が、泣きそうな、どでかい声で訴え始めた。

被告人 「(被告人質問が)できる状態じゃないですう!」

 机の上に薬の袋をばさっと出し…。

被告人 「ここに薬…5種類…いま私の精神状態は、崩壊してます! 弁護人から毎日メール…体が硬直してるんです! 今日(の期日)分かってる、大事なんで…(ところが弁護人が)ばかばかばかばかばかばかメール、送ってくるんです! それで私、またうつ状態がひどくなって!」

 泣きそうな、どでかい声で、しゃべるしゃべる、延々と訴える、泣きわめくように。
 結局、次回に被告人質問をやり、次々回に判決となった。

 そうまでして被告人質問をやるってことは、被告人の供述によっては原判決がひっくり返る可能性あり?
 いやあ、傍聴マニアとしては、原判決はまあまあ重い実刑で、それを正当化するために、被告人をして少しは納得させるために、被告人質問をやるんだろう、と。
 そういう丁寧さは、裁判所には、あると思う。

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