こんなとこに車止めて邪魔だろ!
信号無し交差点の手前、左角の駐車場に貨物車が駐車して見通しがなく、左から右へ自転車が出てきて、衝突、自転車の男性(41歳)はヘルメット不装着だったようで頭部を強打、頭蓋内損傷により死亡。
私の、自転車によるお買い物圏内にも、同様に駐車車両で見通しが悪い交差点がある。危ない。
でも日本では、交差点の見通しをさえぎることに抵抗感はないようだ。運転者に注意義務を課し、事故ったら相場どおりの刑に処する…。
この国は、交通事故防止を、感情や理念ではめっちゃ言うけれども、現実に具体的に防ぐ気はないんだなあ、そういう国なんだなあ、とは裁判傍聴を続けてきてわかったことである。
東京地裁で「過失運転致死」の第1回公判を傍聴。
信号も横断歩道もない変則6叉路(差路)を右折時、杖をついて横断中の女性(74歳)に気づかず、衝突したことも気づかず、倒れた女性を前後輪で礫過して死亡させた…。
捜査段階の調書にこうあるという。
調書 「いったん一時停止…5キロぐらいの速度で進行…ががんという車の感覚…ぐにゅんとサスが動くような感覚…最初のががん、ぐにゅんがたぶん前輪で…次のががん、ぐにゅんがたぶん後輪が被害者に乗り上げた…」
右のサイドミラーに、人が倒れているのが見えて、すぐ停車、かけよって「大丈夫ですか」と声をかけたが反応がなく、119番、110番通報…。
わーっと人が集まってきて、誰かから「こんなとこに車止めて邪魔だろ!」と、すごいけんまくで言われたそうだ。
交通事故の裁判だけで1150件ぐらいか私は傍聴してきた。
次のような構図が否応なく見える。
1、人間に「ついうっかり不注意は付きもの」とは、国はもちろん国民も絶対に認めない。
2、ついうっかり不注意などあり得ないことを前提に、歩行者は道路を横断する。
3、どうしても事故は起こる。
4、起こったら運転者を処罰する。厳罰化する。
私でさえ気づくんだから、頭の良い裁判官らは当然にとっくに気づいてるはず。しかし沈黙。そして同じような事故が起こり続ける。なんと申し上げていいのか。
「ついうっかり不注意を今井は容認するのか!」
「被害者のほうが間抜けだと今井は言うのか!」
との攻撃を浴びそうだ。
との趣旨を言い続けてもう20年になるか。最近も記事を書かせてもらった。
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