腕時計盗、9944万6千円も1700万円も同じ懲役6年6月って
「「闇バイト」募集 貴金属店で1700万円相当窃盗の罪 男に懲役6年6カ月の判決 釧路地裁帯広支部」と3月25日付け北海道テレビ放送(HTB)。
こうだ。
去年、SNS上で「高額バイト」などとうたったいわゆる闇バイトを募集し、少年らと札幌の貴金属店で窃盗をした主犯格の男に、懲役6年6カ月の判決が言い渡されました。
旭川市の建設業・高橋一風被告(28)は去年2月、少年3人と共謀して札幌市の貴金属店に侵入し、およそ1700万円分の腕時計を盗むなどの罪に問われています。これまでの捜査で、高橋被告はSNSで集めた少年たちを実行役にして指示する立場だったことが分かっています。
25日の判決公判で、釧路地裁帯広支部は「闇バイトの動員までして自動車を盗み犯行に及んでいて、組織的で計画的である上、札幌市内の中心部でなされた大胆なもので悪質」「被害額は相当高額で結果は重大」などとして、懲役6年6カ月の判決を言い渡しました。
これを一般の視聴者はどう聞くのだろう。
傍聴マニアな私からすれば、疑問だらけだ。
「窃盗をした」「侵入し」「盗むなどの罪」とある。
罪名は「窃盗、建造物侵入」か「建造物侵入、窃盗」と思われる。
腕時計を試着するなり店を飛び出して逃走、か。ずばりそういうのも私は傍聴したことがある。
「およそ1700万円分」とは、腕時計が複数であることを意味するのだろう。
試着盗だとして、少年らに合計約1700万円もの腕時計を同時に試着させるって、あるんだろうか。
「強盗」じゃないのか。けど上掲報道には「強盗」を臭わせるものは何らない。
犯行場所は「札幌市内の中心部」だという。なぜ札幌地裁ではなく「釧路地裁帯広支部」なのか。
帯広での犯行で帯広警察署により逮捕され、札幌の事件も発覚したってことか。
量刑において、被害金額とともに重要なのは前科だ。
被害額が約1700万円で懲役6年6月(ろくげつ)は重い。同種前科とかあったんじゃないか。
いやいや帯広の犯行のほうがじつは被害金額が大きく、そこはなぜか報じてないとか?
疑問だらけだ。
私は東京地裁で、上野の貴金属店での「建造物侵入、強盗」の判決を傍聴したことがある。
被告人は身柄(拘置所)、スリムで格好いい若者だった。身のこなしがちょっとヤンキー風、ヤクザ風だ。
被告人は指示役。実行犯は2人で、うち1人を被告人が誘ったという。
トビ(鳶)の仕事を紹介したつもりが、じつは強盗の実行役とわかり、その者に伝えたが、その者は「金になるならやりたい」と言ってやったのだという。
2人が貴金属店に入り、客に包丁を突きつけて「しゃべるな、動くな」と脅し、従業員にショーケースを開けろと言い、結局レンチで叩き割った…。
奪った腕時計は45点、総額9944万6千円相当!
すべて運搬役(氏名不詳者)に渡したのだろう、被害弁償は一切なし。
前科なしで、判決は懲役6年6月、未決120日算入。
前科なしで9944万6千円で、懲役6年6月。
北海道の上掲の事件は、約1700万円で、懲役6年6月。
おかしくない?
とはしかし、上掲報道を見て思う人はいないよね普通。
裁判傍聴マニアは、なんというか、存在する意義はあるんじゃないか、うまく言えませんけど。
ちなみに、高額腕時計は海外で捌くルートがあるのだと、ルフィがらみの事件で出てきたょ。
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