特殊詐欺、陰の立役者、名簿屋はセーフです
また少し、ちらっと。
東京地裁で「詐欺、窃盗、大麻」の判決。
被告人は身柄(拘置所)、濃い短髪、というか坊主刈りが伸びた感じの若者だ。
裁判官 「主文。被告人を懲役4年2カ月に処する。未決勾留日数中280日をその刑に算入する…大麻…1袋を没収する」
2月(にげつ)ではなく「にかげつ」と言う裁判官がときどきいる。そしてこう続けたね。
裁判官 「公訴事実は第1から第43まであります」
えーっ、どんだけぇーっ、である。
じつはネットで逮捕報道を拾える。特殊詐欺の受け出し子で、逮捕は2022年12月。本件の事件番号は「令和5年刑(わ)第10号等」。2023年早々の起訴だ。昨年1年間、延々と追起訴が続いたと思われる。
公訴事実の第1は、江戸川区の83歳女性に対し、氏名不詳者らが区役所職員等になりすまして電話をかけまくり、補助金を受け取るには預貯金のキャッシュカード(以下CC)を再発行する必要がある、ついては担当者が古いCCを受け取りに行くと騙し、被告人が訪問してCCを受け取り…。
公訴事実の第2は、そのCCでATMから合計140万8千円を引き出し窃取した…。
それをワンセットとして、第1から第42まで、ほぼ同じ内容を裁判官は、全く飽きることなく延々述べ始めた。
被害者たちはみんな、江戸川区、江東区、荒川区、練馬区、昭島市など都内在住で、80歳前後。
そういう名簿を、氏名不詳の(=捕まってない)詐欺グループは、入手したわけだね。
特殊詐欺の陰に名簿屋あり。
傍聴席から見る限り、名簿屋は絶対安全圏のようだ。
公訴事実の第43が大麻と思われ。ばかばかしくなって私は第21を聞かずにそっと退出した。
東京高裁の民事の法廷にこんな事件名の判決言渡しがあった。
「安倍晋三元首相「国葬」閣議決定取り消し並びに予算執行差し止め違憲確認並びに損害賠償控訴事件」 ※「国葬」にカギ括弧が付いてたかちょっと定かじゃない。ごめん。
事件名は、原告が訴状に書いたものがそのまま開廷表に記載されると聞く。
原告ら(控訴審では控訴人ら)は、「取消」「差止」ではなく「取り消し」「差し止め」と訴状に書いたわけだ。おお~、と思う私。
裁判長 「主文。本件各控訴をいずれも棄却する。訴訟費用は控訴人らの負担とする」
だったかな。言渡しは10秒ほどで終わった。
東京地裁の民事部で「損害賠償請求事件」の証人尋問。
原告は元参議院議員の熊野正士氏、被告は株式会社文藝春秋外(ほか)。
「【速報】公明党・熊野正士参院議員が辞職 知人女性へのセクハラ疑惑報道受け」(2022年9月30日付けテレ朝news)などと報道されている。
「週刊文春」の記者だったムラオカ氏が証言台のところに座り、被告代理人弁護士の1人(喜多村洋一弁護士)が尋問を始めた。
代理人 「取材の端緒は…」
証人 「デスクから話があり…公明党の参院議員…入院してる…病気ではない…異性問題のトラブル…雲隠れ…」
代理人 「デスクはその情報をどこから…」
証人 「大阪府警の関係者から聞いたと…」
代理人 「女性はどういう人か…最初の人は…」
証人 「公益社団法人の会長の女性…」
そのへんで私はそっと出た。私にはあんまり興味のない話でもあり。
出て、東京高裁、「傷害致死」の判決へ。
被告人氏名でネット検索すると、ある趣味方面で活躍してる人らしい。趣味方面のトラブルか? だったら大変だ、と気になって。
裁判長 「主文。本件控訴を棄却する」
自宅で父親と「言い合い」になり、被告人は右手の平で父親の左側頭部を1回叩いた。
すると父親は間もなく様子がおかしくなり、どんどん悪くなり、急性硬膜下血腫で死亡したという。
その「死体解剖」なんだけど、なんと、某医科大学のI教授がやったはずなのに、じつはI教授の「講座」のT医師がやったんだという。
I教授のとこでは、講座の当番の医師がやるのが「通例」なんだという。
裁判長 「このような運用は是正される必要がある…しかしながら…瑕疵(かし)があることは証拠能力を否定する理由にならない」
I教授とT医師と、腕に違いはあんまりないのかもしれない。でも、立場が違う。教授のメンツをつぶさないように、みたいな忖度は心配じゃないのか。
結局、まあ、刑事裁判の実質的な役割は――もちろん例外はあるけれども――有罪の理由をこねること、という原則に照らすと、どうなんだろ。
そのほか、「やったことは悪いとはいえ、こりゃあ被告人が、その家族が、可哀想だわ!」というのを2件傍聴した。
そっちは長くなるのでまた今度、できればドライバーのwebサイトに書かせてもらいたいと思う。
今夜はもう寝る、歯磨きして寝ます!
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